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桜ガ丘~梨平のバス廃止

2022-09-28 21:29:19 | 秋田の地理
秋田市下北手梨平まで乗り入れていた、桜ガ丘線の1系統(西口~明田地下道~城東消防署前~桜ガ丘~梨平)が、2022年10月から、大平台三丁目発着に変更される。形式上は系統廃止と系統新設のようだが、実質的には行き先変更と区間廃止。停留所は2つ廃止。
梨平へは1989年からバスが行っていたようだが、どんな場所か知らなかったので、行ってみた。桜ガ丘地区での運行経路等は前回の記事を参照。
地理院地図に加筆。青い線が大平台行き、黒い線が廃止区間。●はバス停
前回の地図でマル2の印を付けた地点=上の地図で青線と黒線が分かれる地点。桜ガ丘のほぼ東端。
駅から来ると、大平台行きは右折して狭い道へ入るが、梨平行きは広いままの道なりに、左前方の下りカーブへ。
車道にセンターラインはあるが、歩道はない
坂の左側崖上に並ぶ家並みは、東へ飛び出た桜ガ丘五丁目。四丁目までは1987年にできたのに対し、五丁目だけは2001年住居表示実施(一部は二丁目からの変更)で、より新しい街。【10月1日訂正・住居表示ではなく「町名地番整理事業」とのこと。コメント欄参照。】

坂の右側は、すでに下北手梨平で、ゴルフ練習場がある。車がたまに通るのは、ここへ来る人もいるようだ。
桜ガ丘の北隣、桜二丁目にもゴルフ練習場(+日帰り温泉)があるので、ちょっとまぎらわしい。

ゴルフ練習場の出入り口を過ぎると、道路は一直線になるが狭くなり、さらに下る。
左は林、右はゴルフ打ちっぱなしの球が落ちるスペースになり、人の気配がよりいっそう薄くなる。時間帯によっては通るのが怖いだろう。

分岐点から350メートルほどで、坂が終わる。標高は30メートルから15メートルまで下った。
水田が現れた
左は林のまま、道はカーブしていて先が見通せない。そろそろ次のバス停のはずだが、そんな雰囲気ではないような…
上の写真右上の高い位置に家が写っているのは、大平台一丁目。桜ガ丘も同様だが、家は見えているけれど、そこまで上り下りできる道路も階段もない。それに、通学区は、桜ガ丘や大平台は桜小学校~桜中学校なのに対し、下北手梨平は下北手小学校~下北手中学校(歩いて通えるのか? さらにあと数年で両校は廃校し、広面小~城東中学区になるらしい)。隣り合う田んぼと新興住宅地の間には、高低差以外にもいろいろと違いがあって、近くて遠い。

カーブを曲がると、田んぼが広がるとともに、
建物とバス停が現れた
左に高齢者施設「桜の園」、奥に集落が見え、人里に戻った感じ。
桜の園は1988年に運営法人が発足していて、だいぶ大きい施設。その前に「桜の園前」バス停。分岐点から500メートルほど。1つ前の「桜ガ丘二丁目」からは650メートルも離れている。
桜の園の出入り口。その奥、桜の下に下りバス停
出入り口手前の向かい側、田んぼに向かう斜面に上りバス停。
地面ごと傾く
表示板は、前回の大平台と同様、板自体は市営バス時代からの転用品で、バス停名は透明シールパソコン印字の丸ゴシック体。大平台と比べると、板の劣化はいい勝負で、文字の薄れはこちらが激しい。
以前がどうだったか知らないので、交換されたのは市営バス時代か中央交通移管後かは不明。
ススキも茂る

桜ガ丘・坂方向を振り返る
桜の園前を過ぎると、左は林(一部墓地)だが、右が田んぼで開け、先に集落も見えるので、だいぶ気持ちが明るくなる。

この辺りまでは、下北手梨平字登舘。この先は、左が字袖ケ沢、右~奥の集落が字梨平。
桜の園前から200メートル強で、十字路。

直進方向の狭い道はカーブで見通せないが、これが梨平集落へ入る。
左折方向に看板が出ているのは「←歓喜寺」。実はこのすぐ左手にあって、建物が見える(後で写真あり)。旭北寺町にあったのが、新しい道路開通のために移転したのがここだったのだ。道路はその先、桜台の裏手~ノースアジア大学の裏手へ至るが、主要道路ではないので車はほとんど通らない。

右折方向は、すぐ突き当たって、再び左右(上の写真では前後方向)に分岐。
突き当り手前に案内標識
左へ行くと、梨平集落を抜けて、下北手黒川など、下北手の奥のほうへ。下北手にも黒川があるとは知らず、案内標識の「黒川」を見て、金足黒川かと思ってしまった。
右は、大平台の東辺ふもとを南下し、横金線~大戸~大平台入口~小山田の上北手の道へ出る。
なお、上の案内標識は裏面もある。歓喜寺方向を案内しているわけだが、一本矢印「太平(改行)下北手」。下北手はすでにここがそうだし、太平は遠く、ピンと来ない案内。「県道62号、谷内佐渡」などが分かりやすいのでは。

バスは、直進して集落内へ。
農村部らしい曲がった道
と言っても、100メートル弱で、
塀際に止まれ標識とともにバス停



「梨平」バス停
桜の園前から320メートルほど。
「泉上丁」同様文字が扁平なのは、中央交通作成シールなのか??
止まれは突き当りで、その左右の道は、先ほど出た、黒川~上北手の道。梨平集落は左方向へ続いており、バス停は集落のまだ入口。

梨平バス停は、上下兼用の1本。回転地もないので、折り返し待機は路上で行うと思われる。
最後となる2021年10月改正ダイヤの3往復は、いずれも回送なしの折り返し運用。11時00分発が9分、15時00分発が14分、18時00分発が4分の待機をすることになっている。
上り便となって秋田駅西口へ戻る時は、中央交通発行の路線図では、単純に来た道を戻るように線が描かれている(単純化したほうが分かりやすくはある)が、実際は異なる。
止まれを右折、次の丁字路も右折、すると先ほどの十字路なので左折して、下りと同じルートへ復帰できる(梨平→十字路は150メートルほど)。三角形の道路配置を活用した方向転換。30数年前の秋田市交通局が、知恵を絞って設定したのだろうか。
でも、道は狭い。本来(築地経由時代)は小型バスでの運行だったので、まだ良かっただろう。明田地下道経由に変わった後は、中型バスも入るようになったので、大変そう。

南側から梨平集落を眺める

33年半、バスが通っていた梨平。廃止代替交通はなく、バスに乗るとすれば、坂を上って桜ガ丘二丁目まで行かなければならない。

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11 コメント

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Unknown (Unknown)
2022-09-28 22:30:27
桜ガ丘は、住居表示ではなく、地番整理事業実施地域です。
なので、何番何号ではなく、何番地の何という住居番号となっています。

他の箇所でこれに該当するのは、大平台、山手台、御所野堤台二丁目及び三丁目などがあります。
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秋田市の真奥 (FMEN)
2022-09-29 00:54:35
旧上新城線の道川、旧下新城線の内畑、下浜線の名ケ沢に匹敵しそうな最果て町ですね。
こんな農村の交差点を使い切り返すのは中央交通の昔の男鹿五城目雄和や羽後交通の山間線でもよく見られたとか。
さらに奥まると夜間停泊で、車庫と和室とポットン便所のある休憩所が出来ます。
違いは、都心部からそこまで遠くない(秋田駅からなら寺内や勝平のが遠い)のに一気にこんな感じなのと、林道以外ではもう先にいけないこと。
青看を塗り直す前はもっと専門的でしたし、このあたりも林道同然でした。だから、下北手小学校まで通わすのはゲスの極みとしか。

歓喜寺は川尻割山線の超市内から随分な場所に来たもんです。
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Unknown (Unknown)
2022-09-29 23:48:27
中北手線を経路変更して梨平、桜の園前まで延伸して大平台3丁目で乗り換え、今まで65歳以上は100円で秋田駅前まで行けたのに200円かかる負担増になったとして、そんなに利用者がいるのか、果たして一人、二人の利用者のためにどこまで税金をかけるのか難しいですね。バスをタクシーのように自宅近くから使えるようにするなら福祉的な観点で考えたら中北手線延伸が1番良いのかなと思います。そういえば中北手線は昨年から電話予約式に変わりましたね。
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コメントありがとうございます (taic02)
2022-09-30 19:37:59
>Unknownさん
住居表示との違いがよく分からず混同していましたが、秋田市ホームページ(ページ番号1004226)に説明が出ていました。
「大規模開発による住宅団地で将来において住居表示の整備が必要と考えられる地区について、開発時に先行的に町名および地番を整理し、住所をわかりやすくしようとする事業」
だそうで、本来は後で住居表示されるべきなのでしょうが、桜ガ丘は30年以上そのままということなのですね。

>FMENさん
「隠れ里」的雰囲気もします。
1889年までは梨平村、戦後に合併するまでは下北手村。昔は人が多く、下北手村中心部との行き来も活発だったのかもしれませんが、どんな暮らしでどんな光景だったのか、気になります。
周回運行は、回転地を確保するより負担は少なく済むでしょう。滞泊所を持つとそれ以上負担なわけで、昔はそれでも経営が成り立っていたわけです。

車がない檀家は、墓参も一苦労でしょう。
「三十三観音霊場(札所巡礼/札打ち)」の歓喜寺分は、移転前の隣だった光明寺に託したそうです。

>Unknownさん
路線廃止時には「秋田市地域公共交通協議会」で、代替や地元の意見などが出されるものだと思っていましたが、今回は未開催で廃止されたようです。ということは、梨平住民の利用は、少なくともここ最近はほぼ皆無だったのでしょうか。
予約式なら、利用がなければ経費はかからないでしょうから、路線として設定はしておくというのでいいかもしれませんね。
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梨平行き 完結 (網地 耕部、)
2022-09-30 21:21:00
~梨平行き 完全廃止~

本日の運行を持ちまして、西口発の桜ガ丘線の梨平行きは、全日程の運行を終了致しました。

秋田市交通局時代の築地経由から始まりこれまでの33年間半、御乗車戴きました皆様、誠に有難う御座いました。

なお、バスダイヤ改編後の来週月曜日の始発便からは、西口発は大平台三丁目行きに変わりますので、お間違えの無いようにお願い致します。
西口発の大平台まで行くバスは2018年9月まで存在していた明田郵便局・桜団地経由が廃止して以来、凡そ4年振りとの事です。

実は私も最終日の梨平行きに乗り納めがしたかったのですが、仕事が忙しいし、夕方の最終便(西口発17:40、梨平発18:00)は流石にと思い断念致しました。
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古刹 (あんなか)
2022-09-30 22:08:05
FMEN様も書かれていた観喜寺は古刹で無理に道路を作って移転させる事も無かったのにと思いました。
川崎市でさえお寺を移転させる都市計画はなるべく避けてます。
(こういうことをするから秋田市は発展できないのではと穿ったり)
桜の園ではありませんがこの辺りにいなほ作業所というのがあるらしく(山手台だったかな)
ケアマネさんにやたら勧められたことがありましたが工賃1時間100~200円の世界なのでなんとか断りました。
障害者になるとこの手の話が多く障害者は作業所に通うのが義務なのかなあと。
作業所行き話しを上手くかわすのがまた大変・・。
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Unknown (Unknown)
2022-09-30 22:13:52
仙台市泉区にある泉中央をはじめ、地番整理のまま現在に至るところも見られるので、探せば色々と出てきそう。
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コメントありがとうございます (taic02)
2022-10-01 19:15:51
>網地 耕部、さん
梨平からバスが消えました。
西口発で「大平台三丁目行き」は目新しい気もしてしまいますが、たった4年前まで(経路違いで)ありましたよね。

10月以降も平日3往復の本数は維持されますが、あえて西口発着で桜ガ丘方面へ行き来したい人がどれほどいるのか、系統の存在意義はよく分かりません。
ただ、この系統しか通らない、東通仲町、城東消防署近辺では、駅前へ行く高齢者などの需要があるでしょう。運行系統をさらに見直していく余地もあると思います。

>あんなかさん
ケヤキの大木もなくなってしまいました。広い道路に信号なしの横断歩道ができて、彼岸・お盆には、墓参歩行者と車とのせめぎ合いが見られるのも、なんだか物悲しくて。横町が対面通行化される時までには、信号機がほしいです。

高齢者向けも合わせて福祉施設って、なぜか人里離れたというか交通の便がイマイチの場所にあるような(最近は高齢者施設は市街地の住宅地にできていますが)。
維持費も賃金もできるだけ抑えて運営したいのかもしれませんが、街なかにあると、一般市民の理解も進み、誰にでも優しい街になるのではないかと思います。

>Unknownさん
秋田市以外にもあるのですね。
今さら実施すると、かえって混乱するなどあるのでしょうか。
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Unknown (n_waka)
2022-10-06 11:04:41
観喜寺はうちのお墓があります。そっか、あの辺のバス廃止だったんですね。
確か、移転前は手形大回り・楢山大回りの両方だか片方だかに「歓喜寺前」ってバス停ありましたよね。
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観喜寺前 (taic02)
2022-10-06 20:31:34
うちは隣の隣の大悲寺。観喜寺移転を知った時は、お寺さんも檀家さんも大変だろうなと思ったものです。

手形回りがあった頃(1990年代中盤まで)は、おそらく両側にあったのでしょう。
残っている楢山回り側は、2016年にやっと「鹿嶋神社前」になりました。https://blog.goo.ne.jp/taic02/e/a22d9fe069340058e0a956c2df637374
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