チビクロの美術さんぽ

ぬいぐるみの黒猫チビクロがお出かけしますにゃ。休みの日に美術館へ行って、絵を見るのが
楽しみなのですにゃ。

「祈りも涙も忘れていた」伊兼源太郎 早川書房

2024-08-10 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「祈りも涙も忘れていた」
伊兼源太郎(いがね)早川書房
2022年刊


図書館の検索ワードを″早川書房″
してでてきた作品名、表紙、
それらから分るフンイキ、抄訳から、
ぴんときた本の1冊ですにゃ。
ビンゴですにゃ。



海外の作品でハードボイルドと呼ばれる分野があるけど、ボクわ、実わあまり読んだことわないんだ。でも、そういう風情がこの作品にわ、あると思うですにゃ。港町、バー、ハイネケン、常連の客、猫、少しキザな言葉回し。主人公甲斐わ、登場人物成海に言われていた。「キザって言われません?」

この作品の根底に流れるのわ、
強くなければ男でわない、やさしくなければ生きる資格がない、みたいな感じですにゃ。悲しみを背負って男わ、47歳になった。キャリア管理官だった若き日の物語ですにゃ。ハードボイルド小説のファンタジーが、日本の警察小説に落とし込まれていると思うですにゃ。そう、夢がなければ生きてわゆけないように。夢や希望わ、ファンタジーになってしまったこの世の中のために、なんてにゃ!
ボクわ、この作者の作品をまた読もうと思っていますにゃ。

チビクロのブログを今日もお読み頂き
ありがとうございますにゃ。




「たたかう植物」稲垣栄洋 

2024-07-31 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「たたかう植物 仁義なき生存戦略」
稲垣栄洋 ちくま新書



新書というのわ、さらっと読めるけど、大事なところの理解がかけてしまうような気がして、意外と手に取るのを警戒してしまうチビクロですにゃ。今日わ、久々に図書館の書架の前に立ち、
選んでみた1冊ですにゃ。

ふむふむと読み進めると、にゃにゃ!
この前読んだ生物の教科書のおかげで
用語とか飛ばさなくても分かるとこがあって読んだかいあったですにゃ。

それにしても植物の戦いぶりにわ、驚きましたにゃ。生きるとわ、戦うことなのかしらにゃ。

著者の専攻わ、雑草生態学。著書も多い。最後のまとめのヒトへの警句ともいえる言葉が鋭いですにゃ。


今日もチビクロのブログをお読み頂き
ありがとうございますにゃ。



「ポストコロナのSF」日本SF作家クラブ編

2024-07-25 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「ポストコロナのSF」
日本SF作家クラブ編
早川書房 2021年刊
19人の作家が短編を
書いていますにゃ。

チビクロが気に入った作品ですにゃ。
柴田勝家「オンライン福男」
緻密にふざけていて、そしてどこまでもマジメですにゃ。SF、文芸のジャンルを超えたその独自性わ、貴重ですにゃ。

柞刈未生「献身者たち」
(イスカリユバ)作者わ、生物学者だったらしいですにゃ。すっごくさえてる作品ですにゃ。ボクわある部分を読んでて鳥肌がたちましたにゃ。読んでて真の献身とわ、狂信と紙一重なのかもしれない。生まれた場所で命の価値わ、変わってしまう現実ですにゃ。コロナわ、貧困の現実を見せつけたですにゃ。規範を逸脱して救える命があるならば、規範を遵守することを求めるのわ、豊かな世界のごうまんなのかもですにゃ。
著者のお名前わ、イスカリオテのユダと関係あるのかしら、不明。
「SF界若手最注目の奇才」と言われてたらしい。知らなかったですにゃ。
デビュー作わ「横浜駅SF」。

小川一水「受け継ぐちから」
SFカテゴリでよく見かけてた著者さん。初めて読書。小気味よい展開ですにゃ。宇宙港、停滞運行なるタイムループ、マクノウチレーション。SF読むって、こういうドキドキ感ありますにゃ。前向きなエンド。2010年の作品にパンデミックをとりあげていて、先見性が再評価されているそうですにゃ。

北野勇作「不要不急の断片」
ぴったり100文字の掌編が70編、
まさに断片で構成されている作品ですにゃ。まるで俳句、短歌のようですにゃ。スタイルが新しいし、社会情勢、政治まで、組み込んでいて、点が繋がり面となり、大きいうねりになってくるフシギ作品ですにゃ。代表作「100文字SF」これも読まなきゃですにゃ。

短編集を読む楽しみわ、自分の知らない著者を知ることですにゃ。収穫多しですにゃ。どんどん読んでいくにゃ、読書の夏ですにゃ。

今日もチビクロのブログを
お読み頂きありがとうございますにゃ。




「雀荘迎賓館最後の夜」大慈多聞

2024-07-20 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「雀荘迎賓館最後の夜」
大慈多聞 新潮社
2024年刊

ボクわ、麻雀ができないですにゃ。
トランプ、マリオ、ファイナルファンタジー、ゲーム類わ、まったくできないし、説明を聞いても理解すらできないから、雀荘のはなしわ、どうかにゃと思ったけど、読んでみたら、なんとも、人生と人の世についての滋味豊かな大人の小説だったですにゃ。

おもしろいSF小説わ、たとえそのガジェット(小道具や小物)がわからなくても、どんどん読み進めていけるのと同じように、今回麻雀の牌?の絵が文章の合間にならんでいても大丈夫なのわ、作家さんが、内容と構成などをしっかり練り上げているからだと思うですにゃ。よくぞここまでと思うところと肩の抜け具合が、きっと作家さんわ、お茶目な一面があるんだなと思いましたにゃ。次回作も楽しみですにゃ。

いつも興味深い本のご紹介ありがとうございますにゃ。
ブログの先輩が教えてくれましたにゃ。



チビクロ気になった言葉
・アリュールのロゴいりムエット(試香紙)アリュールわ、シャネルの香水
・「演繹的妥当性より事業主体者の意志が尊重される」
・どんな不条理もグッと呑み込んでいく。
・鞠躬如きっきゅうじょ虎視眈々
・ありやなしやの都鳥在原業平
都鳥一家浪曲清水の次郎長伝
・ガーデニアの香水 シャネル
・B勘屋
・「吾れ死なば 焼くな埋むな 野に捨てて 飢ゑたる犬の腹を肥やせよ」
・神農さん(テキヤ集団の異名)
・あとかたもなきこそよけれ
備忘録ですにゃ。

これなんか意味あるのですかにゃ。
誰か教えてくださいですにゃ。


今日もチビクロのブログをお読み頂き、
ありがとうございますにゃ。

「怪物の木こり」倉井眉介 宝島社

2024-07-17 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「怪物の木こり」倉井眉介
宝島社
第17回このミス大賞受賞作品
2019年刊

フォローしている映画のブロガーさんご紹介の映画の原作本ですにゃ。いつも映画のご紹介ありがとうございます。
サイコパスで猟奇的殺人と聞くと、
読んでみたくなるチビクロですにゃ。



主人公二宮わ、子供の時マッドサイエンティストにサイコパスになる人体実験として脳チップを埋め込まれる手術をうけているという設定ですにゃ。サイコパスっていうのわ、他者への思いやりが、まったくなくて、殺人を犯しても、なんの罪悪感をもたない反社会的性格の人をいうのだけど二宮わ、主人公なのにサイコパス野郎の殺人者で悪い人なのですにゃ。

「怪物の木こり」というタイトルですし、ミステリというよりダークファンタジーでエンターテインメント度が強い作品ですにゃ。でも、最終、二宮が思い出したタケシの面影わ、サイコパス野郎の二宮でも切ない気持ちになったのわ、間違いないと思ったですにゃ。とんでも設定だから、再読わないと思いつつ、図書館の返却日までに何度も読み直ししたりして、余韻が残る作品ですにゃ。

今日もチビクロのブログをお読み頂き、
ありがとうございますにゃ。