果物料理と果物食品加工

ビタミン・ミネラルに果物の仄かな香りに目覚める フルーツソムリエ

ー生かせ いのちー

2011-02-14 13:13:43 | 高野山
 
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生かせ いのち

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 高野山真言宗では、お大師さまの「生かせ いのち」のみ教えにもとづき、生きとし生けるものと、共に歩む教化活動を展開することをとおして、人権啓発を推進しています。
 毎年、この基本理念をもとにテーマを設定し、人権啓発作品を募集します。
 平成二十二年度は、「きずな 一生かせいのち-」をテーマとしました。お大師さまは、生きとし生けるものが互いに調和しあい、生かし合うなかでこそ、命が輝くと述べておられます。
 昨今ニュースで虐待や殺人など聞くに堪えないつらい事件が起きています。殆どの場合これらの事件は自分本位な考え方に起因しているように思います。しかし私たちが住んでいる世界は実は多くの見えない 「きずな」によって結ばれています。その「きずな」とは人と人を結ぶものでもあり、この世界に存在するすべての生きとし生けるものをも結んでいるのです。今回は世界に網のように張りめぐらされた大切な「きずな」を通して命の尊さ、また個々の人権はどのように守られるのかを題材に募集いたしました。
 本年度は、作文の部1619点、ポスターの部257点、計1876点にものぼる多くの作品が寄せられ、一般・高校生・中学生以下の三部門で、それぞれに審査いたしました。
 お寄せいただいた作品は、現在の社会事象を反映した作品が多く応募されました。応募者の大半が中高生です。彼らは自身の体験や身近な問題を取り上げ、また将来の展望を若者らしい素直な心を持って表現しており、感動や共感を与える作品が多くありました。どうか皆様におかれましては、これからの日本を担う若者たちの熱いメッセージを受けとめていただき、人権啓発の糧として、自分の出来ることから何かを始めて下さることを希う次第であります。
 これからも、この人権啓発作品の募集が、青少年から大人にいたるまであらゆる年代で人権について考える機会の一助になつていただければ幸甚です。
 宗団といたしましても、より充実した人権啓発活動を推進し、引き続き広く人権意識の高揚を図っていく所存です。
 最後になりましたが、ご協力いただきました各位、学校関係者、作品選考委員の皆さまに厚くお礼申し上げます。           合掌

                                                高野山真言宗宗務総長
                                                総本山金剛峯寺執行長
                                                             庄野 光昭


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祈りの力 お大師さまと高野山

2011-02-06 13:58:43 | 高野山
Sekiho Honda

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高野山は僧侶の修行の道場であると同時に日本の安寧を祈る場所でもあります。現在もお正月に行われる修正会や六月に行われる御最勝誇をはじめ、日々、山内のいたる所で僧侶によって国家安穏、五穀豊穣、万民豊楽が祈り続けられています。

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  お大師さまは高野山の開創に際して時の帝である嵯峨天皇に、「上は国家のおんために、また下は多くの修行者のために荒れ地の草を刈り平らげてわずかでも修行のできる修禅の一院を建立したいので高野の地を賜りたい」と奏上されています。国家の安寧と人々の幸せを祈り、そして、それを実現できる密教の教えを広めるために僧侶を育成することがお大師さまのお心であり、今でも脈々と受け継がれています。
 お大師さまは、「いかにすぐれた教えであっても、その教えを正しく理解し、実践するすぐれた人がいなければ正しく伝えることはできない。また、すぐれた人を育てるにはすぐれた教えがなければならない」と記されており、人と教えとは切り離せないものであるととおっしゃられています。ま杵た、「あらゆる物事が栄えたり廃れたりする原因は必ず人に由来し、人がすぐれた者となるのもそうならないのも、すべてその道の学び方にある」と記されています。物事の荒廃は人の道の学び方は培われるのでしょうか。よき師に出会うこと、よき共に出会うこと、よき社会に出会うこと、よき環境に出会うこと、いずれにせよ「よき出会い」なくしては培われません。何が自分とよき出会いを結びつけるでしょうか。
 お大師さまが唐で密教を学ばれ帰国する際に、港から師の恵果和尚から贈られた密教の法具である三鈷杵に、「密教の教えを広めるのに適した地を示したえ」と祈られました。そして日本の方へ投げられると、三鈷杵は雲とともに遥か彼方へ飛んでいきました。帰国後、全国行脚されていたお大師さまが、かって唐から投げられた三鈷杵を松の木の枝に見つけられた地、それが高野山です。まさに最適の地と、お大師さまは出会われたのです。
 お大師さまが高野山と出会われたのはまさに祈りの力です。お大師さまのようなとわずとも「よき出会い」をするためのきっかけ、それは”祈る”ことではないでしょうか。
                                                 合掌
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