石綿被害者に対して、国は特別法を作り救済しています。しかし、この救済法が曲者で、一般労災とは異なり、重症化しない限り救済されません。一般の労災は、その病状が発症した時点で、救済されますが、石綿被害者の救済は大変複雑です。その為、救済される人間が限定されてきました。今やっと被害者が、救済の申し立てを行うようになり、少しずつ門が開かれつつあります。なぜ今までこのような行動が、発生しなかったのか不思議でしたが、石綿被害者の発症から、死に至る期間が大変短く、又発症するとその症状から、救済のための運動を推し進めるだけの体力が維持できないことが、身を持って感じています。そうした事から、救済の申し立てが、被害者の遺族によって行われる事が多く、また、そうした行動に対し多大な費用が必要となり、遺族にとって大きな負担となる為、なかなか行動できない現実が其処にあります。集団訴訟が、大阪を中心に進んでいますが、地方では未だに「石綿曝露者救済」のための法律が、存在している事さえ、知らされていない現実が存在するのです。また、その対象者が、どの範囲に及ぶのかさえ知らされていない現状打開のために、今後どの様な運動を起こせばよいのかさえ、考えられない現実が其処に存在しています。根底には、被害者に高齢化による問題が其処に存在しています。石綿曝露から、数十年の後に発病することから起きる、中皮腫を始めとする石綿被害の実情が、その曝露時期の証明や、曝露場所の特定など被害者救済の妨げと成っていますし、そうした現状の中で、治療方法の無い現実の中で、被害者がどの様に連携して行けば良いのかさえ、見えてこないのです。今日も三人の被害者の「健康管理手帳」(石綿)申請書を作成しましたが、押し寄せる無力感に苛まれています。国はこうした被害者の心のケアーなど考えていないようです。ただ地域医療センター(旧国立がんセンター)の拡充に着手しました。今後石綿による原発性肺癌や中皮腫が多発される事が明確に成ってきたためです。皆さんの周りに、発電所、造船所、建設工事関係者、鉄道事業所、自動車整備、等に係わった方が居られましたら御一報ください。「健康管理手帳」(石綿)取得のお手伝いを致します。
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