硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

やっぱり面白い。

2013-03-07 21:13:06 | 日記
職場では朝からテレビが付いている。いつもほぼ決まったテレビ番組になっている。時々仕事の手が空いたとき、認知症おばあちゃんと一緒にワイワイ言いながら鑑賞している番組がある。

それは午前中に再放送されている「暴れん坊将軍」午後の夕方から再放送されている「水戸黄門」なのですが、かなり面白い事に気づいたのです。

二つの番組はもちろんリアルタイムでも見てはいるのですが、当時、テレビは一家に一台。(笑)当然少年であった僕にはチャンネル権はない、したがって大人達と一緒に見ていたのですが、それでもつまらなくはなかったという印象は残っている。

しかし、大人になって改めてじっくり観てみると、その完成度に驚かされる。勧善懲悪という分かりやすさと起承転結という物語の進みを必ず守ってくれており、鑑賞後の爽やかさは他のドラマでは味わえない。

また、里見光太郎さんや松平健さんの殺陣の鮮やかさには思わずほれぼれしてしまう。なんていったらいいのか。リアルに刀で斬り合う泥臭さはないんだけれど、(血がどばどば出るとか、腕がすぱっと落されるとかは一切ない。当時はきっと意図的に排除されていたんでしょうね。)脈々と受け継がれている伝統芸能というんでしょうか。とにかく刀さばきが鮮やかなんですね。

そしてカメラは殺陣がどう撮ればかっこよく映るか、とても考えて撮られているんですね。当然それは少年時代には気がつかない。それがわかるようになったとき、かなり感動しました。

また、毎回同じような形で話が進んでゆくけれど、それを分かった上で話を創作し続けてゆく脚本家さんのご苦労。本当にすごいなって思います。作家ならば個人的なメッセージも込めてみたいという欲求もあったでしょう。しかし、それは表に出さずに枠にはまるように話を作ってゆくのですから、ストレスも大きかったんじゃないかなと思うのです。

それでも、思わず感動してしまうお話もあるので、その時は思わず「さすがだなぁ」と呟いてしまいます。

また、ゲストの女優さんも大変若く、当時幼心にほのかな想いを感じた女優さんに再会すると不思議と胸がキュンとする。
最初は「なんだこの気持ちっ」と思って、ビックリしたけれど、冷静に考えてみると基本好きなタイプの人は変わらないのかなと思ったりもしたのです。(苦笑)

様々な感動を呼ぶ粋な時代劇。もう、そのうち誰も見なくなってしまうのでしょうね。

僕らが高齢者になった時、トレンディドラマの再放送を観てワイワイ言うのかなと思うとなんか変な感じがします。

なぜなら、物語の形は、鑑賞後に爽やかさを残さない男女の惚れたはれたが大半をしめるから・・・。