『俺たちに明日はない』(67)(1974.1.13.日曜洋画劇場)
(2009.9.18.)
1930年代、大恐慌時代のテキサス。刑務所から出所したクライド・バロウ(ウォーレン・ベイティ)は、ウエイトレスをしていたボニー・パーカー(フェイ・ダナウェイ)と知り合う。平凡な毎日に退屈していたボニーは、クライドと共に銀行強盗を繰り返すが…。
実在の銀行強盗ボニーとクライドの青春を、スローモーションをはじめ、鮮烈な映像で描き、アメリカン・ニューシネマの嚆矢となった。
まず、この映画の邦題は珍しくいい。そして『イージー・ライダー』(69)とは違って、こちらは少しも風化を感じさせない。こういうのを紛れもない名作と言うのだろう。
ノスタルジックだがモダンな描写、風景、音楽、そして登場人物がみんな切なく悲しいから悪党に感情移入してしまう矛盾が生じる。
寅さんの名セリフじゃないが、結構目線で語るシーンが多いのもいい。銀行に家を取られた農夫に銃を渡して窓ガラスを撃たせるシーンが一番好きだ。
『イージー・ライダー』の名脇役がジャック・ニコルソンなら、こちらはジーン・ハックマン。どちらもいまだに現役。というわけでこの2本は、時代とともにスターの変化も象徴しているわけだ。
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