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NY便り(東京発)・・グッゲンハイム美術館で河原温特集を観る

2015年04月11日 | モダンアート
NYのグッゲンハイム美術館はカンジンスキーなどで知られる美術館である。マンハッタン中心部からは少し遠いが、この日、グランドセントラル駅を起点にマディソン街及び5番街の街並みを眺めながら歩いて美術館に向かう。両脇にはブランド店が軒を連ね、ガゴシアンGなど著名なギャラリーもある。
美術館に着くまで知らなかったのだが、偶々河原温特集をやっていた。なんという幸運であろうか。

河原温は時間や存在を扱った「コンセプチュアル・アート(概念芸術)」の第一人者として国際的に高い評価を受けている現代美術家である。1年前に81歳で亡くなったが、この展覧会はその死に敬意を表しての企画であろうか。


河原温作品・MOMAにて


 日付絵画と同日の新聞


葉書シリーズ

河原温は60年代半ばにニューヨークに拠点を移して活動して来た。ただ、メディアに登場することもなく、私生活がほとんど不明の芸術家として知られている。渡米後の作品は時間や空間をテーマにした観念的なものといえる。1966年から描き続けられてきた日付絵画「TODAYシリーズ」はキャンバスにその日の日付だけを丹念に描くというもの。その他「Iam Still Allive」という文面の電報を世界各地から発信するシリーズや絵葉書にその日起床した時間を記して特定の知人に郵送する「I Got Up」など幾つかのシリーズがある。
グッゲンハイム美術館の内部は大きな吹き抜けになっており、円を描くようにゆったりしたスロープがあり、この壁に河原温作品は飾られていた。作品を見ながら、こういう独自の世界を築き上げた河原温という作家に改めて脱帽してしまった。


河原温の画集を観ながら

セントラルパークを眺めながら特製ジュースと珈琲

私は30代半ばに三重県鳥羽を拠点にアート活動をしていた青年から現代美術を学んだが、河原温や杉本博司のことを語ってくれたことを懐かしく思い出した。


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