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法を食べる僧

2012-10-09 15:06:24 | 高野山
 
 

「法を食べる僧」

 

東寺の食堂

 

「食」人を良くする堂

 

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東寺 食堂(じきどう)

 
北大門を入ると、すぐ「食堂」がある。食堂と書いてジキドウと読み、本来は僧侶が集まって一緒に食事をとったところという説がある。しかしその真意は定かでない。
 

東寺の僧侶は、このように食堂を解釈する。

 

僧の食事ってものは、仏法を食べることなんやね。ご飯を食べることとは違うんですよ。あそこに、鍋や釜がありますか。食事をするというと、すぐ、ごはんを食べると想像するけど、僧の食事は仏法なんですよ。千手観音像の前で僧たちが一緒に食事をとるなんて、僕には想像つかんことやけど、ね。僧たちがね、仏さんの前で食べるんじゃろうか。仏像祀っとる前で、仏さんの前で僧がすることは、読経する事でしょう。千手観音を本尊として聖僧文殊を主尊として、それが僧の身を養い、命を保つことなんや。この、身を養い、命を保つという解釈が、食事にたとえられてると違うのかな。

 

命を養い、身を保つものを食(ジキ)というわけでしょう。その食に触れることによって、命を養い、身を保っているんですよ。ごはんだって食べることなんか人間人間できないですよ。口ちん中入れて、体の中をすぎているだけでね。触れてただけでね。それを我がものにできますか。その食のご縁によって命を養い、身を保っているわけやから。僕は、そうとしか、よう解釈せんけどね。

 

食堂は1930年(昭和5年)に火災にあい、現在の建物は焼け残った木材を利用して再建されたものである。その火災で、「千手観音像」は大破し、3メートルを越える日本最大の「四天王像」4体は焼けごげてしまった。千手観音像、四天王像、聖僧文殊像は、ともに800年代に作られたものといわれ、千手観音像は修復され宝物館に安置されている。炭化が激しい四天王像4体は、長いこと金堂の片隅に人々の目に触れることなく、ひっそりとたたずんでいた。

 

しかし、創建1200年を迎える節目にと、1994年(平成6年)から特殊な樹脂により固める作業が続けられている。

 

聖僧文殊像は、食堂が焼失する以前に移されていたため焼失を免れ、現在はやはり宝物館に安置されている。この聖僧文殊像は「3人よれば文殊の知恵」といわれるように知恵の仏として有名であり、一般に菩薩の形をしているが老僧の姿をしているため聖僧文殊像といわれている。

 

そもそも大乗仏教の寺の食堂には、主尊として聖僧文殊像が安置されている場合が多いといわれる。「東寺文庫」弘法さんの玉手箱より

 

仏教では、私たちの食事を神聖な儀式としてとらえ、又仏さまへの食事のお供えを毎朝先ず、はじめの大切な行事です。私のような修行僧にとって、1年365日の毎朝のお供えは最も大切であり、一切の幸せを祝福、祈願する行事であります。「食」とは人を良くすると解釈できる考え,僧侶にとって食堂は「仏法を食する堂」であると学びたい。

 


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