広く浅く

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広面の交差点名

2012-01-19 20:31:27 | 秋田の地理
おとといに続いて、信号機に設置されている「交差点名」(正式には道路管理者管轄の「主要地点」標識)について。だいぶ前に撮影したストック画像を使用します。

交差点名表示が極めて少ない秋田県でも、部分的に多数設置されている所がある。
その1つが、秋田駅の北東、広面(ひろおもて)地区の秋田大学医学部附属病院近く。
広小路、手形陸橋を経て東へ進む「秋田県道28号線」と横金(よこかな)線と呼ばれる南北方向の「秋田県道41号線」が交差する辺り。
Googleマップより。黄色い道が県道、それ以外が市道

まず、上の地図の右下、オレンジ色の丸で囲った、市道どうしの交差点。ここから大学病院までは北へ500メートルほど。
南側から。奥が大学病院
東西方向の道側の信号機にだけ、交差点名が表示されている。
 大学病院入口
ちなみにこの信号機は、レンズ(点灯する部分)が通常より5センチ小さい、直径25センチ。秋田県内ではたまに見かけるが、全国的には珍品の部類らしい。
古めの表示板らしく、活字とは違う独特の書体で、若干剥がれかけているような感じ。(信号機より表示板の方が古いと思われる)


このすぐ北、100メートルのところが、県道28号線との交差点。(上の地図で赤色の丸)
同じく南から
ここにも名前が付いている。
表示があるのは、やはり東西方向(県道)の信号機だけ。
これは30センチの信号機。縦型最初期の古いタイプだと思われる
こちらの名前は
秋田大学付属病院
大型で英語表示もある、贅沢な表示板。
まず、正式な「附属」ではなく、「付属」という文字を使ったのには、何か意図があるのだろうか?
そして英語が「Akitadaigakufuzokubyoin」という、音をそのまま、しかも区切りもなしにローマ字化したのも、何だかな…

何より、「秋田大学付属病院」だと、まるでここが病院の真ん前の交差点かのような誤解を与えてしまいそうだ。
病院まではここから400メートルも離れているし、病院の前までにあと2つも信号機付き交差点があるのだから、これを「地点名」の標識とするのには無理があるようにも思える。


100メートルほど隔てて並走する道どうしに、「大学病院入口」と「秋田大学付属病院」という似た名称の交差点があるのにも違和感を感じる。
なぜ、こんな不思議は位置関係になったのかは、この辺の道路の歴史をさかのぼると、分かってくる。
※以下、個人的な記憶と憶測によるものです。事実とは異なるかもしれません。
現在はこのような道路配置
しかし、
20年ほど前(?)までは、このような道路配置だった
昔は「秋田大学付属病院」の交差点と東西の県道(と横金線も)がなかった。おそらく、現在は市道になっている「大学病院入口」を通る東西の道路が県道だったのだろう。(その名残か、路線バスは現在もこっちの道を通る)

新しい県道が開通するに当たり、
「大学病院への入口を示す交差点名は必要だべな」
「だども、もう『大学病院入口』交差点があるべ」
「んだなー。へば、『秋田大学付属病院』にするか」
といった判断で、こうなったのではないだろうか。

秋田県内の他の交差点にならえば、市道の「大学病院入口」は無名交差点に成り下がってしまってもやむを得ないような気さえするが、例えば、そちらを近くにある一定の認知度のある地名を取って「谷内佐渡(やないさど)」にするとかしてもいいかもしれない。


最後に、地図左下の青い丸、太平山三吉神社近くの県道28号線の新旧が分岐する、三叉路というか「y」字路交差点は、こういう名前。
広面小南
僕はこれを見ると、いつも「ひろおもてこみなみ」と読んでしまいたくなってしょうがない。しかし、「小南・こみなみ」などという地名は存在しない。
これは「ひろおもてしょうみなみ」、すなわち「秋田市立広面小学校の南の地点」という意味らしい。

全国的には、学校の近くの交差点には「◯◯小学校前」などと表示されているばかりでなく、周辺には「◯◯小学校北」といったような名称が付いていることもある。
しかし、秋田においては、学校名が付いた交差点はあまりない(というか僕は思い浮かばない)。この広面小学校は、とても珍しいケースだ。

「広面小南」があるからといって、「広面小“前”」という交差点が存在するわけではない。学校からほぼ同じ距離に反対側へ進んだ、マックスバリュ広面店などの前の横金線との無名交差点を「広面小“北”」という交差点名にして対にするのなら、まだ意味があると思うが。

「広面小南」と広面小学校は、間に住宅地を挟んで400メートルほど離れているし、あまりふさわしいネーミングではないと思う。「三吉神社前」とか「広面小入口」という名称の方が適切なように思える。


そういえば、学校の北側の横金線を渡った向こうにある、路線バス手形山団地線の「広面小学校入口」バス停の位置も、横金線ができる前の状態を考えるとなるほどと思えるのだが、今となってはあまりふさわしくないネーミングのように感じる。
横金線など新しい道路の開通によって街の光景や人の動線が変化してしまったけれど、交差点名やバス停名で昔の姿が分かることがあるというわけだ。(それがいいことだとは言えないけれど)

関連記事(谷内佐渡バス停)

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