石綿糸、石綿布等の石綿紡織製品の製造工程における作業。
これらの作業は、文字どおり蛇紋岩などを粉砕し、其処から取り出した石綿繊維を使い、不燃性の糸や耐火布を織り出す作業を指しています。これらの製品は、消防士の着用していた防火服や、建築現場で使われる配管に巻きつけ耐火性能を向上させたり、自動車のボンネットの裏面に貼り付け、防音材に使用されたり、また、圧縮されて耐熱用のパッキン(自動車などのエンジンに使うときは、ガスケット呼ばれます)として、空調ダクトのジョイントに使用されています。また、これらの品物は、発電所や、変電所の配管の耐火性を高める為に使用されています。嘗て、トヨタ自動車のパブリカと言う車が昭和40年代に存在しましたが、空冷式のこの自動車には、大量の石綿布が排気管に使用され、又、暖房装置も石綿の充填された装置を通り室内に取り込まれていました。又、嘗ての三輪トラックのエンジンルームと、運転席の間に大量の石綿布が、断熱材として使用されていました。これらの作業をされていた方々も、まして、これらの物を解体しておられた人たちも「健康管理手帳」(石綿)の対象者になります。泉南集団訴訟の人たちこの作業の代表的な存在です。