『がんばれ!ベアーズ』(76)(1977.8.27.銀座文化)
元野球選手のバターメーカー(ウォルター・マッソー)は、ひょんなことから問題児ばかりの少年野球チーム・ベアーズのコーチを任される。このままでは勝てないと考えた彼は、元恋人の娘で快速球を投げるアマンダ(テイタム・オニール)や、不良少年だが優れたバッターのケリー(ジャッキー・アール・ヘイリー)をスカウトし、チームの立て直しを図る。
思わず時間がたつのを忘れてしまうほど楽しめた。チームの少年たちの個々の性格がとてもよく描かれていた。特に、黒人の少年と気の弱い少年のラスト近くの大活躍には思わず拍手。マッソーが子役たちに食われずに、ちゃんと目立っていたところはさすが。ビック・モローの敵方の監督=悪役というキャスティングも面白かった。
それぞれが問題を抱えるチームメートの生活と野球にのめりこんでいく様子を交差させて描く再生物語は、先に見た『ロッキー』(76)もそうだが、「結果よりも努力の過程が大事なのだ」という“敗北の中の栄光”がテーマとなる。監督マイケル・リッチー、脚本ビル・ランカスター(バートの息子)、撮影ジョン・A・アロンゾ。音楽はジェリー・フィールディングが担当し、ビゼーの「カルメン」を効果的に使っている。
【今の一言】続編として『がんばれ!ベアーズ 特訓中』(77)『がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征-』(78)が作られた。ヘイリーは紆余曲折を経て、くせ者の脇役として現役を続けている。
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