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今、よみがえる『中門』      最終回

2012-04-26 15:21:52 | 高野山
 

Shinpo04

 

今、よみがえる『中門』  最終回

   ~大いなる御誓願の追想

  高野山開創千二百年記念大法会事務局

  壇上伽藍の根本大塔から奥之院御廟までの間、高野山町石道(こうやさんちょういしみち)の沿道に建てられている町卒塔婆(町石)は、金剛界曼荼羅の三十七尊の仏さまになぞられています。

  しかし、実際には町卒塔婆は三十六基しか存在していません。

 その理由をめぐっては諸説あります。本来、「三十七基目の町卒塔婆」のあるべき位置が、お大師さまのご入定されている「奥之院御廟」にあたるため、これらを同一視するというのが有力な見解です。

 しかし、これとは別に、重要な意味があるように思われます。高野山町石道は「未完成」で、やはり三十七基目の町卒塔婆が建立されてこそ「完成」するのかもしれません。

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 その理由をめぐっては諸説あります。本来、「三十七基目の町卒塔婆」のあるべき位置が、お大師さまのご入定されている「奥之院御廟」にあたるため、これらを同一視するというのが有力な見解です。

 

 しかし、これとは別に、重要な意味があるように思われます。高野山町石道は「未完成」で、やはり三十七基目の町卒塔婆が建立されてこそ「完成」するのかもしれません。

 

 修行とは、霊場や参詣道でしかできないように思われがちですが、本当の修行の場は、日常生活の場にあります。参詣を終えた後、日常生活に戻っても祈り続け、周囲の人々に対して発する優しい言葉、微笑み、そして親切な行動の積み重ねにより、修行が成満へと向かっていくのではないでしょうか。

 そう考えると、「三十七基目の町卒塔婆」は、いつの時代の、いかなる修行者でも、お大師さまと「同行二人」で、「高野山と町石道での修行」と、「日常生活の中での修行」を積み重ねることで、自身の心の中に建立、延いては町石道を「完成」し、修行を「成満」することができるように思われます。

 そして、お大師さまが「衆生救済のために奥之院御廟にご入定、すなわち「永遠の瞑想」をされていることから、高野山と町石道は「永遠の修行道場」であるといえるのではないでしょうか。

 だからこそ、このような修行道場である壇上伽藍には、当然「中門」の存在が欠かせないのです。

 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災では、多くの大切な命が奪われ、亡くなられた方々には、心よりご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々には、衷心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興と、一人でも多くの方が平穏な元の生活に戻れることを切に願って止みません。

 今、私たちは、復興に向けて自身ができる、たとえ小さなことでも行動し、延いては開創法会、そして中門再建を通じて、密厳浄土の実現に向かって精進していくことが求められています。

 日々の一歩一歩を絶え間なく、歩み続けることが、早期復興を促進することに繋がっていくように思われます。そうすることで、千二百年前のお大師さまの「高野山開創へ込められたお心」に触れられるに違いありません。

 開創法会、そして中門再建は、その機会であるべきだと固く信じています。      合掌

                     (TS

本多碩峯 参与 770001-42288


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