果物料理と果物食品加工

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十二支のいわれ    いかせ いのち

2012-02-19 19:36:23 | 高野山
 

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十二支のいわれ いかせ いのち 

 北原隆義 (石川県七尾市 妙観院 副住職)

 十二支がどうしてできたのかを、昔話と本当の理由との二つお話しします。まずは昔話からです。

 昔々、ある年の暮れに、神さまが動物たちに「元旦に神殿に早く着いた順に、その年の大将にしてあげるぞ」と言いました。この話を開いた動物たちは、自分こそ一番になろうと仕度を始めました。でもネコちゃんはうっかり神殿に集まる日を忘れてしまい、仲良しのネズミさんのところに聞きに行きました。「ネズミ君、神殿に行く日はいつだっけ?」とネコが尋ねると、ネズミは思わず「元旦から人の家に行くものじゃないよ。二日に決まってるよ」と嘘を言いました。

 ネズミはこのとき牛小屋の天井裏に住んでいましたが、大晦日の夜に足の遅いウシがみんなより早く出発したのを見て、ちゃっかりウシの背中に飛び乗りました。ウシは暗い夜道を霜柱を踏みしめながら一晩かかって神殿へと向かい、門の前で夜が明けるのを待ちました。東の空が明るくなり一番鶏が鳴きました。門の扉がギギーつと開きかけたかと思うと、ネズミはぴょんと牛の背中から降りて扉の隙間から神殿に入りました。そしてまんまと一番最初に神さまに新年のご挨拶を申し上げたのです。

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 続いてウシが二番目となり、次に一晩に千里を駆けるトラが三番目となりました。その後からウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、ニワトリ、イヌ、イノシシの順で神殿に入りました。さて、二日の朝ネコが神殿に行くと、神さまに「顔でも洗って出直してきなさい」と叱られました。それ以来ネコは毎日顔を洗うようになりました。してネズミを見るとその時のことを思い出して追い回すようになったということです。

  では、十二支ができた本当の訳を話します。十二支は今から約三千五百年前に中国で考えられました。お月さまが満月から少しずつ欠けて小さくなり、月の光が見えない新月の状態になり、まただんだん太って満月の姿に戻ります。この間の日数が約二十九日で一カ月の単位ができ、それを十二回繰り返すと一年になります。やがてそれぞれの年に名前をつけて十二年で一回りする仕組みもできました。

 当時はまだ文字の読める人が少ない時代だったので、多くの人に親しみの深い動物の名前をあてはめたということです。そのときつけられた年号が子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戊・亥の十二文字だったそうです。ちなみに日本、中国、台湾、韓国では十二支の動物は同じですが、ヒョウやネコ、ワニが入っている国もあります。国によって若干の違いはありますが、親しい動物たちがそれぞれ一年を担当して次の動物に引き継いでいくということです。

 私はこれを、十二種類の動物が私たちを守ってくれるんだと受け止めています。動物たちへの尊敬の気持ちと親しみや信頼の気持ち、いろんな気持ちが心の中にありますが、彼らに見守られていると思うと「しっかりしなくては」と身が引き締まります。嘘偽りのない心を持ち、嘘偽りのない言葉を語り、嘘偽りのないまことの行いをする。いつもこのようにできれば有り難いですね。

      本多碩峯 参与 770001-42288

 


原子力発電によらない生き方を求めて   宣言文

2012-02-19 16:23:56 | 高野山
 

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全仏だよりから
「原子力発電によらない生き方を求めて」宣言文
   全日本仏教会では、「いのち」を脅かす可能性をもつ原子力発電に依らない持続可能なエネルギーによる社会の実現を目指すべく宣言文をプレスリリースいたしました。

宣言文 原子力発電によらない生き方を求めて

  東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散により、多くの人々が住み慣れた故郷を追われ、避熊生活を強いられています。避難されている人々はやり場のない怒りと見通しのrJかない不安の中、苦悩の日々を過ごされています。また、乳幼児や児童をもり多くのご家族が子どもたちへの放射線による健康被寓を心配し、「いのち」に対する大きな不安の中、生活を送っています。 広範囲に拡散した放射性物質が、日本だけでなく地球規模で自然環境、生態系に影響を与え、人間だけでなく様々な「いのち」を脅かす可能性は否めません。

 日本は原子爆弾による世界で唯.の被爆国であります。多くの人々の「いのち」が奪われ、また、一命をとりとめられた人々は現在もなお放射綿による被爆で苦しんでいます。同じ過ちを人類が再び繰り返さないために、私たち日本人はその悲惨さ、苦しみをとおして「いのち」 の尊さを世界の人々に伝え続けています。

  全日本仏教会は仏教精神にもとづき、一人ひとりの「いのち」が尊重される社会を築くため、世界平和の実現に取り組んでまいりました。その一方で私たちはもっと快適に、もっと便利にと欲望を拡大してきました。その利便性の追求の陰には、原子力発電所立地の人々が事故による「いのち」の不安に脅かされながら日々生活を送り、さらには負の遺産となる処理不可能な放射性廃棄物を生み出し、未来に問題を残しているという現実があります。だからこそ、私たちはこのような原発事故による「いのち」と平和な生活が脅かされるような事態をまねいたことを深く反省しなければなりません。

  私たち全日本仏教会は「いのち」を脅かす原子力発電への依存を減らし、原子力発電に依らない持続可能なエネルギーによる社会の実現を目指します。誰かの犠牲の上に成り立つ豊かさを願うのではなく、個人の幸福が人類の福祉と調和する道を選ばなければなりません。

 そして、私たちはこの間題に一人ひとりが自分の問題として向き合い、自身の生活のあり方を見直す中で、過剰な物質的欲望から脱し、足ることを知り、自然の前で謙虚である生活の実現にむけて最善を尽くし、一人ひとりの「いのち」が守られる社会を築くことを宣言いたします。

2011(平成23)年12月1日

 財団法人 全日本仏教会

       本多碩峯 参与 770001-42288