『助太刀屋助六』(02)(2005.2.28.)
岡本喜八追悼で、図らずも遺作となった『助太刀屋助六』がBSで放映された。実は岡本映画には結構思い入れがあったオレも、この映画は公開時には見なかった。前作『EAST MEETS WEST』(95)の出来があまりにも寂しかったもので、見るに忍びない気がしたのだ。
ところが、今回追悼の意を込めて見てみたら、これが結構良かった。さすがに往年のカッティング・リズムは鈍っていたものの、彼が生涯追い求めた“和製西部劇”の小品の佳作といった感じがしたのだ。助六役の真田広之の身のこなしの良さも光った。
また、これはこちらの思い入れ過多だとは思いつつも、新旧の岡本映画を支えた俳優たちが多数姿を見せ、まるで最後にみんなが明るく集ったような感じがしてグッときた。
中でも、けんか別れが噂された、かつての名コンビ・佐藤允がチョイ役ながらも出てきた時はちょっとウルっときた。何故って、黒澤と三船、ジョン・スタージェスとスティーブ・マックィーン…、みんなこうは行かずに、仲違いしたまま亡くなっていったじゃないか。そういう意味でも、この映画は“いい遺作”だと言ってもいいと思うのだ。
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