歴歩

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京都市南区・左京九条三坊八町 仏堂跡、ガラス玉が出土

2018年06月08日 | Weblog
 京都市埋蔵文化研究所が南区東九条室町で行ったホテル建設予定地の発掘調査で、鎌倉時代初期に頑丈な礎石を伴った仏堂とみられる建物跡が出土した。平安京左京九条三坊八町に当たる。
 規模は南北5間、東西5間(11.0×12.4m)の総柱形式。
 当時の記録が書かれた「中右記(ちゅうゆうき)」に、平安時代後期から宅地に堂が建てられたという記録が残ることから、仏堂の可能性があるという。
 建物跡の近くからは、平安時代後期とみられる長さ2・4cm、幅3・1cmで、中央に穴があいたガラス玉も出土した。成分分析から中に含まれていた鉛は対馬産と分かった。当時は青色をしていた。
 この周辺は、平安遷都当初から自然の川が流れていたため開発が遅れ、耕作地としても使われていた。しかし院政期にあたる12世紀ごろに開発ラッシュが始まり、それ以降、貴族や平氏、源氏などによる宅地化が進んでいる。
[参考:京都新聞、産経新聞、「京都市埋蔵文化財研究所発掘調査報告2017-8 平安京左京九条三坊八町跡・烏丸町遺跡」 2018年 京都市埋蔵文化財研究所]

  
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