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最初の共通テスト 秋大会場

2021-01-17 23:00:02 | その他もろもろ
大学入試センター試験に代わる、初めての「大学入学共通テスト」のうち、受験者がいちばん多い最初の試験が16・17日に行われた。
以下、試験内容の話ではなく、会場の看板の話がメインですので、検索等で期待してアクセスいただいた方はごめんなさい。

両日とも全国的には大きな支障はなかったものの、16日の稚内市の会場では暴風雪で全日程を中止。共通一次~センター時代も含めて、初めての事例。
そのほか、日程に影響なくても、大雪が融けずに残っていて、行き来に苦労した会場もあることだろう。
今ごろは、北日本・日本海側では、いちばん天候が荒れやすく、交通機関や道路に影響が出やすい時期。その住人からすれば、これだけでハンデキャップ。
以前も指摘したように、実施時期を少しずらしてもらえれば、そのおそれは激減する。秋入学などでなく4月入学のままでも可能だと思うから、該当地域の県知事あるいは大学学長が連携して提言するとかしてもらいたい。
昨年、秋田でも特に雪深い地域出身の総理大臣が誕生したわけで、その苦労はご存知のはずだけど……

それに加えて、昨春から新型コロナウイルス流行が続き、これまでにない生活や勉強スタイルを求められ、さらに第3波、一部地域で緊急事態宣言下での試験実施。
さらにさらに忘れそうだけど、共通テストの新機軸として、民間の英語試験活用や記述式問題導入も予定されていたものの、不安の声が出て、約1年前になって見送りが発表され、国の詰めの甘さに振り回された。
共通テスト1期受験生は、いろいろと大変な環境下での受験でしたね。


とは言うものの、外から見ていれば、試験内容以外はセンター試験時代とさほど変わらないような。主催者も日程も主な会場も同じだし。
例えば、以前取り上げた「格言鉛筆」の使用の注記や扱いは、センター試験時代と変わっていない。

今年はコロナ対策で昨年までと違う点もある。
試験が1回増えて3回。1月16・17日の本試験第1回の後、コロナで学業が遅れたと認められた者の本試験(=本試験としては第2回)兼、今回の第1回本試験の追試験(=追試験としては第1回)として30・31日、さらにその追試験としての特例追試験を2月13・14日。
30・31日の試験場(試験会場)がややこしい。1回目の「追試験場」としては全都道府県に1つ以上(北東北では弘前大、岩手県立大、秋田大)設けられるが、2回目の本試験の会場としては全県にはなく、北東北3県にはなし(南東北は3県ともある)。これは学業が遅れた事例がなく、希望者がいなかったことによるものなんだろうか。2月13・14日は東京と神戸の2つだけ。


最後のセンター試験での秋田大学試験場を紹介した。
大学入試センターが名付けた「試験場名」の命名が統一されていないことを指摘した。「秋田県立大学秋田キャンパス試験場」があるのだから、「秋田大学手形キャンパス試験場」「弘前大学文京町地区試験場」になるかと思いきや、「秋田大学試験場」「弘前大学試験場」。共通テストになっても変わっていない。

センター試験時代、各試験場の門に設置される立て看板は、それぞれで作るらしく、サイズも書体も文面すらまちまちだった。
試験室で監督者が発言する“台本”まで用意するのに、こういう点はいい加減。
(再掲)センター試験秋田大学試験場の看板
秋田大学では、やや小さめながら、金属の縁があるしっかりした看板。書体は写研「ナール」なので新しいものではないと思われるが、まだ充分使えそうだった。名前が変わってしまうのだから、これも処分されるのかと予想した。
共通テストになって、新しい看板は、大学入試センターから一括して支給されるのかも、と思ったが…
今回の看板。雪のためかいつもより右側に設置され、門の「秋田大学」にかぶってしまった
枠付きで、おそらくサイズや「秋田大学試験場」の文字は同じ。つまり試験の名称部分だけ、きれいにはがして貼り直したらしい。
アップで映ったテレビの映像を見ても、上張りではないし以前の痕跡はなさそうで、丁寧な仕事。もう30年は使えるかも?!

報道を見ると、共通テストになっても、看板は各会場まちまち。
弘前大学ではモリサワ「新ゴ」で「大学入学共通テスト」を小さく、「弘前大学試験場」を大きく表示し、やはりセンター試験時代を踏襲している。
昨年の福井大学では「令和2年度大学入学者選抜(改行)大学入試センター試験(改行)福井大学試験場(改行)(文京キャンパス)」と正式名称を表示していた。年部分は上貼り。※福井大は2つのキャンパスが試験場で、ここは正確には「福井大学文京キャンパス試験場」。
それが今回は、「令和3」のほか「大学入学共通テスト」も貼っていた。お手軽。
福井放送より福井大学準備風景
これらを見ると、例えば看板製作の実費をセンターに請求できるとか、それなりの額の製作費が一律支給される、というわけではないのでしょう。


秋田大学に戻って。
試験前日にだけ設置される「試験室棟の下見時間は、(改行)午後 時までです。」も、以前(2020年は未確認)と同じく、試験場看板と同サイズ・ナール(句読点の位置がヘン)のものを継続(今年は左端に設置)。

さらにもう1つ、上の新旧写真にも写っている、関係者以外の入構規制期間を示した看板があった。これはサイズは同じながら枠がないもので、平成角ゴシック体と、やや違う仕様。
ナールは写植書体、平成書体はデジタル書体であり、センター試験初期には誕生していたが看板には使わなかったと思うから、後で作ったのだろうか。

共通テストでも、規制期間は同じようだから、使い回すかと思いきや、全面刷新。
試験名称以外は同じ文面、改行位置も同じ、「秋田大学」は本文と同サイズで小さくなった。フォントは新ゴ。
平成じゃなくなったから平成書体をやめた、わけではないでしょうけど。なお、新ゴは1990年発売(当初は写真植字機用「新ゴシック体」として)。平成角ゴシック体は1989(平成元)年にデザインコンペで選ばれて、命名・細部を調整後、1991年から機器に搭載(NECのワープロ「文豪」など)されたらしい。

「大学入学共通テスト」の書体。
丸ゴシック体だけど、「秋田大学試験場」と比べて分かるように、ナールではない。
「学」の7画目(「子」の2画目)が上に飛び出して「予」みたいで、変わったデザイン。

これを手がかりに調べると、ニィスフォント「JTCウインR」らしい。モリサワ「じゅん」と似ているが「共」の下の2点から判断。【20日コメントで指摘いただき訂正、以下の該当箇所を削除】やっぱりモリサワ「じゅん」とのこと。JTCウインRと作者が同じで、よく似ていると思う。
デジタルフォントで、2000年代にはテレビのテロップなどで多用されたが、近年はちょっと影が薄いかも。
今、ナールの代用としてはフォントワークス「スーラ」が圧倒的多数、ここは隣の看板がモリサワフォントだから、同社の丸ゴシック体「じゅん」等でもいいのに。業者側なのか秋大側なのか、珍しい選択。
何が何でもナールというお役所仕事でなく、かつ古い板を大切に使ったのは評価すべきだし、JTCウインRも場違いではないとは思うけれど。

【上記訂正により以下は関係ない話になってしまいます。】
JTCウインRといえば、秋田市営バスから移管直後に、秋田中央交通が設置していたバス停表示板の文字。
「通町」バス停

再掲)今はなき「吉学寺入口」バス停
バス停の「学」は7画目が出ていない。
ということは、JTCウインRは、途中で一部のデザインが変わったということ???

【2021年2月26日追記・秋田大学の二次試験の看板について】
昨年の二次試験時の看板は、センター試験とおそろいのナールの「秋田大学入学試験場」だった。これは問題なく今年度以降も使い続けられると思っていたが…
実際には、金属枠なし、角ゴシック体の別の内容に変わってしまった! テレビで見ただけなので、本格的な看板か紙印刷かは不明。
「秋田大学入学試験会場」と大きく、小さく「(国際資源学部・教育文化学部・理工学部)/※医学部の試験場は本道キャンパスです。」と、学部による場所の違いが明示された。また「試験場」から「試験会場」に変わった。

【2022年1月16日追記・翌2022年1月の共通テスト 秋田大学試験場の看板について】
大学名の表札にかぶらず、以前のようにその左隣に、左・入構規制ご理解願います、右・試験場の2枚の看板(看板は2021年と同じ)を設置。(以上追記)


最後に試験室内。
秋田県内で試験室内が報道公開されたのは、今回も秋田大学の、おそらくいつもの講義室。
秋田朝日放送より
東京大学の試験場では、コロナ対策で、着席する席は列ごとに互い違いというか、いつもより複雑な配置。着席してはいけない席の机上に、大きな赤い「×」を貼っていた。養生テープのようなものをカットして作っているのかもしれないが、それだけで作業が大変そう。
秋田大学では、1列おきに使っているものの、各列とも両端の席を使い、着席不可席の表示もなさそうで、一見、いつもの風景。列当たりの席数(偶数奇数とか)や全体の収容人数の都合もあるのでしょう。

その講義室の風景。
よくある、傾斜が緩い階段講義室なのだけど、横が黒板だらけじゃありません?
左右の側壁に2枚ずつ確認できた。立派なというか、それ単体で小さい部屋の正面の黒板として使えそうな黒板。
秋田テレビより。後方の高い部分にもある
「背面黒板」というのはWikipediaにも項目があるほど一般的。教室後ろの壁に設置された黒板。
自分の経験では、小学校にはなくて掲示板だったが、中学校では行事予定などを書くのに使っていた。高校にもあって用途はあいまいだった気がするが、数学の先生で好む人がいて、解法が長くなった時など「せば、続きは背面!」と、後ろにすらすら書いていた。落書きにも使いやすい?
だけど「側面黒板」など始めた見たかも(全国的にはなくはない)。

大学では、正面以外に黒板などあったっけ。講義室の側面は、壁か窓かドアしかなかったと思う。
理数系の学部の部屋で、それこそ数式などをびっしり板書することがあるのだろうか。座席固定で、柱が飛び出た部屋で、階段の低い部分から後方などでは、死角が生じて授業中には使いづらそうだけど。
移動式のホワイトボードもある。NHKでちらりと映ったが、黒板ふきは前方に4個。

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4 コメント

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Unknown (FMEN)
2021-01-17 23:51:48
自分の時は秋大、西高校、金農、県立しかなく、手形に当たらないと追分になるという凄いシステムでした。
経法大と聖霊がセンター不採用なこともあり、こんな偏り。
持ち回りで手形に当たる学校もありましたが、手形は遠隔地や浪人が優先されたみたいです。
南、中央、東あたりを開放しても良かったのでは?と。
今はかなり楽になりました。

看板文字が秋田では土日しか使わないJチャンのテロに似てます。
ちなみに18時からYouTubeでコロナ会見(市立クラスター)をしましたが、ANNニュースのを使ってました。

NHKでみた仙台の会場はやけに半袖率が高い。
いくら昨日は温暖でも、空調の効かせ方間違えたんではないでしょうか。
私服なんで浪人と思われますが。
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高校の試験場 (taic02)
2021-01-18 23:37:41
秋大とともに秋高も使った年もあったと思います。
公共交通機関でのアクセス=駅から近いという点も考慮しているのかもしれません。今のノースアジア大は、無料シャトルバスを出しています。
最近は、秋田県内は横手以外はすべて大学を会場にしています。部屋が小さい高校を試験場にするのって、運営上はやりづらいのかもしれません。
我々の頃は秋大が県内唯一の試験場でした。
出願は高校で取りまとめたものの、受験番号や席はまったくバラバラだったようで、周りに知る人はいなかったです。
どっちにしても、本荘とか能代とか会場がない土地在住者は、不慣れな街、天候、宿泊など大変そうです。

ひらがながあるとかなり雰囲気は違うはずですが、漢字だけだと今風の丸ゴシック体でしょうか。
半袖受験者いましたね。熱意あふれる浪人生か?
新傾向問題で頭を酷使した受験生が多かったようで、ほかにも暑い人は多かったかもしれません。
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Unknown (書体讃歌)
2021-01-20 10:41:14
失礼します。秋田大学の「大学入学共通テスト」はJTCウインRではなく「じゅん」(おそらく501)です。
仰る通り、「学」の7画目が上に飛び出しているのが「じゅん」の特徴です。

その下のバス停看板はJTCウインRですね。
二つとも三宅康文氏の作品です。

写研書体がモリサワからリリースされる運びとなりましたので、すぐにとはいきませんが看板文字にナールが戻ってくるかもしれません。
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じゅん (taic02)
2021-01-20 12:27:15
ご指摘ありがとうございます。作者が同じだと似るものですね。
モリサワフォントだと知れば、採用されたのは納得です。例えば新丸ゴでなく、なぜじゅんなのかは、選んだ側にしか分かりませんが。

今では道路標識以外でナールだと「古い看板」になってしまいますが、数年後にはそうでなくなると思うと不思議な気がするとともに感慨深いです。
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