頭では分かっていても…
1983年、北イタリアの避暑地。17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、考古学者の父(マイケル・スタールバーグ)を手伝いに来た24歳の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と恋に落ちる。
オリヴァー役が女性なら何の問題もない、よくある切ない恋物語だが、男同士の恋というところが異色。脚色は自らもゲイのジェームズ・アイボリーだけに心理描写が細かい。その脚本を、監督のルカ・グァダニーノの繊細な演出をはじめ、サヨムプー・ムックディープロムの自然光を生かした撮影、適切な音楽の挿入など、スタッフが見事に映画として完成させた。特に男性美を表す彫刻をちりばめたオープニング、2人のちょっとした仕草や、互いに交わす目線が印象的だ。
ただ、例えば女性同士=レズビアンの恋を描いた『キャロル』(15)などにはあまり違和感を抱かないのに、『ブロークバック・マウンテン』(05)や『ムーンライト』(16)もそうだが、男同士の恋(特にラブシーン)には、見ていてどうにも居心地の悪さを感じさせられる。この映画も、同性愛云々ではなく、恋をする若者の思いを描いた映画なのだと、頭では分かっていても…。これは偏見や差別ではなく、生理的な感覚だから仕方がない。
それにしても、シャラメもハマーもよくこんな難役を引き受けたものだと感心させられたが、全てを見通し、息子を受け入れる父親を演じたスタールバーグの好演も印象に残った。
1983年、北イタリアの避暑地。17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、考古学者の父(マイケル・スタールバーグ)を手伝いに来た24歳の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と恋に落ちる。
オリヴァー役が女性なら何の問題もない、よくある切ない恋物語だが、男同士の恋というところが異色。脚色は自らもゲイのジェームズ・アイボリーだけに心理描写が細かい。その脚本を、監督のルカ・グァダニーノの繊細な演出をはじめ、サヨムプー・ムックディープロムの自然光を生かした撮影、適切な音楽の挿入など、スタッフが見事に映画として完成させた。特に男性美を表す彫刻をちりばめたオープニング、2人のちょっとした仕草や、互いに交わす目線が印象的だ。
ただ、例えば女性同士=レズビアンの恋を描いた『キャロル』(15)などにはあまり違和感を抱かないのに、『ブロークバック・マウンテン』(05)や『ムーンライト』(16)もそうだが、男同士の恋(特にラブシーン)には、見ていてどうにも居心地の悪さを感じさせられる。この映画も、同性愛云々ではなく、恋をする若者の思いを描いた映画なのだと、頭では分かっていても…。これは偏見や差別ではなく、生理的な感覚だから仕方がない。
それにしても、シャラメもハマーもよくこんな難役を引き受けたものだと感心させられたが、全てを見通し、息子を受け入れる父親を演じたスタールバーグの好演も印象に残った。
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