天気予報は、昔に比べるとぐっと詳細にかつ正確になったものだ。その原因は観測機器やコンピューターの発達もあるだろうし、民間気象会社の存在もあるだろう。
それによって、同じ地点の同じ時の予報でも、サイトやチャンネルによって、予報内容が違うことも起こるようになった。
昔は、どの媒体でも気象庁の予報をそのまま伝えていた。20年以上前の「キテレツ大百科」のアニメでは、ブタゴリラが「このチャンネル(新聞だったか?)の天気予報がいちばん当たるんだ」といった趣旨の発言をして、みんなに「どこでも同じだよ」と笑われるシーンがあったはず。
正確には分からないが、おそらく1990年代中頃(ブタゴリラ発言の直後)に、気象業務法が改正されたり気象予報士制度ができたりして、民間気象会社がたくさんできて業務を拡大し、今のような体制になっていった。
現在の秋田のテレビの天気予報で、地図上に表示されるマークや気温の提供元。
NHKはマークや気温は気象庁の発表を使っているが、日本気象協会を中心とした民間の情報も使って補完しているそうだ。全国各地の放送局ごとに、個別に契約していることもあるようで、青森放送局では週間予報に気温が表示され、降雪量予報も毎日あるのに、秋田放送局ではそれらがないのは、青森局は契約し(日本気象協会)、秋田局は(まったくもしくは部分的にしか)してないということなんでしょう。
秋田県の民放局は、3局ともウェザーニューズ社(サービス名としては濁音でないウェザーニュース)のようで、画面やマークのデザインが似ている。
なお、NHK秋田放送局と秋田テレビ(AKT)では、気象予報士が出演しているが、どちらもウェザーマップ社(森田正光氏の会社)の人。ウェザーマップでは、データ提供をせずに予報士だけ派遣(つまりよその会社のデータを使って解説する)という契約ができるようだ。
ただ、たまに表示・解説される地点ごとの降雪量予報を、アメダスのように地図上に地点ごとに色分けした点(円形)で示す画面は、NHK秋田とAKTで同じデザインなので、ある程度はデータ提供もあるということなんだろうか。(特にNHK秋田には、これを毎日見せてほしいのだけど…)
ちなみに、IBC岩手放送は、日本気象協会。
今年の正月のローカル年賀CMの1つとして、「日本気象協会より新年のごあいさつを申し上げます。本年も岩手の皆様に分かりやすい気象情報をお届けいたします」みたいなのを流していた。読んでいたのは、偶然なのか意図したのか気象予報士の資格を持つ神山弘樹アナウンサー。
【2020年2月17日追記】2020年の正月も日本気象協会が年賀CMを流していた。IBCでは別のアナウンサー(風見さん?)。気象情報はウェザーニュースのデータを使っている、秋田放送(ABS)でも流れていた。気象協会は創立70周年だそうで、IBCは見忘れたが、ABSでは70thロゴもあった。
ということで、媒体や企業によって、微妙に異なる予報が出されることがある。天気のマークが違う(雨とくもり一時雨とか)こともあるけれど、気温が1~2度違うのも珍しくはない。傾向としては同じながら、細かい見解が違うということなのだろう。
最低気温が寒い日が多かった今年2月。下旬はそれが連日続いたのだが、うち23日夕方に発表された、24日の秋田市の気温の予報は、大きく分かれた。※以下、各サイトの画面を一部編集しています。
まずは、気象庁17時発表。
マイナス6度と2度
NHKでは、全国も秋田ローカルもこの数字だった。
時系列予報では、午前6時頃が最低気温。こりゃけっこう冷えそう。
ウェザーニューズは、
マイナス3度と0度
民放はこの数字。
気象庁発表と比べて最高気温は2度差があるが、最低気温は3度差。しかも、秋田市でマイナス3度でも充分寒いけれど、マイナス6度となればとても寒い。水道の水抜きなども考えないといけない温度。この3度の差は大きい。
テレビをザッピングする視聴者は、混乱したことだろう。
さらに他社。日本気象協会のサイト「tenki.jp」18時発表は、
マイナス3度とプラス1度
時系列予報では、午前6時にマイナス3.1度。
秋田の地元企業・ウェザープランニング社16時発表は、
マイナス7度と2度
アメリカのAccuWeatherは、
マイナス4度と2度
ここは日本の法律を適用されないためか、翻訳したためか、「低く垂れ込めた雲」「晴れたり曇ったり」とか、詩的というかあいまいに受け取れるというか、独特な言い回しが見られる。
以上、日本勢は、最低低め&最高やや高め(日較差大)派と最低やや低め&最高やや低め(日較差小)派に2分された。海外勢もまた別の予報。なお、ウェザーマップのサイトでは、秋田の予報は掲載されていなかった。
結果は…
気象庁データより。左から日付・日平均気温・最高気温・同観測時刻・最低気温・同観測時刻
最低気温マイナス3.6度、最高気温0.2度。
朝が恐れたほど寒くはなく、最高はあまり上がらなかった。
ということで、ウェザーニューズと意外にもAccuWeatherが健闘。
肝心の気象庁は、だいぶ外してしまったと言ってしまっていいような…
なかなかいい線だったtenki.jpだけど、当日10時の予報では、
マイナス6度と2度
なぜか前日の予報よりも外してしまった。
実際には、風などにより体感気温は違うため、温度の数値と実感が伴わないこともあるし、今回と逆の当たり外れの日もあるでしょう。(過去には各社が揃って同じ数値を予報し、ちょっと外したことも)
素人には知る由もないけれど、24日は判断が難しい条件の日で、見解が分かれたのだと思う。予想するほうからして悩んだのだろうけれど、それを見せられたほうも悩んでしまうことになるわけですが。
天気予報に限らず、ひとつの情報源のみにとらわれず、ほかにいろんな見解があることを意識して、その多くに触れてみることが大事なようです。
それによって、同じ地点の同じ時の予報でも、サイトやチャンネルによって、予報内容が違うことも起こるようになった。
昔は、どの媒体でも気象庁の予報をそのまま伝えていた。20年以上前の「キテレツ大百科」のアニメでは、ブタゴリラが「このチャンネル(新聞だったか?)の天気予報がいちばん当たるんだ」といった趣旨の発言をして、みんなに「どこでも同じだよ」と笑われるシーンがあったはず。
正確には分からないが、おそらく1990年代中頃(ブタゴリラ発言の直後)に、気象業務法が改正されたり気象予報士制度ができたりして、民間気象会社がたくさんできて業務を拡大し、今のような体制になっていった。
現在の秋田のテレビの天気予報で、地図上に表示されるマークや気温の提供元。
NHKはマークや気温は気象庁の発表を使っているが、日本気象協会を中心とした民間の情報も使って補完しているそうだ。全国各地の放送局ごとに、個別に契約していることもあるようで、青森放送局では週間予報に気温が表示され、降雪量予報も毎日あるのに、秋田放送局ではそれらがないのは、青森局は契約し(日本気象協会)、秋田局は(まったくもしくは部分的にしか)してないということなんでしょう。
秋田県の民放局は、3局ともウェザーニューズ社(サービス名としては濁音でないウェザーニュース)のようで、画面やマークのデザインが似ている。
なお、NHK秋田放送局と秋田テレビ(AKT)では、気象予報士が出演しているが、どちらもウェザーマップ社(森田正光氏の会社)の人。ウェザーマップでは、データ提供をせずに予報士だけ派遣(つまりよその会社のデータを使って解説する)という契約ができるようだ。
ただ、たまに表示・解説される地点ごとの降雪量予報を、アメダスのように地図上に地点ごとに色分けした点(円形)で示す画面は、NHK秋田とAKTで同じデザインなので、ある程度はデータ提供もあるということなんだろうか。(特にNHK秋田には、これを毎日見せてほしいのだけど…)
ちなみに、IBC岩手放送は、日本気象協会。
今年の正月のローカル年賀CMの1つとして、「日本気象協会より新年のごあいさつを申し上げます。本年も岩手の皆様に分かりやすい気象情報をお届けいたします」みたいなのを流していた。読んでいたのは、偶然なのか意図したのか気象予報士の資格を持つ神山弘樹アナウンサー。
【2020年2月17日追記】2020年の正月も日本気象協会が年賀CMを流していた。IBCでは別のアナウンサー(風見さん?)。気象情報はウェザーニュースのデータを使っている、秋田放送(ABS)でも流れていた。気象協会は創立70周年だそうで、IBCは見忘れたが、ABSでは70thロゴもあった。
ということで、媒体や企業によって、微妙に異なる予報が出されることがある。天気のマークが違う(雨とくもり一時雨とか)こともあるけれど、気温が1~2度違うのも珍しくはない。傾向としては同じながら、細かい見解が違うということなのだろう。
最低気温が寒い日が多かった今年2月。下旬はそれが連日続いたのだが、うち23日夕方に発表された、24日の秋田市の気温の予報は、大きく分かれた。※以下、各サイトの画面を一部編集しています。
まずは、気象庁17時発表。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/4e/1edeee7940231398465dd0553d5e8c83.jpg)
NHKでは、全国も秋田ローカルもこの数字だった。
時系列予報では、午前6時頃が最低気温。こりゃけっこう冷えそう。
ウェザーニューズは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/6f/44484d64b23fdee723f161baa7b6c113.jpg)
民放はこの数字。
気象庁発表と比べて最高気温は2度差があるが、最低気温は3度差。しかも、秋田市でマイナス3度でも充分寒いけれど、マイナス6度となればとても寒い。水道の水抜きなども考えないといけない温度。この3度の差は大きい。
テレビをザッピングする視聴者は、混乱したことだろう。
さらに他社。日本気象協会のサイト「tenki.jp」18時発表は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/f9/4bf156f9a76ebebadb059fa60634ee26.jpg)
時系列予報では、午前6時にマイナス3.1度。
秋田の地元企業・ウェザープランニング社16時発表は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/ac/2470f2ba6b3febb0c63ed72f06f0d5b4.jpg)
アメリカのAccuWeatherは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/15/2d82276c7aca82000c2e52d876e453b5.jpg)
ここは日本の法律を適用されないためか、翻訳したためか、「低く垂れ込めた雲」「晴れたり曇ったり」とか、詩的というかあいまいに受け取れるというか、独特な言い回しが見られる。
以上、日本勢は、最低低め&最高やや高め(日較差大)派と最低やや低め&最高やや低め(日較差小)派に2分された。海外勢もまた別の予報。なお、ウェザーマップのサイトでは、秋田の予報は掲載されていなかった。
結果は…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/77/2e4626dd4ef6613e7048dbdec4937498.jpg)
最低気温マイナス3.6度、最高気温0.2度。
朝が恐れたほど寒くはなく、最高はあまり上がらなかった。
ということで、ウェザーニューズと意外にもAccuWeatherが健闘。
肝心の気象庁は、だいぶ外してしまったと言ってしまっていいような…
なかなかいい線だったtenki.jpだけど、当日10時の予報では、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/d4/a140063fb3a9ccc2bd31b8d91e8031e7.jpg)
なぜか前日の予報よりも外してしまった。
実際には、風などにより体感気温は違うため、温度の数値と実感が伴わないこともあるし、今回と逆の当たり外れの日もあるでしょう。(過去には各社が揃って同じ数値を予報し、ちょっと外したことも)
素人には知る由もないけれど、24日は判断が難しい条件の日で、見解が分かれたのだと思う。予想するほうからして悩んだのだろうけれど、それを見せられたほうも悩んでしまうことになるわけですが。
天気予報に限らず、ひとつの情報源のみにとらわれず、ほかにいろんな見解があることを意識して、その多くに触れてみることが大事なようです。
ウェザー・サービスがそれで此処は湿度予想など予報を出して重宝したものでした。
民間と言うからには倒産することもあるわけですね。知られた話しでは台風進路予報で古くから1週間前予報を出していた米海軍の予報が3日間前しか出さなかった気象庁より役だったものです。
その他ヨーロッパ中期予報センター (ECMWF)の気圧配置予想が案外当たりブックマークに入れています。
あとはロシアのサハ共和国(ヤクート)水文気象環境監視局 (ЯУГМС;ヤウグムス)の出している各地の現在の気温が興味深いです。
ヤクーツクも氷点下20度くらいまで気温が上がってきました。
実は気温が低いと知られるオイミャコンよりヴェルホヤンスクの方が気温が低いんですね。
日本の天気予報しか知らないと、そんなものかと思ってしまいますが、海外では風習というか慣習が違う点もあるようですね。AccuWeatherでは、初期状態では最高気温しか表示しないようですし、体感気温を数値で示したり、1か月先の毎日の予報を発表したりしています。
北のほうでは、信じられないようなマイナスの温度になるのが当たり前なのでしょうが、海流や地形の影響なのでしょう、単純に北ほど寒いとかいうわけもないですね。
秋田市の積雪量はぐっと減ったものの、道路の氷は分厚いまま。まだ朝は冷える日があるようで、もうしばらく足元注意が続きそうです。