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映画の王様

映画のことなら何でも書く

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』公開の前にいくつかおさらいを

2021-12-21 14:02:55 | 映画いろいろ

『スパイダーマン3』(07)


https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8d0e50093c4f22ab82e4ac555504e5fe


『アメイジング・スパイダーマン』(12)(2012.6.19.ソニー・ピクチャーズ試写室)

 『スパイダーマン』の「リブート(再始動)作品。前シリーズも暗かったが、この新装版も暗い。だが、逆にこの暗さが、陰りや憂いを持った特撮ヒーローもの+青春ものとしてなかなか見応えがあった。

 新ピーター・パーカー/スパイダーマン役のアンドリュー・ガーフィールドはちょっと若き日のアンソニー・パーキンスに似た感じ。伯父役のマーティン・シーン、叔母役のサリー・フィールドがさすがの存在感を見せる。スパイダーマンがニューヨークの摩天楼を舞う3Dも効果的。


『スパイダーマン:ホームカミング』(17)帰宅



https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/01e95f7ca3902f5a64cb24ea29e11309


『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)故郷を離れて

 『アベンジャーズ エンドゲーム』(19)後の世界。学校の研修旅行でヨーロッパへやってきたスパイダーマンことピーター・パーカー(トム・ホランド)は、旅行中に思いを寄せるMJ(ゼンデイヤ)に告白しようと計画していたが、彼の前に新たな敵と巨大な危機が訪れる。ヒーローとしての宿命を背負う高校生に、休息の時はないのか…。

 またしても、ピーターの短慮とドジが原因で大事件が勃発。未熟故に自ら災難を招く結果となるが、考えたら彼はまだ高校生なのだ。今回は恋と”仕事"の板挟みで悩む姿が描かれる。

 おなじみニック・フューリーのサミュエル・L・ジャクソン、メイおばさんのマリサ・トメイ、チャンスのジョン・ファブロー、MJのゼンデイヤと親友ネッドのジェイコブ・バタロン、そして敵役ミステリオのジェイク・ギレンホールが、ホランドを盛り立てる。

 前作に続いて、監督ジョン・ワッツ、脚本クリス・マッケナ、エリック・ソマーズのトリオは健在。三部作の中間作は損をすることが多いが、今回は無難にまとめていた。さて、次回作は、正体がばれたピーターはどうなるのか、というところから始まるのかな。

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「BSシネマ」『ザ・マジックアワー』

2021-12-21 07:09:57 | ブラウン管の映画館

『ザ・マジックアワー』(08)(2009.9.6.)

 ギャングのボス(西田敏行)の愛人(深津絵里)に手を出してしまったクラブ支配人の備後(妻夫木聡)は、命を助けてもらうかわりに、ボスの捜す幻の殺し屋・デラ富樫を紹介すると約束する。だが、富樫を見つけられない備後は、無名の三流役者・村田(佐藤浩市)を富樫に仕立てることを思いつく。備後は、映画監督になりすまし、ギャング映画を撮影するとだまして、村田を連れてくるが…。

 映画の撮影だと思い込んで殺し屋になり切る売れない俳優。彼にだまされるギャングたちという設定は面白い。ただ、本人も周囲も、双方がだまされていると気付かないことから生じるギャップが見せ場のはずなのに、細部があまりにもお粗末。コンゲーム(信用詐欺)で観客もだますのなら、細部が最も大切なはず。三谷幸喜、そんなことは百も承知のはずなのに。わざと外したということなのか。

 またも、三谷幸喜がビリー・ワイルダー(あるいは和田誠)を意識し過ぎて消化しきれなかった感が残る。。同好の士としては甚だ残念。もっとも、だったらお前が撮ってみろと言われても撮れないのだが。やはり、コンゲームの面白さを描いた映画は『スティング』(73)にとどめを刺す。

 

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『映画の森』「2021年の映画界を振り返って」

2021-12-20 07:17:37 | 映画の森

 共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)12月20日号、「映画の森」と題したコラムページに「2021年の映画界を振り返って」掲載。(クリックで拡大)

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『ニューヨーク・ストーリー』

2021-12-19 09:27:29 | 映画いろいろ

 『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』のウェス・アンダーソン監督がこの映画の「ライフ・レッスン」に影響を受けたと語っていた。

『ニューヨーク・ストーリー』(89)(1989.9.24.みゆき座)

ニューヨークへの逆説的愛情表現

 マーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、ウディ・アレン。過去にニューヨークを描いてきた3人の監督が、ニューヨークを舞台にした競作オムニバス映画を撮ったということで、興味深いものがあったのだが、残念ながら、本領を発揮したのは、この手のスケッチドラマがうまいアレンだけで、スコセッシとコッポラには不満が残った。

 まずは、売れっ子画家(ニック・ノルティ)と恋人の若い画家(ロザンナ・アークエット)との微妙な関係を描いたスコセッシの「ライフ・レッスン」

 いきなりかかったプロコル・ハルムの「青い影」と、ノルティのデブぶりに面食らい、ネストール・アルメンダリスとも思えぬ移動撮影の多さに、何だかブライアン・デ・パルマの映画を見ているような気分になった。これが、単純な男女のメロドラマには不釣り合いで、ラストの落ちに行き着くまでには我慢が必要なほどだった。

 続いて、高級ホテルに住むセレブな少女を描いたコッポラの「ゾイのいない人生」。ニューヨークの上流社会を少女の目を通して寓話的に描いているのだが、ニューヨークの持つ狂気や異常さが際立ってしまい、かわいらしいストーリーになるはずが、残念ながらそうは映らなかった。

 まあ、その奥にはコッポラがこだわる家族の絆というテーマがあったのだろうが…。『ワン・フロム・ザ・ハート』(82)『コットンクラブ』(84)といった惜しい映画と重なるところがあった。

 と、前2作が今一つだったのに比べると、口うるさい母親の存在に悩む弁護士(アレン)を描いた「エディプス・コンプレックス」は、最も現実離れをした話であるにも関わらず、いつもながらのくさいけれどうまい作劇が目立った。

 またしても、アレン独特のユダヤ人としてのコンプレックスが描かれているのだが、見ているこちらも、彼の手法に慣れたためか、あるいは彼の映画作りがさらにうまくなったからか、以前ほど嫌らしさは感じなくなっている。

 さて、出来不出来の波はあるが、この3作に共通するのは、もはや普通の神経では生きられなくなったニューヨークに対する三者三葉の逆説的な愛情表現であり、それぞれの話の登場人物が、多少のデフォルメはあるものの、3人の監督たちの分身として見えてくるような面白さがあった。

 例えば、スコセッシは女とくっついたり離れたりを繰り返し、コッポラはファミリーにこだわり、アレンはコンプレックスの塊といった具合に。

 そう考えると、最も違和感のなかったアレンが、ニューヨーカーの代表といえるのかもしれない。こういう映画を見せられると、東京がまだまだ平和な街に見えてくるのを喜ぶべきなのかと思う。

 

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『コンクリート・カウボーイ: 本当の僕は』

2021-12-18 17:14:21 | 新作映画を見てみた

『コンクリート・カウボーイ: 本当の僕は』(Netflix)

 デトロイトで母と暮していた問題児のコール(ケイレブ・マクラフリン)は、夏の間、疎遠だった父のハープ(イドリス・エルバ)とフィラデルフィアの黒人カウボーイコミュニティで暮らすことになる。初めは馬の世話に心血を注ぐ父に反発するコールだったが、やがて固いきずなで結ばれた周囲の人々の中で成長していく。

 『マ・レイニーのブラックボトム』『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野』(これにもエルバが出ていた)などと並ぶ、Netflixが製作した黒人主体の“ブラックムービー”の1本。製作は『大統領の執事の涙』(13)のリー・ダニエルズ。監督のリッキー・スタウブはこれがデビュー作。 

 実際に、フィラデルフィアの街中で馬の飼育や調教をしている黒人カーボーイたちの姿を描き、本人たちも登場する。父と子の和解の話としてはありきたりだが、知られざる黒人カウボーイの歴史が語られるところは興味深かった。

 劇場公開の映画としては、題材が渋過ぎ、人種的な主張も強過ぎて、興行的には不利だと思われるが、配信ならその点もクリアできる。配信会社が製作する映画の価値はこんな形でも示されるわけだ。そう考えると、こういう映画は、かつてのテレビムービー的な役割を果たしているのかもしれないと感じた。 

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『世界で一番美しい少年』

2021-12-18 16:10:00 | 新作映画を見てみた

『世界で一番美しい少年』(2021.12.16.オンライン試写)

 ルキノ・ビスコンティ監督の『ベニスに死す』(71)で主人公アッシェンバッハ(ダーク・ボガード)を破滅に導く美少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンの、現在と過去を追ったドキュメンタリー。

 ビスコンティに見いだされ、「世界で一番美しい少年」と称賛されたアンドレセンは、日本でも評判となり、来日時は日本語で歌を吹き込み、CMにも出演。『ベルサイユのばら』など、少女漫画のキャラクターの基になるなど、日本のカルチャーにも大きな影響を及ぼした。

 それから50年近い年月が流れ、アリ・アスター監督作『ミッドサマー』(19)の老人役でスクリーンに登場し、そのあまりの変貌ぶりが話題になったのは記憶に新しい。

 この映画は、老いさらばえた彼が、東京、パリ、ベニスを再訪し、自らの栄光と転落の軌跡をたどっていく様子を追っていくのだが、アイドルの成れの果てという一言では片づけられない空しさややるせなさを感じさせられた。

 『ベニスに死す』のカメラテストの様子を見ていると、ビスコンティと出会ってしまったことが運命だったとするならば、それは随分と残酷なものだった、という言い方もできる。

 今ならセクハラで訴えられるような出来事だが、それを経て完成した映画は、名作と呼ばれるものになったのだから、複雑な思いにかられた。

 高度経済成長期、1960年代後半から70年代初頭の日本では、このアンドレセンのほかにも、レイモンド・ラブロックやマーク・レスターらが、外国人アイドルとしてCMなどに出演していたが、彼らは今どうしているのだろうと思った。

『恋人たちの曲 悲愴』『ベニスに死す』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5377502f106c782f58e4e35bc3a75da9

【ほぼ週刊映画コラム】新型コロナウイルスの感染拡大の今こそ見たい映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3e16b156f7ea8b6feab091e49edefc30

 

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『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

2021-12-17 14:41:33 | 新作映画を見てみた

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2021.12.16.ディズニー試写室)

 ウェス・アンダーソン監督が、雑誌『ニューヨーカー』にインスパイアされ、雑誌の記事をビジュアル化したような、一つのレポートと三つのストーリーから成る、一種のオムニバス映画を作った。ナレーターはアンジェリカ・ヒューストン。

 舞台は、フランスの架空の街アンニュイにある雑誌「フレンチ・ディスパッチ」の編集部。社の代表でもある編集長(ビル・マーレー)が急死し、その遺言によってこの名物誌の廃刊が決まる。果たして追悼号=最終号の中身とは…。

 まずは、自転車レポーター・サゼラック(オーウェン・ウィルソン)が、アンニュイの街を紹介。落語で言えば、これが“枕”だ。

 「コンクリートの確固たる名作」は、美術記者のベレンセン(ティルダ・スウィントン)による、囚人画家ローゼンタイラー(ベネチオ・デル・トロ)と絵画の物語。彼に、うさんくさい美術商(エイドリアン・ブロディ)と美しい看守(レア・セドゥ)が絡む。

 アンダーソンは、オムニバス映画『ニューヨーク・ストーリー』(89)の中の「ライフ・レッスン」(マーティン・スコセッシ監督作)に影響を受けたと語っている。

 「宣言書の改定」は、ジャーナリストのクレメンツ(フランシス・マクドーマンド)による、学生運動の日記。学生役にティモシー・シャラメとリナ・クードリ。クリストファー・ヴァルツもちょいと顔を出す。こちらは、フランスの五月革命をベースに、フランソワ・トリュフォーやジャン・リュック・ゴダールの映画の影響を感じさせる。アメリカ人との対比や、議論好きで理屈っぽいフランス人の特色がよく出ている。

 「警察署長の食事室」は、流浪の博識記者・ライト(ジェフリー・ライト)が、警察署長(マチュー・アマルリック)の息子の誘拐事件の顛末から、名シェフ(スティーブン・バーク)の横顔を語る。エドワード・ノートン、ウィレム・デフォー、シャーシャ・ローナンらが“端役”で登場。漫画とトーク番組と犯罪映画の要素を混在させている。

 いずれも、シュールなブラックユーモアに満ち、一筋縄ではいかない展開を見せる。趣味性が強く、万人受けはしないだろうが、アンダーソンは端からそんなことは考えていないだろう。

 全体的に、いささか、策士策に溺れた感もなくはないが、長く雑誌作りを経験した者としては、表紙、記事、イラスト、レイアウトはもとより、記者の仕事(文章)までビジュアル化するアイデアには興味を引かれた。

 

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『キングスマン:ファースト・エージェント』

2021-12-17 07:38:07 | 新作映画を見てみた

『キングスマン:ファースト・エージェント』(2021.12.10.ディズニー試写室)

 1914年、世界大戦をひそかに裏で操る闇の狂団に、英国貴族のオックスフォード公(レイフ・ファインズ)と息子のコンラッド(ハリス・ディキンソン)が立ち向かう。

 スタイリッシュな英国紳士が過激なアクションを繰り広げる人気スパイアクションのシリーズ第3作。今回は、世界最強のスパイ組織「キングスマン」の誕生秘話を描く。

 実在の人物として、イギリス国王ジョージ、ドイツ皇帝ウィルヘルム、ロシア皇帝ニコライ(トム・ホランダーの一人三役!)、ロシアの怪僧ラスプーチン(リス・エバンス)、女スパイ・マタ・ハリ(バレリー・バフナー)、キッチナー卿(チャールズ・ダンス)、ウッドロー・ウィルソン米大統領(イアン・ケリー)らが登場し、オックスフォード親子と絡む。

 前2作に見られた残酷描写やグロテスク味を抑え、史実の中に架空の人物を入れ込んで、自由に話を展開させるという趣向。特に、ホランダーに一人三役を演じさせることで、いとこ同士がヨーロッパを支配し、彼らの確執が大戦勃発に大きく影響したことを示唆するのは面白い発想だ。その他、ちょっとやり過ぎなところもあるが、ラスプーチンが傑作だった。

 また、中盤の戦場の場面は、『1917 命をかけた伝令』(19)をほうふつとさせるところもある。ラストを見ると、また続きが作られそうな感じがしたが、今度はここから現代に向っていくのだろうか。 

【ほぼ週刊映画コラム】『キングスマン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/03e97e887fee7f0a1df20dd255b60d41

【ほぼ週刊映画コラム】『キングスマン:ゴールデン・サークル』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ec00fdf73ac4f5e914d967ba12d0184e

レッツエンジョイ東京「おすすめのお正月映画情報2022年」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/79d776feb629af0b5bb87c755703b9f1

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【ほぼ週刊映画コラム】『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』

2021-12-16 10:02:42 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
アメリカ映画お得意の告発劇
『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1306790&preview=true

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【独占ニュース】『ドント・ルック・アップ』

2021-12-16 07:08:39 | 仕事いろいろ

レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、メリル・ストリープ… 豪華過ぎるキャスティングの実現に監督も驚く
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1306655&preview=true

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