広く浅く

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瀬戸大橋・岡山

2010-03-26 22:24:32 | 旅行記
【四国旅行記7】旅行記の最初の記事はこちら、直前の記事はこちら
徳島から高松へ来て、次は岡山市へ行って1泊する。
なぜ岡山に泊まることにしたかというと……なんとなく。強いて言えば、四国に来たからにはやっぱり瀬戸大橋を渡りたいのと、久々に岡山の街を見たいから。かな。
岡山県の児島駅までは「バースデイきっぷ」エリアなので、その先の児島-岡山間の480円を別払いすればいい。

高松-岡山間を結ぶ列車は、特急はごく一部で、メインは快速「マリンライナー」。1時間に2本運転され、高松-岡山間は約50分。
四国では珍しい電車(ディーゼルカーでなく、電力によるモーターで走る車両)が使われており、2003年からは「5000系」や「223系」という(JR四国所有か西日本所有かで名前が違うだけで同型車)新型車両が走っている。
下り列車(高松側)の先頭車1号車
独特のデザインで、僕はキン肉マンに出てくる「ウォーズマン」を連想してしまう。車両中央部が2階建てになっており、1階が普通車指定席、2階と運転席直後がグリーン車指定席になっている。
側面に「桃太郎ネットワーク」のロゴマーク
雰囲気としては首都圏の普通列車グリーン車と似たような物だと思うが、地方の普通・快速列車にグリーン車があるのが珍しい。
反対側(岡山側)の先頭車は大阪近辺の「新快速」で見慣れたお顔
1号車以外はこのような普通車自由席の車両で、JR西日本の新快速に準じた車内。リクライニングはしないが2人ずつ(一部4人)座れるシートがある。

マリンライナーは5両編成が多いが、時間帯によって2両から7両で運転されている。最近、減車が行われたそうで、ここにも高速道路1000円の悪影響が出ているようだ。
この時の列車は5両編成(うち1両が指定席車)だった。今回は指定を取らずに自由席に乗る。

JR北海道では、列車の行き違いを「行き会い」と表現するなど、同じJRグループでも言い回しが異なることがあるが、四国では列車の車両数を案内する時、「この列車は5両つないで運転しております」とか「5両つなぎで~」と表現する。
JR東日本では「5両編成で~」と言うのが一般的なので、耳慣れない表現だし、「数珠つなぎ」みたいでなんとなくおもしろい。考えてみれば「○両編成」っていうのは、一種の専門用語的なものにも思えるから、四国式の言い方の方が一般向けと言えるかもしれない。

列車は、香川県内・岡山県内とも、いくつかの駅に停車する。
車内は旅行客もいるが、夕方なので仕事帰りの人が圧倒的に多い。座席も、ドア横にある折りたたみ式の座席もすべて埋まっていた。四国最後の停車駅、坂出駅でもほとんど変化なく、そのまま瀬戸大橋へ向かって行く。県境と瀬戸内海を越えて、四国と本州の間で通勤している人が多いのには驚いた。
坂出駅を出て5分ほどで海沿いに出る。
島並みに沈む夕日。この時間の列車でよかった! 瀬戸大橋へ進んでいく。
先頭車に乗っていたので、運転席の後ろへ(以下、ガラスに照明や車内が写り込んでいます)。
 
瀬戸大橋というと眺めが良さそうだが、鉄道は道路の下を通るため、視界が開けているわけではない。だから、正面の眺めはそれほどでなく、横の眺めの方が見応えがある。橋の内部構造などの迫力はあるけれど。
 
横側の眺めは橋の構造物でやや遮られるが、すき間からは美しい瀬戸内の夕暮れが見える。橋は5つの島を結んでいるため一直線ではなく、意外とカーブが多い。
島の中の陸上部分では側面の鉄骨がないので、眺望が開ける。
船も浮かぶ
本州に入り、児島駅に到着。
停車中に乗務員が交代
瀬戸大橋を通る列車は、JR四国とJR西日本の境界の駅である児島駅で必ず乗務員が交代する。僕もきっぷの都合でいったん下車。
上の写真の駅名標がJR西日本のものであるように、児島駅はJR西日本の管轄。したがって、バースデイきっぷの使用可能エリア(の端)ではあるが、窓口でその購入や指定券を取ることはできない。自動改札機は通れた。
児島から岡山側はICカード乗車券「ICOCA(イコカ)」のエリアなので、僕はSuicaで入場し、30分後の後続のマリンライナーで岡山駅へ。
岡山駅中央改札口前
岡山駅は以前来た時と大きく変わっており、建物はそのままに、内部の大規模なリニューアルが2006年に行われていた。
1972年の山陽新幹線岡山開業時に建設されたので、盛岡駅など東北新幹線各駅とよく似た、国鉄末期の新幹線駅らしい横に長い駅舎で、かつては1階と地下に改札口があったはず。
リニューアル後は1階の改札口がなくなって2階に移り、橋上駅舎に変わったようだ。盛岡駅も2005年に似たようなリニューアルがされたが、岡山は落ち着いた雰囲気がした。
翌朝の岡山駅
結局あまり時間がなく、岡山には泊まっただけといった感じだったが、少し岡山市内を紹介します。
岡山市街は岡山電気軌道(岡電)の路面電車が走っている。国内に現存する路面電車の中では、いちばん運行距離が短いが、岡山駅から岡山城周辺までは100円(それ以降も140円)で本数も多くて乗りやすい。岡山駅からは2系統出ているので注意が必要なのと、JRの駅からは地下道で乗り場に行かなければならないのが不便。
同社の車両には個性的なものがある。
低床電車の「MOMO」(9200形)
今でこそ各地の路面電車にバリアフリーに配慮した乗り降りしやすい電車が導入されているが、岡電は熊本市交通局と並んでそれを早期に採用した事業者。
カナダのボンバルディア社(飛行機ではお騒がせのメーカーだが)製の部品と日本製のモーターなどを使って日本で組み立てたもので、富山や熊本にほぼ同型の“兄弟”といえる車両が走っている。

ところで、岡電の系列会社は経営難に陥った和歌山県の私鉄の経営を引き継いでいる(和歌山電鉄)。その駅にいる三毛ネコの「たま駅長」が有名になったが、その縁で岡山の路面電車にも、たまのイラストを散りばめた「たま電車」がある。しかもその電車、1965年に廃止になった旧秋田市交通局の路面電車(秋田市電)の車両の機器を流用して作られた車両(外装・内装とも更新されており、ほとんど面影はないと思うが)だという。
ネコ好き・秋田市民としてはぜひ見てみたかったのだが、発表によれば1月下旬から「点検整備のため、当分の間運行を見合わせ」とのことで、残念。そろそろ復帰するかもと期待していたのだが…
岡電にはもう1両、一緒に秋田市から譲渡されて改造された同型車両が走っているようだが、それも今回見る機会はなかった。おそらく秋田市電の血を引く最後の車両だと思うので、いつか見て・乗ってみたい。


岡山と言えばやっぱり「桃太郎」。上で紹介したマリンライナーのロゴ、路面電車のMOMOのほかには、
岡山駅前の銅像

マンホールにも
写真は下の右側に「城下筋」と通りの名称が表示されているが、他では同デザインで「げすいどう」となっていたものがあったので、これは下水のマンホール。他には、
水道局のはかわいらしい
積雪地秋田にはほとんどない、地下式の消火栓のマンホールは、
桃太郎消防士! 水じゃなく泡を飛ばしてる?
3つとも岡山市関係の組織のものだが、表情やデザインに個性があって楽しい。
そして、駅前のポストの上
銅像じゃなく、色つきの像は珍しい
一瞬誰だか分かりにくいが、はちまきには桃の絵が描かれているから、この人も桃太郎。
筆を持って寝っ転がっているという、個性的なスタイル。銅像と競合しないように配慮したのかな。
 

最後に、信号機の色。さすがに桃色、というわけはなく、
メタリックグレー? いぶし銀?
まだ新しそうな信号機で歩行者用はLED式ではあるが、薄型の“お弁当”ではなく、従来型の厚いボディ。新方式の採用に踏み切るかどうか、県によって判断が分かれるのかもしれない。
これはシブイくてカッコイイ!

しばし本州に戻った後、南国土佐・高知へ向かいます

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2 コメント

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ところかわれば (mugi-shochu)
2010-03-27 20:37:06
○両編成とか○両つなぎとか、言い回しも違いますね。
秘密の○○ショーを見てるようです。(笑)
岡山といえばやはり桃太郎。
こういう誰が聞いても分かる決定的なモノが欲しいですね。
秋田では・・・
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地元では当たり前でも (taic02)
2010-03-27 21:50:40
地元の人では当たり前でも、よその人には珍しいことってどの土地にもあるんでしょうね。気付きにくいですが。
「秋田と言えばナマハゲ」と考える県外の人が多いみたいですよ。実際、秋田駅には顔はめ看板や石像があるので、実際秋田市に来てもそう感じてブログにアップされている方がよくいます。
でも、ナマハゲは秋田市のものじゃないんですよね…
秋田駅が「秋田県の玄関口」と考えればナマハゲでもいいのかもしれませんが、地元の人と旅行客の間でズレが生じてしまっているとも考えられます。
やはり「これぞ秋田市」っていうものがほしいですね。
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