『異端者の家』(2025.4.20.オンライン試写)
若いシスターのパクストン(クロエ・イースト)とバーンズ(ソフィー・サッチャー)は、布教のため森の中の一軒家を訪れる。出迎えた優しげな中年男性リード(ヒュー・グラント)は妻が在宅中だと話して2人を家に招き入れる。
シスターたちが布教を始めると、リードは「どの宗教も真実とは思えない」と持論を展開。不穏な空気を察した2人はひそかに帰ろうとするが、玄関のドアは閉ざされており、携帯の電波もつながらない。
教会から呼び戻されたとうそをつく2人に、リードは帰るには家の奥にある2つの扉のどちらかから出るしかないと言う。実はその家には、数々の恐ろしい仕掛けが張り巡らされていた。
悪魔的な頭脳を持つ男が支配する迷宮のような家に足を踏み入れた2人のシスターの運命を描いた脱出サイコスリラー。『クワイエット・プレイス』(18)の脚本を書いたスコット・ベックとブライアン・ウッズが監督・脚本を担当。
『ノッティングヒルの恋人』(99)や『ラブ・アクチュアリー』(03)などラブコメ作品で人気を博してきたグラントがイメージを覆すような不気味な男を演じているのが見どころ。彼と絡む若手の2人も頑張りを見せる。
前半はリードによる宗教談義が展開される。キリスト教やモルモン教のことはわれわれ日本人にはよく分からないが、リードがモノポリーやヒット曲(「安らぎの世界へ=The air that I breathe」(ホリーズ)→「クリープ=Creep」(レデイオヘッド))に例えて宗教について説明するくだりは興味深く映った。
後半からホラー味が増すが、正直なところこちらはいささか盛り上がりに欠ける。従って、ホラー映画というよりも“宗教映画”を見たような気分になった。
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