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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

大張野駅2

2010-01-11 19:15:02 | 秋田の地理
秋田市の“秘境駅”、大張野駅の続編です。前回の記事を先にご覧ください。
【2012年7月16日カテゴリー変更】秋田の季節・風景→秋田の地理に変更。前の記事はそのままにしておきます。

駅正面から出て右側、大曲方向へ延びる道を歩く。除雪はしっかりされている。
人も車もいない一本道、右側が線路で左側は山。暗い感じはしないが、クマとかカモシカが出てきそうでちょっと怖い。クマはいたとしても冬眠中だろうけれど、この辺りでたまに「こまち」がカモシカ(特急「かもしか」じゃなく動物の方ね)に衝突することがある。
数百メートル進むと、道は山に沿って線路から離れてカーブし、開けた所に出た。道路沿いにぽつぽつと民家があり、周りは田んぼのようだ。
駅から少し距離があるとは言え、意外に民家があるじゃないか。地域の方々の生活の場を邪魔しているようで少し気が引けるが、さらに少し行くと踏切がある。
線路は、大張野駅付近では直線だが、この踏切前後でかなり曲がっている。大張野駅・秋田方向は大きなカーブ、大曲方向はくねくねとしたS字カーブ。
ここは鉄道写真の撮影地だそうだ。鉄道写真はカーブで撮ると、迫力のあるものが撮れる。僕も少し待って「こまち」を撮影してみた。
秋田方向。大きくカーブして接近
踏切を過ぎて
大曲方向
こっち側もいいアングル
くねくねと山の影へ
カーブがあるため、通過速度が制限されており、上の写真の「70・80・80」という標識が、制限速度を示している。「こまち」は下の標識に従うはずだから80km/h以下で通過しなければいけない。
山の谷間で影ができることもあるが、列車がゆっくりと通過するので撮りやすい場所と言えそうだ。

踏切の周囲は原野のようだが、その先の田んぼと一体化して真っ白。青空と雪の美しい風景。

踏切と反対へ続く道があり、その先の方にも人家があるようだ。

駅前へ戻り、今度は正面の坂道を上ってみた。
途中に民家らしきものがある、100メートル強の緩い坂を登り切ると、少し広い道路との交差点に出た。
さっき車の音がしたのは、この道だ
まっすぐ進むと本当の「大張野」地区のようだ。さらに進むと「赤平」地区、今年度いっぱいで閉校する市立赤平小学校があるらしい。
僕はここで引き返したが、この辺は住居は少なく農業関連の施設があり、酪農が行われているようだ。そう言われればなんとなく北海道のような風景?
道案内
「ノースハンプトンゴルフ倶楽部 2.5キロ」とあるが、今通ってきた細い道を戻り、大張野駅前を経て、写真を撮った踏切を渡って少し行くとゴルフ場があるらしい。踏切から見て、大曲に向かって右側の山(の裏側)がゴルフ場のようだ。
「大曲方面13号線まで1.5キロ、秋田駅まで反対方向に19.5キロ」ともある。
1.5キロで国道13号、左折して大曲というのは納得。でも、秋田市中心部に行くにしても、13号線に出て右折すればいいと思ってたら、この標識では13号線と反対に行けとなっている。
地図を見ると、岩見三内(いわみさんない)地区へ通じているようだ。ということは、山谷(やまや)・太平の各地区を通り、秋田駅東口に出てくることができるというわけか。太平山のふもとをぐるりと回るルートだ。
この交差点から13号線・横山金足線経由で秋田駅東口までざっと地図上で計測したら18キロ。19.5キロの岩見三内経由とそんなに違わない。岩見三内経由は山間部&道路状態が悪そうで(今は改修されたのか?)あまり通りたくない気がするが、そちらを勧める理由があるのだろうか。
駅へ戻ってきた
駅前にはモミの木?・シラカバ?・サクラ?のような特徴的な大きな木が3本あった。春の花・新緑の時期はきれいかもしれない。
秋田から来た電車から、買い物袋を下げたおばさまが1人だけ下車し、踏切の方へ歩いて行った。その前にも、坂道を下って駅前を通り踏切の方へ歩いて行った方もいた。“人っ子ひとりいない”わけではない。
こまちが通過
時刻表記載や注意放送はないが、定期列車以外に臨時・団体の「こまち」、回送列車などが通過することがあるので、充分な注意が必要。線路横断などは厳禁。
大張野の時刻表。左が下り秋田方面・右が上り大曲方面
6時から23時まで、ほぼ1時間に1本運行されている。秋田では特別不便なダイヤとは言えない。

今回、大張野がどの程度“秘境駅”なのか確かめに来たわけだが、Wikipediaにあった、秘境駅の定義らしきものに合致しているか検証しよう。
「鉄道でしか行けなくて民家がほとんどない駅」
 →公共交通機関は鉄道しかないが国道からはそう遠くない。駅から離れているとはいえそれなりに民家があるが、「ほとんどない」と言ってしまっていいのだろうか?
「駅しかなく、何もない、降りるだけの駅」
 →「駅しかない」、「何もない」と言ってしまっていいのか?基準があいまいだ。確かに 「降りるだけ」ではある
僕としては、列車本数が多いことと、民家があって人の生活がちゃんと感じられたことから、大張野を秘境駅とするのはいささか疑問。(これは僕が“秘境駅”を理解していないのかもしれない)
駅の反対側に何もなく、夜は真っ暗になると想像され、この2点では“秘境”っぽいが、こんな駅は地方ならそんなに珍しくはないのではないだろうか。
都会に住んでいる方にしてみれば、“秘境”に感じてしまうのだろうし、訪れた季節・時間などによって印象は変わるだろうが。

それにしても、市町村合併で新しく秋田市になったエリアとはいえ、秋田市にこんな場所があるとは知らなかった。世界も日本も秋田県も広いが、秋田市も広い。
帰りの電車も、大張野から乗ったのは僕1人だった。

なお、秋田市役所交通施策室のサイトには、秋田市内各駅の過去12年間の1日平均乗車人員が掲載(トップページの最下部)されている。
JR東日本では有人駅の乗車人員は自社サイトでも公表しているが、無人駅については公表していない。だが、この市の資料はJRの資料に基づいているとのことなので、少なくとも秋田市内の無人駅については乗車人員を把握していることになる。注意したいのは、このデータは“乗車”人員であり、降車人員は含まれていないこと。
それによれば、平成19(2007)年度は、秋田12,245人、土崎2,260人、上飯島769人、追分1,877人、羽後牛島784人、新屋1,022人、桂根1人、下浜124人、四ツ小屋527人、和田470人、大張野71人となっている。
列車本数が極めて少ない(1日3~4本)桂根駅はともかく、他の駅は3ケタ以上の利用者数なのに、大張野は2ケタ(地方では珍しくもないが)。とはいえ、大張野駅は駅周辺の世帯数に比べれば、かなりの利用者数ではないだろうか。列車本数の多さや沿岸部と違って冬の運休が少ないことなどが功を奏しているのかもしれない。
大張野駅前の駐車場にしてもそうだが、大張野から車でそのまま秋田へも大曲へも行かれるのに、わざわざ駅へ来てあえて鉄道を利用されているのだとすれば、素晴らしいことだ。駅舎もきれいにされていたから、利用者や近くの皆さんに大事にされている駅なのだろう。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-04-01 12:00:36
時間が経過した記事にコメント失礼します。

大張野から秋田駅へのルートは、広域農道経由ですね。
夕方の横金線の渋滞に引っかかることもなく秋田駅への最短経路です。
返信する
古い記事でもどうぞ (taic02)
2013-04-02 00:09:57
なるほど、そのルートがありましたか。広域農道恐るべしですね。
それにしても秋田市も広くなったものです。
返信する

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