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静岡・手越向山遺跡 東日本で最古の畑跡か

2008年09月04日 | Weblog
 静岡大人文学部考古学研究室は3日、静岡市駿河区手越の佐渡山(さわたりやま)にある手越向山(てごしむこうやま)遺跡で、弥生時代中期後半以前の方形周溝墓の下層に畑とみられる遺構が見つかったと発表した。
 東日本では古代人が本格的な稲作を始める前に畑を耕して生活していたことを裏付ける資料として注目される。現在土壌を分析中で、事実が裏付けられれば中期初頭約2300年前の畑として東日本で最古となる。
 手越向山遺跡は、静岡市街から北西に位置する佐渡山(標高102m)の東側斜面にある遺跡。2006年から同研究室の篠原和大(かずひろ)准教授らが発掘に当たり、これまでに弥生時代中期の「方形周溝墓」のほか、縄文時代のヤリの先や古墳時代の土器などが見つかっている。周辺からは、弥生時代中期初頭の丸子式土器、石斧などが検出されている。
 昨年弥生中期後半(約2000年前)の方形周溝墓を発見した時に、下の土層が掘り起こしたように複数の色の土が混じり合っていたため、今夏第調査を行ったところ、地表の約1m下に掘り返したような跡がある土壌を発見し、畑を耕した跡と判断した。遺構は縦3~4m、横10m。遺構の溝を側面から見ると、黄褐色土と黒色土が層をなし、境目は波状になり、さらにその境目は地上と水平に走っている。これらのことから波状の境目は、土が自然に堆積したのではなく人間によって土が耕されたためできたとする。
 石斧を使って耕していたとすれば中期初頭の約2300年前の畑の可能性もあるとする。
 全国的には、三重県松阪市の筋違遺跡の畑跡が弥生前期中ごろで日本最古級とされている。東日本では、静岡県沼津市の植出遺跡など、弥生後期後半(約1800年前)のものまでしか見つかっていなかった。
 発掘調査は、9月5日までの予定。
[参考:毎日新聞、静岡新聞、読売新聞、静岡大学考古学研究室HP]

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