シンガーソングライターのさだまさしが書いた小説です。
歌の方はあまり好きではないのですが、小説を読んだのは「解夏」につづき2冊目です。
小説家以外の人が書いた小説を読まないという人もいますけど、さだまさしは、そこらへんの小説家より文章が巧いです。
語彙の豊富さ、ユーモア、場面構成も非凡なものを持っていて、心に残るフレーズやエピソードもあり、読む価値がある小説を書きます。
阿波踊りの行列がすぎる祭りの喧噪の中で、涙を流させようとするあたりがにくいです。
難点は良い人しか出てこない小説というのは、いかにも作り話っぽく感じてしまうところでしょうか。
小説の中くらいそんな世界があっても良いじゃないかと思える人にはお勧めです。