打倒!破廉恥学園

旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと掻き散らかすブログです。

血の通った数式

2006-05-30 02:51:26 | Weblog
私の父は生粋の理系人間である。

酒に酔うと誰かれ構わずに絡んで数式についての講釈を始める。

で、今日その槍玉にあがったのが私だ。

正直、私は数式が好きではない。なぜなら、数字の羅列に人間味を感じないからだ。どうにも無機質なイメージがある。

だから父の熱弁も私には右から左なのだが、数式について熱く語る父の姿は大好きなので、神妙にあいづちを打ちながら聞いている。

「……で、ニュートンは加速度×質量で力が決まると言っていたわけよ……でもな?」

紙に数式の列を書き並べる父。でも私にはチンプンカンプンだ。

第一、数式には血が通っていないよ。文字を見てみなさいな。

一つの漢字に込められた人間の気持ち。

元は絵だったものを記号にして一般文字とする。その絵を決めるまでにいろいろな苦労が想像できる。文字となるまでに没となった記号も沢山あっただろう。そこに人間味を感じた。

あまりにも話が長くなっているので、早く切り上げたかった私は父に聞いてみた。

「でさ。その式ってあくまで理論上の数式でしょ? 現実で何かの役にたっているの?

すると父は誇らしげに応えた。

「お前と同じような質問を受けた数学者はこう言ったのだ『美しい式だからいいじゃないですか』と」

……嗚呼、なんかその式に人間味が宿ったような気がしました。

機能美の追求。実際役に立つか立たないかではなく、美しいか美しくないかにこだわる数学者。なんともいえないロマンチストだ。

そういう話を聞くと、数式を一つ考える間にもいろんな人間ドラマがあったんだろうなあ。

ちょっと数式に近しくなった一日でした。

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