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file.082 Richie ASHBURN【リッチー・アッシュバーン】

2006-09-03 | ABC
【ロス婦人の受難】
Richie ASHBURN

マイク・シュミットと並んで、
フィラデルフィアのファンに愛されるアッシュバーン、
走・攻・守全てにおいて高レベルのプレーヤーであった。

アッシュバーンといえば、何といっても
その卓越した中堅守備である。
肩と守備範囲に自信を持つアッシュバーンは
極端な前身守備でいくつもの打球を処理し、
さらに何人もの走者を強肩で刺した。
過去に8回ほどしかないシーズン500刺殺を4度もマークし
捕殺部門でも3回のリーグ1位を記録している。

打撃でもスプレーヒッターぶりを披露、
選球眼がよく、右打席から、全方向に打球を放ち、
15年のキャリアで、打率3割以上を9度マーク。
2574安打を放ち、通算打率.308を誇る。
55年、打率.338、3本塁打、42打点で初の首位打者を獲得すると、
58年、打率.350、2本塁打、33打点で二度目の首位打者に輝いた。

そしてアッシュバーンのバット・コントロールが
いかんなく発揮されたのが1957年の8月17日のゲームであろう
この日のある打席、アッシュバーンが打ったファウル・ボールが
試合を観戦していたアリア・ロスなる老女の鼻を直撃、
鼻を折ったロスはすぐに担架に乗せられたが、
アッシュバーンが再度放ったファウル・ボールは
無情にも再び担架上のロス婦人を直撃したのであった。

引退後はフィリーズのキャスターを務め
長くファンに親しまれたアッシュバーンであったが
選手としてのキャリアの最終年は
最弱球団だった頃のメッツであった。
1962年、ダントツの最下位に終わったメッツで
チームMVPに選ばれたアッシュバーンは
こう吐き捨てた
「史上最低チームの最高殊勲選手って....そりゃどういう意味だい???」