チビクロの美術さんぽ

ぬいぐるみの黒猫チビクロがお出かけしますにゃ。休みの日に美術館へ行って、絵を見るのが
楽しみなのですにゃ。

「老い蜂」櫛木理宇 東京創元社

2022-12-21 20:00:00 | 2022 読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

この小説にわ、暴力描写がありますにゃ。苦手な方わご注意くださいですにゃ。
「老い蜂」櫛木理宇 東京創元社

図書館の書架でぱらっと
めくってみたですにゃ。
うん、櫛木理宇さんだし、
犯罪小説のエンタメとして
よさげですにゃ。
だけど、
またぼうりょくせいの強いやばいやつ
かもですにゃ。
かくご!そうだ!
読書わ、覚悟ですにゃ。
ボクのきちょうな時間を、
費やすのだ。



ストーカー×犯罪×刑事×死刑囚×被害者家族×加害者家族×拉致監禁×ストックホルム症候群×復讐のおはなしですにゃ。

後半部分、刑事たちの描写が
好感でしたにゃ。
きちんと人間性をもつ人間として、
考え、行動をするですにゃ。
所轄刑事通称事件マニアの佐坂、
警視庁一課北野谷、趣味わ料理、
千葉県警自称ロートル今道。
キャラがたってますにゃ。
この三人で続編希望ですにゃ。
意外な展開わ、
読んでからのお楽しみですにゃ。

普通の善良な人間が犯罪にかかわった
異様な状況のせいで、
闇落ちしてしまう姿に、
誰でも持つ心の闇を感じたですにゃ。
存在そのものが真っ黒の犯罪者が
持つ雨粒1滴にもみたないくらいなそれを、愛と呼んでいいのかわからないけど、それわ、愛であるのわ、間違いないですにゃ。歪んで独りよがりで間違っていたとしてもですにゃ。
その愛開いた口が、ふさがらないとわ
このことだけど、
罪で真っ黒な者が持つ純粋な愛のかけらが、さらに罪を、重ねさせることに
なりましたにゃ。
復讐に走らずに、自分の志を
まげなかった佐坂の存在が
善良なる人の理想のかたちとして
描かれたのかもですにゃ。

ミステリって、読みきっておしまい、
再読ってしないものだけと、
図書館に返す前に、後半部分を
なんどか読み直して
みたチビクロですにゃ。
犯罪小説、ひとがしんだりするはなしを
よんで、おもしろかった、というのわ、
どうかとおもうけど、おもしろかった
ですにゃ。
怖い題名のイメージよりずっと
良い作品でしたにゃ。

今日もお読みいただき
ありがとうございますにゃ。










「告解」薬丸岳 講談社

2022-12-05 20:00:00 | 2022 読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。
「告解」薬丸岳 講談社


〈贖罪の在り方に向かい続けてきたからこそたどり着いた慟哭の傑作長編。〉
〈罰が償いでないなら、加害者はどうして生きていけばよいのだろう。〉

交通事故×被害者×加害者×家族×更生×
贖罪×戦争犯罪の作品ですにゃ。

告解(こっかい)とわ、
ローマキリスト教教会で、
神と神父の前で罪を告白すること
だそうですにゃ。

冒頭主人公が事故を起こしてしまう様子が辛くて、後ろから読んでしまった
チビクロですにゃ。
初めわ、読むのがしんどいですにゃ。
つらい主題なのに、次第にどんどん
引き込まれていくのわ、
作者の魔法の力、違った、
作者の力なのですにゃ。
罪と罰の物語ですにゃ。
罪と罰というと、トルストイだけど
読んだことわ、ないのですにゃ。
主人公の苦しみを見ることにより、
自分の罪を許し、自分の罪を許したから、彼の罪を許すことができた…
人間のしょくざいについての
ふへんてきしゅだいですにゃ。
罪を犯しても反省しない人物であったら、違う物語になってしまうけど、
そういう現実もあるのだろうと
考えましたにゃ。
読んでよかったにゃ、
と思える1冊でしたにゃ。

今日もお読み頂き
ありがとうございますにゃ。






「天使のナイフ」薬丸岳 講談社

2022-11-28 20:00:00 | 2022 読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「天使のナイフ」薬丸岳 講談社
2005年刊


「友罪」を読んで、気になったので
薬丸岳さんの作品を読んで見ましたにゃ。

少年法×被害者家族×被害者の知る権利
×交通事故被害者家族×
更生×贖罪×ミステリ×サスペンスの作品ですにゃ。

薬丸岳さんがデビューするきっかけに
なった第51回江戸川乱歩賞受賞作
ですにゃ。
2年かけて執筆したそうですにゃ。
エピソードをギュッとつめ、
アクロバット的な展開に、
伏線わ、忌憚なく回収ですにゃ。

結構前の作品だけど、
古びてないですにゃ。
でも、
約8年後に書かれた「友罪」わ、
サスペンス×ミステリ要素わ
小さくして、
「罪と罰」の物語として
より読ませる作品になっていると
思いましたにゃ。
作家として、進化=深化して
いるのだと、思いましたにゃ。

続けて読んでしまいそうな
チビクロですにゃ。

今日もお読み頂き
ありがとうございますにゃ。


「友罪」薬丸岳 集英社

2022-11-17 20:00:00 | 2022 読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

某巨大通販サイトが、チビクロの
読書傾向から、おすすめしてきた中の
1冊ですにゃ。
ボクわ、気になった作家や
本のあらすじを調べて、
図書館で借りる本の参考に
しているですにゃ。

「友罪」薬丸岳 集英社
2013年刊


犯罪×贖罪×少年法×サイコキラー×
報道のあり方×法の支配×民主主義
的な作品ですにゃ。

誰でも知っているあの事件を
題材とした問題作ですにゃ。
被害者のご関係者さん方が目にしたら、
胸を痛めてしまうですにゃ。
被害者の方に
心からご冥福をお祈りします。

ある大学の考古学、人類学の
研究によると
縄文時代の暴力による死亡率わ、1.8%、
部族間の戦争によるものと
みられているそうですにゃ。
かいらくさつじんでわないと思うですにゃ。人間社会が豊かになったことの
副産物の1つなのかもしれないですにゃ。

友がいなかった鈴木が
初めて友情を感じた友から、
うける断罪に強い痛みを、感じるならば、少年法の理念によるきょうせいがなされたことに、そして、
彼に寄り添う益田が現れることで、
民主主義による、法の支配が理想的に
行われることになるのでわ
ないでしょうかにゃ。
民主主義わ、
ゆらいでいるらしいですにゃ。
でも、そのシステムに希望を
もっていたいですにゃ。
困難なみちのりになるですにゃ。
いみふめいだけど、
そう思ったですにゃ。

贖罪の、物語わ、ふへんてきですにゃ。
どんなに償いをしようと、失われた命わ、戻らないですにゃ。
もし、二人が友であるならば
二人でどのように罪を背負っていくのか、
その後の物語をぜひ読んでみたいと
思うチビクロですにゃ。

フィクションだからこそできる
問題提起を、エンターテインメントと
して、ぐいぐい読ませるこの作者の
力量を感じて、他の作品も読んでみよう
と思いましたにゃ。

今日もお読み頂き
ありがとうございますにゃ。



「川っぺりムコリッタ」荻上直子 講談社

2022-11-05 20:00:00 | 2022 読書
チビクロわ、ちょっと前だけど
読書しましたにゃ。

「川っぺりムコリッタ」荻上直子 
講談社

ボクわ、ある日、映画のちらしスタンドを見かけましたにゃ。
そこにあった、一枚のチラシわ、
いろんな人が笑みを
浮かべていてなんとなく気になって
手に取ったですにゃ。
えと、そんな時のなんとなくって、
アンテナが働く気がしてるですにゃ。
それが映画「川っぺりムコリッタ」ですにゃ。松山ケンイチ、満島ひかり、
ムロツヨシさんなどが出演していますにゃ。
その映画の原作本読んでみましたにゃ。

孤独な青年山田のお話ですにゃ。

映画監督が書いたからかな、
読んだ途端にチビクロのあたまの中に
フィルムみたいのが走り出し、
文章が次々と映像化されていきますにゃ。

「ムコリッタ」とわ、仏教の時間の単位で、30分の1日=48分で、
ささやかな幸せなどを意味するらしいですにゃ。

シアワセって何?×ネグレクト×孤独死×
貧困×セーフティーネット
×ご飯を食べる 
風味の
社会派ほっこりですにゃ。

今チビクロわ、美術館行ったり、
イタリアン食べたりしてられるけど
歳をとって、居場所もなく、
バス停で朝を待つことに
なるかもしれない。
そしたら、此岸も彼岸も境目わ
なくなって、あっちにいくことに
なるかもしれないですにゃ。
仏教では、生死の海を渡って到達する
悟りの世界を、彼岸ともいうらしいですにゃ。彼岸の世界でわ、煩悩から解放されているらしいですにゃ。
もしかしたら、彼岸の世界わ、
平和で美しい世界なのかにゃ。
そしたら、そこわ、
怖くわないのかもしれないにゃ。

いつか、映画を見る機会があれば
いいですにゃ。

写真家川内倫子さん作品が
カバーに使われていますにゃ。

今日もお読み頂き
ありがとうございますにゃ。