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~大いなる御誓願の追想 今、よみがえる『中門』 その九

2012-04-04 16:43:17 | 高野山





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~大いなる御誓願の追想

 

高野山開創千二百年記念大法会事務局

  九度山の慈尊院から「高野山町石造(こうやさんちょういしみち)」を通って、高野山上の「大門」、壇上伽藍の結界の「中門」をくぐり、「根本大塔」などの諸堂に参拝することは既刊号で述べました。

  しかし、高野山への参詣は、「根本大塔」が終着点ではありません。さらに、町石道は続き、お大師さまがご入定されている「奥之院御廟」 へと向かいます。

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 この沿道には、金剛界(こんごうかい)曼荼羅(まんだら)の三十七尊の仏さまを表す町卒塔婆(ちょうそとば)(町石・ちょういし)が建てられています。

  真言密教の教義は、金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだ)がその拠り所となっています。

お大師さまは、これら二つの曼荼羅を「金胎不二(こんたいふに)」、つまり、これら二つが一つとなって、生きたこの身のまま仏となる「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」 へと導かれると説かれています。

  高野山と慈尊院からなる浄土を描いた「高野山蓮華曼荼羅図(こうやさんれんげまんだらず)」(宝永七年二七一〇)報恩院蔵)という資料があります。

  この資料には、慈尊院は蓬華の葉、そこから高野山上までの町石道を茎、山上の中心部を八葉の蓮華の花として描いています。さらに、中心部から奥之院までの町石道を茎、奥之院を三弁の蓮華の花として表しています。

  そして、山上の主要な諸堂である「奥之院御廟」、「大門」、「大塔」、「金堂」、「御影堂」、そして「中門」も記されています。

  この図からも、高野山参詣の修行は、山上の霊場だけでなく、山下の慈尊院から伽藍まで、そして伽藍から奥之院まで、町石道を一貫して参詣することが本来の修行の道程であることがわかります。

  高野山に何度も参詣にお越しになられた方は、大勢おられると思います。しかし、町石道を歩き、町卒塔婆の一つ一つに手を合わせて祈り、奥之院御廟までお参りされた方は少ないのではないでしょうか。

  すべての道程を踏破することは、大変なことです。ですが、本来の高野山の参詣方法、そして修行道場がどのようなものであるかを知った上で、たとえ一部の区間でも、できる限り自らの身体を使って、参詣することは大変重要です。

  それは、真言密教の説く悟りへの方法として、出来るだけ自らの身体の感覚を使い、仏さまを観じ、祈ることが大切とされているからです。(T・S)

本多碩峯 参与 770001-42288

 


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