海外で映画を学び、母国スーダンで映画作家として活躍しながら、軍事独裁政権下で国を追われた4人の老人たち(イブラヒム・シャダッド、スレイマン・イブラヒム、エルタイブ・マフディ、マナル・アルヒロ)が久しぶりに再会する。
彼らは、崩壊した母国の映画産業の再建を夢見て、その手始めに、長年放置されてきたボロボロの映画館の復活を目指して動き始めるが…。
スーダンに生まれ、フランスで映画を学んだ彼らの後輩スハイブ・ガスメルバリが撮ったドキュメンタリー映画。全体的には粗削りで稚拙な部分も目に付く。
ところが、冒頭で4人がまねをするビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』(50)から、上映するチャップリンの『モダン・タイムス』(36)を経て、タランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)へとつながる、映画的なイメージの連鎖が琴線に触れるところがある。タランティーノにも、ぜひ見てほしい映画だと思った。
ただ、4人の日常生活がほとんど描かれていないため、どこか現実離れをした、夢物語のように見えてしまうのが残念だ。
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