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田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『マインクラフト/ザ・ムービー』

2025-04-19 14:18:19 | 新作映画を見てみた

『マインクラフト/ザ・ムービー』(2025.4.ワーナー試写室)

 採掘マニアのスティーブ(ジャック・ブラック)は、子どものころから憧れていた採掘場で青く光る謎のキューブを見つけ、それに触れたことで、全てが四角形でできた異世界へ転送されてしまう。そこは、自分が考えたモノをなんでも創造することができる「マイクラワールド」だった。

 その後、「マイクラワールド」に、落ちぶれた元人気ゲーマーのギャレット(ジェイソン・モモア)、改造が得意な少年ヘンリー(セバスチャン・ハンセン)とその姉のナタリー(エマ・マイヤーズ)、そして動物園を開こうとしている不動産業者のドーン(ダニエル・ブルックス)が転送されてくる。

 現実に満たされず、年齢も境遇も違う4人は、スティーブと共に、全てが四角い異世界で創造力を駆使してサバイバルを繰り広げる。

 2014年に「世界で最も売れたインディーズゲーム」としてギネス世界記録に認定され、2023年には世界売上本数が3億本を突破した北欧発の人気ゲーム「マインクラフト」を実写映画化。3Dブロックで構成されたバーチャル空間の中で、自分の好きなようにものづくりや冒険が楽しめるゲームの世界観を再現した。監督はジャレッド・ヘス。

 異世界を舞台に、駄目な大人の人生再生劇と子どもの成長物語を合体させるのはよくあるパターン。大人たちはおじさんたちの再起に感情移入し、子どもたちはゲームの世界の実写化を楽しむというファミリー向けの映画になっている。色遣いがユニークで四角形の生き物たちが珍妙だ。ただしゲームのプレーの有無で印象は大きく変わるはず。

 肥満化したブラックと肉体派のモモアという暑苦しくて濃い2人の共演が見もの。副校長役のジェニファー・クーリッジも笑わせる。


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『パリピ孔明 THE MOVIE』

2025-04-19 09:21:28 | 新作映画を見てみた

『パリピ孔明 THE MOVIE』(2025.4.4.オンライン試写)

 なぜか現代の渋谷に転生した中国・三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井理)は、アマチュアシンガーの月見英子(上白石萌歌)の軍師となり、ともに音楽の力で“天下泰平”を目指すことに。

 そんな中、日本を代表する3大音楽レーベル「KEY TIME」「SSSミュージック」「V-EX」が頂点を競う史上最大の音楽バトルフェスの開催が決定。孔明と英子も参戦を決めるが、三国時代の孔明のライバル・司馬懿の末裔である司馬潤(神尾楓珠)とその妹でシンガーのshin(詩羽)が立ちはだかる。

 人気コミックを原作とするテレビドラマを映画化。劇中の音楽バトルフェスへの出演アーティストとして、9人組グローバルグループ「&TEAM」や「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」の岩田剛典、演歌歌手の水森かおり、ヒップホップユニット「KOMOREBI」、ダンスグループ「アバンギャルディ」らが本人役で出演し、声優の宮野真守がフェスの司会進行を務めるMC・マモとして登場する。

 全体的には音楽ライブ映画という趣き。ただしアーティストや曲を知らなければ置いてきぼりになる。まあこういうものに理屈を言っても始まらないのだが…。孔明役の向井やオーナー小林役の森山未來のキャラクターは面白い。

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『花まんま』

2025-04-17 10:05:58 | 新作映画を見てみた

『花まんま』(2025.1.21.東映試写室)

 大阪の下町で暮らす加藤俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)の兄妹。兄の俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、フミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったが、結婚式を前に遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子の“ある秘密”がよみがえる。

 フミ子の身に起きた不思議な体験を通して、人間の悲しみや温かさを繊細な筆致で描き、直木賞を受賞した朱川湊人の同名小説を前田哲監督が映画化。タイトルの「花まんま」は、子どもがままごと遊びで作った、大切な人に贈る小さな花の弁当のこと。

 フミ子の婚約者の動物行動学者役で鈴鹿央士、俊樹の幼なじみ役でファーストサマーウイカ、フミ子が抱える秘密に関係している繁田家の父親役で酒向芳、長男役で六角精児、長女役でキムラ緑子らが共演している。

 さまざまな形で家族や共同体の問題を描く群像劇を得意とする前田監督。『水は海に向かって流れる』公開時にインタビューした際に「『一人一人が幸せに暮らせるように』『人が幸せに生きるとはどういうことか』ということ。究極的には「人はどう生きればいいのか。何のために生きているのか」ということになりますが、人生は不条理でとても残酷なんです。だからこそ、しんどいよね、つらいよね、頑張っているよねというよりは、からっと明るく、下を向きそうなときこそ前を向きましょうよ。ちょっとだけ目線を上げてみませんかという映画を作りたいと思っています。『人はみんな自分を励まして生きている』という気持ちです」と語っていた。

 今回もまさにそうしたタイプの人間賛歌であり、大阪の下町の人情模様を描くには関西出身者のキャストによる自然な関西弁が功を奏していた。あり得ない話を描くファンタジーは作り方が難しいが、この映画の場合は、前田監督の映画の力を信じる気持ちと出演者たちの好演が不思議な話に説得力を与えている。特に酒向の演技が光る。

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『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』

2025-04-11 16:38:50 | 新作映画を見てみた

『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(2025.3.25.東宝東和試写室)

 ブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、4年前に最愛の夫マーク(コリン・ファース)を亡くし、深い悲しみを抱えながらシングルマザーとして2人の子どもを育てていた。自らの欲を捨てて全力で子育てに専念してきたブリジットは、親友たちや元恋人のダニエル(ヒュー・グラント)に支えられ、テレビ局の仕事に復帰することになる。

 そんなある日、ブリジットは公園で出会った29歳のロクスター(レオ・ウッドール)とアプリでつながり、距離を縮めていく。その一方、息子のビリーが通う小学校の厳しい理科教師ミスター・ウォーラカー(キウェテル・イジョフォー)が実は優しい男であることを知り、気になる存在になる。子育てや仕事に追われながらも奮闘するブリジットだったが…。

 大ヒット作「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズの9年ぶりの続編となる第4作で最終章。監督はマイケル・モリス。

 シリーズ初作の『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)では32歳で独身だったブリジット。その後、恋や仕事に悩み、理想のパートナーを求め続けてきた彼女が、この映画では50代のシングルマザーへと変化した。リアルタイムでシリーズを見続けてきたファン(特に女性)にとっては、自分と重なるところもあり感慨深いものがあるだろう。

 不器用な等身大のヒロインであるブリジット=ゼルウィガーのシリーズを通しての変化は、ある意味、社会や時代、働く女性の価値観の変化を象徴する。また、恋に悩む女性から、人生の苦難を経験した大人の女性へと成長した彼女の姿は、単なるコメディヒロインの域を超えて物語に深み与えている。加えて、今回は彼女と一緒に年を取った友人たちの温かさが心に染みた。

 改めてブリジットは一世一代の当たり役だったと思わせるゼルウィガーの好演も相まって、笑いあり涙ありの最終章にふさわしい映画になっている。

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『シンシン SING SING』

2025-04-11 12:44:53 | 新作映画を見てみた

『シンシン SING SING』(2025.4.5.オンライン試写)

 無実の罪で収監されたディヴァインG(コールマン・ドミンゴ)は、刑務所内更生プログラムの一環である「舞台演劇」のグループに所属し、収監者仲間たちと日々演劇に取り組むことで気を紛らわせていた。

 そんなある日、刑務所内で一番の悪人として恐れられている通称ディヴァイン・アイことクラレンス・マクリン(本人)が演劇グループに参加することになる。そして演劇グループは、次の公演に向けた新たな演目の準備に取り掛かるが…。

 米ニューヨークで最も厳重なセキュリティが施されたシンシン刑務所で行われている収監者更生プログラムの舞台演劇を題材に、無実の罪で収監された男と収監者たちとの友情を実話を基に映画化。

 主人公ディヴァインGを演じたコールマン・ドミンゴは、第97回アカデミーで『ラスティン ワシントンの『あの日』を作った男』(23)に続いて2度目の主演男優賞ノミネートを果たした。

 そのほかのキャストは、シンシン刑務所の元収監者で、舞台演劇プログラムの卒業生及び関係者である俳優たちが多数参加している。監督は『ザ・ボーダーライン 合衆国国境警備隊』(16)などのグレッグ・クウェダー。

 実際の元収監者たちが演劇メンバーを演じていることもあり、全体としてはドキュメンタリー的な要素が強く、劇中劇を作っていくところには演劇的な魅力を感じる。

 また、体制による抑圧、自由への渇望、あるいは多彩な演者一人一人の個性が際立つという点では、精神病院を舞台にした『カッコーの巣の上で』(75)を思い出すところがあった。あれももともとは舞台劇だったから、この2作がつながると感じたのが全くの当て推量というわけでもあるまい。

 そんなこの映画テーマの一つは再生だが、メンバーに感情移入して、本当の意味での悪人はいないのではないかと思ってしまうところが怖いといえば怖いか。

 

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篠田正浩の映画『札幌オリンピック』 『梟の城 owl's castle』『スパイ・ゾルゲ』

2025-03-28 22:04:06 | 新作映画を見てみた

『札幌オリンピック』 (72)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/556abd79bc6f6b0cc4aae4f4044ec117

オリンピック記録映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/182a7c09eca1cb94cfc2054752351e46


『梟の城 owl's castle』(99)『スパイ・ゾルゲ』(03)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/46b11dd2a4856724fbd57159227dba64

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『ミッキー17』

2025-03-25 10:23:34 | 新作映画を見てみた

『ミッキー17』(2025.3.6.新宿ピカデリー.完成披露試写会)

 失敗だらけの人生を送るミッキー(ロバート・パティンソン)は、地球から逃げ、何度でも生まれ変われる“夢の仕事”で一発逆転を狙うことを考える。だがその内容は、権力者たちの命令に従って危険な任務を遂行し、ひたすら死んでは生き返ることを繰り返すという過酷なものだった。ところがある日、手違いで自分のコピーが同時に現れたことから、事態は一変する。

 『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督がブラックユーモアたっぷりに描いたSFスリラー。何度も死んでは生き返る主人公というのはほかの映画でも見られるが、この映画の場合は、過去の記憶をインプットしたコピー人間として生き返るところがユニーク。そんなミッキーを見ていると、人間の生と死やアイデンティティーについて考えさせられる。

 地球外に移住したミッキーたちが遭遇する虫のような先住民が、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』(84)のオームをほうふつとさせるところはご愛敬。独裁者夫妻役のマーク・ラファロとトニ・コレットが怪演を見せる。アイデアは面白いが、少し長くてくどいところが玉にきず。

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『エミリア・ペレス』

2025-03-19 16:59:17 | 新作映画を見てみた

『エミリア・ペレス』(2025.3.19.オンライン試写)

 メキシコシティの弁護士リタ(ゾーイ・サルダナ)は、麻薬カルテルのボスであるマニタス(カルラ・ソフィア・ガスコン)から「女性になって新たな人生を歩むために力を貸してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタは完璧な計画を立ててマニタスが性別適合手術を受けるに当たって生じるさまざまな問題をクリアし、マニタスは無事に過去を捨てて姿を消すことに成功する。

 それから数年後、イギリスでセレブとなったリタの前に、エミリア・ペレスという女性として生きるマニタスが現れる。それをきっかけに、彼女たちの人生が再び動き出す。

 フランスのジャック・オーディアール監督が、犯罪、コメディ、ミュージカルなどさまざまな要素を交えて描いた異色作。カンヌ国際映画祭では、サルダナ、ガスコン、マニタスの妻を演じたセレーナ・ゴメス、エミリアの恋人を演じたアドリアーナ・パスの4人が女優賞を受賞。ガスコンは、トランスジェンダー俳優としてカンヌ国際映画祭で初となる女優賞を受賞。アカデミー賞でもガスコンがトランスジェンダー俳優として初の主演女優賞候補となり、助演女優賞(サルダナ)と主題歌賞の2部門で受賞した。

 各賞を争った『ANORA アノーラ』と同様に、この映画も現代のカオスを描きながら、実はきっちりと三幕構成を行っている。前半は能力はあるのにそれを生かせないことにストレスを感じている弁護士と、女性になることを願う麻薬王の出会い。中盤は2人が再会して行方不明者の遺体を捜す支援団体を運営し、成功していく過程を描く。そして終盤は犯罪劇と化し、予想外の終わり方を迎えるといった具合だ。

 中でも、こわもての麻薬王から女性へと変身するガスコンのギャップが目を引く。犯罪者が女性になったことで救済に目覚めるというのはいささか類型的だが、これは一種の寓話だと考えれば納得がいく。息子が“エミリアおばさん”に父の影を感じているのに、妻は全く気付かないところが面白いというか、切ないというか…。

 ハリウッド製のミュージカルとは異質の、挑戦的で刺激的な映画ではあるが、これも『ANORA アノーラ』と同様に、賛否や好みは分かれるところがあると感じた。多様性の時代に、もはや万人受けするような映画は出来ないのかもしれない。


『ANORA アノーラ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8a16b1f265bff5df4c2d7ead409317d0

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『悪い夏』

2025-03-19 08:45:23 | 新作映画を見てみた

『悪い夏』(2025.3.18.オンライン試写)

 市役所の生活福祉課に勤める佐々木守(北村匠海)は、同僚の宮田(伊藤万理華)から、職場の先輩の高野(毎熊克哉)が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしいと聞かされる。面倒に思いながらも断り切れず真相究明を手伝うことになった佐々木は、その当事者である育児放棄寸前のシングルマザー・愛美(河合優実)のもとを訪れる。

 愛美は、高野との関係を否定するが、実は裏社会で暗躍する金本(窪田正孝)とその愛人の莉華(箭内夢菜)、手下の山田(竹原ピストル)と共に、ある犯罪計画に手を染めようとしていた。そうとは知らず、佐々木は愛美にひかれていく。そして、生活に困窮し万引きを繰り返す佳澄(木南晴夏)らも巻き込み、佐々木にとって悪夢のような夏が始まる。

 生活保護の不正受給問題を根底に、真面目に生きてきた気弱な公務員が転落していく姿を描いたクライムサスペンス。第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した染井為人の同名小説を映画化。『アルプススタンドのはしの方』(20)『ビリーバーズ』(22)などの城定秀夫監督がメガホンを取り、『ある男』(22)の向井康介が脚本を担当。

 前半の善意から愛美と娘に肩入れしていく佐々木の様子は、停水執行を行う無気力な水道局員(生田斗真)がシングルマザーの娘と関わる中で再生していく姿を描いた『渇水』(23)とよく似ているが、一転、後半のだまされたと知って落ちていくさまは正反対。だんだんと精気が失われ目が死んでいく、闇落ちした北村の姿が印象に残る。

 この映画のキャッチフレーズは「クズとワルしか出てこない狂乱サスペンス・エンターテインメント」。それが最も端的に表現されたのが、ラスト近くでボロアパートの狭い一室に勢ぞろいした面々がすったもんだを繰り広げるカオスシーンだ。まさに悲劇と喜劇が表裏一体となって押し寄せ、当事者にとっては悲劇だが、第三者から見ると喜劇であるという矛盾の本質をついていて面白い。

 見ながら嫌悪感がこみ上げ、登場人物の誰にも共感できないが、妙なエネルギーを感じさせる映画になっている。


『渇水』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/aa086871b2dc8d8f70aa7daf9c67b0d7

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『BETTER MAN/ベター・マン』

2025-03-09 09:03:04 | 新作映画を見てみた

『BETTER MAN/ベター・マン』(2025.2.4.TOHOシネマズ日比谷.完成披露試写会)

 イギリス北部の街に生まれ、祖母の大きな愛に包まれながら育ったロビー・ウィリアムズ。1990年代初頭にボーイズグループ「テイク・ザット」のメンバーとしてデビューし、ポップスターの道を駆け上がっていく。グループ脱退後もソロアーティストとして活躍し、イギリスのポップス界を代表する存在へと成長。しかしその裏には、名声と成功がもたらす大きな試練が待ち受けていた。

 『グレイテスト・ショーマン』(17)のマイケル・グレイシー監督が、イギリスの世界的ポップ歌手ロビー・ウィリアムズの波乱に満ちた人生を、斬新な映像表現でミュージカル映画化。主人公ロビーを全編猿の姿で表現するという奇想天外なアイデアと幻想的な世界観、そして圧巻のミュージカルシーンでダイナミックに描く。

 同じく『グレイテスト・ショーマン』のアシュレイ・ウォーレンが振り付けを担当。本作のために制作された「Forbidden Road」をはじめ、ウィリアムズの名曲の数々、そして父と子のテーマ曲となる「マイ・ウェイ」が物語を彩る。

 最初は、正直なところ主人公が猿というところに違和感があったが、不思議なもので慣れてくると違和感は消えていき、クイーンの『ボヘミアン・ラプソディー』(18)やエルトン・ジョンの『ロケット・マン』(19)とは似て非なる、新たな試みの音楽伝記映画として楽しく見た。

 自分が洋楽に熱中していたのは80年代までだったので、ロビー・ウィリアムズについてはよく知らなかったが、とても人気のあるシンガーとのこと。ファンにとってはこの映画はどのように映るのだろうかという興味が湧いた。というわけで、自分にとってのこの映画の圧巻はフランク・シナトラの名唱をカバーした「マイ・ウェイ」だった。

 

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