衆議院議員 河野 太郎 著
「原発と日本はこうなる」を読んだ。彼のこの本は衆議院議員に初当選してからの、ライフワークのようにしてきた「脱原発」に関する中間報告的内容である。官官癒着、政官癒着、原発マフィヤの存在、私が想像してきていた事柄について、政治家の持つ調査権を最大限使用して集めた情報の中から現時点での、日本が向かうべき道を示した力作である。自民党の中で、常に圧力を感じながら、早くから「原子力行政」を批判してきた彼らしい観点に共鳴できる所の多い一冊である。
石綿を、現在も使用を認めている場所は、「原発関連施設」のみである。使用済み核燃料の保管さへ、ままならない現状を解決する手立ても無い電力会社。大量の使用済み核燃料に隠されたプルトニューム。北朝鮮を大きく上回る保存核物質。核ファミリーの思惑が何処にあるのか、他の資料と繋ぎ合わせると見えてくる。防衛専門家的政治家が、核ファミリーの血縁であり、核ファミリーの支援の下、発言権を維持してきた構図が、窺い知れてくる。この麗しき日本を、1000万トンの石綿で汚し、今又、国民に知らされない膨大な放射能で汚した、これらの企業グループは、恥を知るべきである。自らの利益のために、推進してきた「原子力」依存。その破綻を、国民に押し付けて、その始末を再び国民の血税で補おうとする事自体、嘗ての、「チッソ」の二の舞である。
今こそ国民が大きく方向転換の声を上げるべきである。