ホウレンソウは、スーパーに行けば年中手に入る食材で、季節感の失われた野菜の代表格の一つですが、実は、気温の下がってくる秋から冬にかけて旬を迎えます。ホウレンソウは元々冷涼な環境が適している植物で、この時期のホウレンソウは、栄養価も高く美味しいという特長を持っています。
栄養学的には、カロテンや葉酸、ビタミンB1、B2、C、鉄分などを多く含む食材ですが、注目したいのは、ルテインという成分を含んでいることです。ルテインは緑黄色野菜に多いカロテンの仲間の成分で、β-カロテンのように体内でビタミンAに変換されることはないのですが、加齢黄斑変性や白内障などの眼病予防に役立つといわれています。これらの眼病はどちらも高齢者特有の病気で、社会の高齢化にしたがって近年増加してきており、問題となっています。
ホウレンソウのルテイン含量は、ルテインを含むといわれる緑黄色野菜のなかでも突出して多く含んでいます。
有用成分を多く含むホウレンソウですが、一つ気をつけたいのは、シュウ酸を多く含んでいるということです。シュウ酸はホウレンソウ特有のえぐみの原因物質であり、体内に吸収されるとカルシウムと結びついて不溶性の塩を形成しますので、多食すると腎臓結石や尿路結石の原因となります。
シュウ酸を取り除くには、大量の水で茹でこぼすと抜くことができますが、そうすると同時にビタミンCまで失われてしまいますので、むしろ、ちりめんなどカルシウムの多い食品とあわせて食べることをお勧めします。そうすると腸内でシュウ酸がカルシウムと結びついてそのまま体外に排泄することができます。
漫画「ポパイ」で主人公がホウレンソウを食べると超人的な力を発揮するという設定は、野菜嫌いの子供に野菜を食べさせるための全米ベジタリアン協会の策略だったそうです。漫画は大ヒットし一時的にはホウレンソウの消費も増えたそうですが、残念ながら全米ベジタリアン協会の意図した菜食主義の浸透・定着にまでは至らなかったようです。
(医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:そねたあゆみ)
栄養学的には、カロテンや葉酸、ビタミンB1、B2、C、鉄分などを多く含む食材ですが、注目したいのは、ルテインという成分を含んでいることです。ルテインは緑黄色野菜に多いカロテンの仲間の成分で、β-カロテンのように体内でビタミンAに変換されることはないのですが、加齢黄斑変性や白内障などの眼病予防に役立つといわれています。これらの眼病はどちらも高齢者特有の病気で、社会の高齢化にしたがって近年増加してきており、問題となっています。
ホウレンソウのルテイン含量は、ルテインを含むといわれる緑黄色野菜のなかでも突出して多く含んでいます。
有用成分を多く含むホウレンソウですが、一つ気をつけたいのは、シュウ酸を多く含んでいるということです。シュウ酸はホウレンソウ特有のえぐみの原因物質であり、体内に吸収されるとカルシウムと結びついて不溶性の塩を形成しますので、多食すると腎臓結石や尿路結石の原因となります。
シュウ酸を取り除くには、大量の水で茹でこぼすと抜くことができますが、そうすると同時にビタミンCまで失われてしまいますので、むしろ、ちりめんなどカルシウムの多い食品とあわせて食べることをお勧めします。そうすると腸内でシュウ酸がカルシウムと結びついてそのまま体外に排泄することができます。
漫画「ポパイ」で主人公がホウレンソウを食べると超人的な力を発揮するという設定は、野菜嫌いの子供に野菜を食べさせるための全米ベジタリアン協会の策略だったそうです。漫画は大ヒットし一時的にはホウレンソウの消費も増えたそうですが、残念ながら全米ベジタリアン協会の意図した菜食主義の浸透・定着にまでは至らなかったようです。
(医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:そねたあゆみ)
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