バス停表示板更新シリーズの番外編。2022年10月のダイヤ改正時に、秋田市内の3つのバス停の名称が変更された。いずれも、由来となる施設名の廃止や名称変更によるもの。
「八橋下水道終末処理場前」→「八橋汚水中継ポンプ場前」
国道7号(通称・臨海バイパス)にある、スケート場線、臨海営業所線のバス停。秋田市の下水施設(かつては下水道部、今は上下水道局)にちなむ名称。
昭和の時代から、ここが下水処理場として機能(というか下水道部の庁舎もここだったはず)していたが、向浜にある秋田県の下水処理場「秋田臨海処理センター」と接続し、段階的にそちらへ処理を移行していたらしい。県処理場へ全面移行した2020年8月に名称が変更された。
名称変更から2年経って、バス停名が変わった。
なお、すでに下水処理場があったはずの1988年の時刻表では「下八橋」という名称。
その隣の、今の「市立体育館前」に相当するのは「環境保全事務所前」だった。秋田市立体育館は1994年に現在地移転。
(再掲)2017年下り側
2017年に見た時は、下り側(写りが悪いですが上の写真)が角ゴシック体、上り側は丸ゴシック体のJTCウインRで、いずれも日本語のみを2行に分けて表記していた。Googleマップストリートビューによれば、2019年10月時点でもそれ。
2022年9月に行くと、
きれいになってる?!
両側とも、表示板が新品に交換されていた。下り側は支柱も新品交換ではないが、少しきれいになっている。
下り側の片面は、ローマ字最後の「E」が欠落
施設名変更の直前に、表示板が新しくされてしまったことになる。その段階では中央交通が名称変更を知らなかった可能性はあり、結果として無駄なことになってしまった。
奥は秋田市立体育館
「文化会館・八橋球場前」→「八橋球場前」
あきた芸術劇場・ミルハス開館に伴い、秋田市文化会館が9月末で閉館となったため。文化会館で催しがある時は、その参加者の乗降も多かった。
文化会館は1980年6月開館。いつからバス停名になったかは知らない(市の施設で、当時は市営バスだったから、開館と同時かも)が、平成初期頃は八橋球場が付かない「文化会館前」というバス停だった。
以前、隣の「八橋市民広場・裁判所前」で触れたように、その頃は、その隣のバス停が「八橋球場前」だった。
1997年10月に、「八橋球場・文化会館前」と「八橋市民広場前」に改称。
その後、前者はいつの間にか、順番が入れ替わって「文化会館・八橋球場前」になり、後者は2005~2006年辺りに裁判所の要望により「八橋市民広場・裁判所前」となっている。
今回の変更により、「八橋球場前」バス停が、25年経って1つ隣へ移動した形となった。実際のところ、駅方向から八橋球場へ来る時(下り)は、道路横断の位置を考慮すれば、球場前よりも八橋市民広場・裁判所前で降りたほうが近いと思う。
2020年の記事でも触れたが、このバス停は、羽後交通のポールもあるほか、中央交通用としては上下とも、ダルマ型のほかに、元市営バスの電照式(今は点灯しないかも)も設置されていた。2社3本。
電照式は、上り下りで同じものに見えそうだが、実は異なる。上り側は、2代目バスロケーションシステム(バス接近表示)対応だったもの。下り側は、元からバスロケ非対応のバスロケもどきの電照式。両者で、脚、点灯部の配置、通風孔の有無などが異なる。
ダルマ型の表示板は、上記リンクの2020年に更新されていた。
(再掲)
その時点で、秋田市文化会館がじきに廃止されることは、報道により多くの秋田県民が知るところとなっていた。下水処理場とは違い、知らずに交換したとは思えない。前の表示板が特段劣化していたわけでもないのに、この時に交換したのが理解できない。こういうところを切り詰めないと。
「八橋球場前」化後上り側。向かい奥が文化会館
下り側
羽後交通の表示板は、上下とも変更されず「文化会館」が残る。
下り側
中央交通のダルマ型は、もちろん変更された。上り側の旧表示板でボルトの位置がずれていたのが、新表示板ではそうでないから、(名称部分だけ書き換えたのではなく)板ごと交換したのだろう。そして、バス停名部分に黄色いマスキングテープのようなものが残っている。
電照式のほうは、「文化会館【17日補足・電照式には中黒「・」がない】」の部分に黒いテープを貼って隠す、お手軽変更。「交通公社前」→「川反入口」の時は、よく似たプレートを作って差し替えていたのに。
元バスロケの上り側。短辺上部に通風孔がある
バスロケもどきの電照式下り側。短辺は全面が金属
バスロケもどきでは、短辺側に照明が透過するバス停名表示部がなく、緑色の文字を貼って表記。その緑色では「文化会館」が残っている。
反対面も
↑長辺東向きの透過部分の「橋」「場前」は黒い細かい部分がはがれて、危なくなっている。
このバス停の車内放送は、J2リーグ「ブラウブリッツ秋田」の選手の声で流れる(2021年頃から?)。「次は八橋球場・文化会館前」から始まり、応援よろしく的なあいさつ、「お降りの方はボタンを押して…」まで。
名称変更後も、引き続き行われている。部分差し替えでなく、全編を収録し直したようで、人(選手)は変わったかもしれない。
「幸町交番前」→「高陽幸町交差点前」
新国道経由各線。交番が2021年12月に移転・改称したことによるもの。
命名に悩んだのがうかがえる。中央交通では、新しく命名するバス停名には、施設名や企業名は採用しない方針らしい(交通公社前→川反入口の時の報道より)。加えて、近隣の他路線のバス停【17日補足・高陽幸町、鉄砲町、千代田町、保戸野学園通り入口】と名前が重複するのもマズいと判断したのだろう。
そして、交差点名を名乗るバス停は、秋田市内に山王十字路、臨海十字路、川尻十字路、大町西交差点と、いずれも市営バス時代から存在する。ここが特異なのは「~交差点『前』」であること。このせいでまどろっこしいバス停名になってしまった気がするのだが、「前」は必要だったのだろうか。
この記事の通り、元々は「いすゞ前」で、秋田いすゞ自動車は2006年に移転していた。バス停は、市営バスが設置した、埋め込み式赤色LED点滅のポールだったが、後にLEDなしの板に替えられ、さらに上り側は2010年代前半にダルマ型に交換。
残る下り側の表示板は、「市営バス」ではなく「秋田市交通局」と「いすゞ前」の文字が透けており、長く使われていた。
(再掲)
改称を機に、下り側がどうなるか気になっていたが、
変わらず。傾きも変わらず
表示板だけを替える対応か。ローマ字表記が加わったほか、白文字が薄れていた社名部分も更新され、市営バス時代のまま緑だったその地色が、標準の青になった。
板はいろいろデコボコ
下に「秋田市交通局」「いすゞ前」が透けている!(幸町交番前は見えない)今回も使い回しで、さらに長く使うことになった。
上り側
ここでもマスキングテープが残っている。
「八橋下水道終末処理場前」→「八橋汚水中継ポンプ場前」
国道7号(通称・臨海バイパス)にある、スケート場線、臨海営業所線のバス停。秋田市の下水施設(かつては下水道部、今は上下水道局)にちなむ名称。
昭和の時代から、ここが下水処理場として機能(というか下水道部の庁舎もここだったはず)していたが、向浜にある秋田県の下水処理場「秋田臨海処理センター」と接続し、段階的にそちらへ処理を移行していたらしい。県処理場へ全面移行した2020年8月に名称が変更された。
名称変更から2年経って、バス停名が変わった。
なお、すでに下水処理場があったはずの1988年の時刻表では「下八橋」という名称。
その隣の、今の「市立体育館前」に相当するのは「環境保全事務所前」だった。秋田市立体育館は1994年に現在地移転。
(再掲)2017年下り側
2017年に見た時は、下り側(写りが悪いですが上の写真)が角ゴシック体、上り側は丸ゴシック体のJTCウインRで、いずれも日本語のみを2行に分けて表記していた。Googleマップストリートビューによれば、2019年10月時点でもそれ。
2022年9月に行くと、
きれいになってる?!
両側とも、表示板が新品に交換されていた。下り側は支柱も新品交換ではないが、少しきれいになっている。
下り側の片面は、ローマ字最後の「E」が欠落
施設名変更の直前に、表示板が新しくされてしまったことになる。その段階では中央交通が名称変更を知らなかった可能性はあり、結果として無駄なことになってしまった。
奥は秋田市立体育館
「文化会館・八橋球場前」→「八橋球場前」
あきた芸術劇場・ミルハス開館に伴い、秋田市文化会館が9月末で閉館となったため。文化会館で催しがある時は、その参加者の乗降も多かった。
文化会館は1980年6月開館。いつからバス停名になったかは知らない(市の施設で、当時は市営バスだったから、開館と同時かも)が、平成初期頃は八橋球場が付かない「文化会館前」というバス停だった。
以前、隣の「八橋市民広場・裁判所前」で触れたように、その頃は、その隣のバス停が「八橋球場前」だった。
1997年10月に、「八橋球場・文化会館前」と「八橋市民広場前」に改称。
その後、前者はいつの間にか、順番が入れ替わって「文化会館・八橋球場前」になり、後者は2005~2006年辺りに裁判所の要望により「八橋市民広場・裁判所前」となっている。
今回の変更により、「八橋球場前」バス停が、25年経って1つ隣へ移動した形となった。実際のところ、駅方向から八橋球場へ来る時(下り)は、道路横断の位置を考慮すれば、球場前よりも八橋市民広場・裁判所前で降りたほうが近いと思う。
2020年の記事でも触れたが、このバス停は、羽後交通のポールもあるほか、中央交通用としては上下とも、ダルマ型のほかに、元市営バスの電照式(今は点灯しないかも)も設置されていた。2社3本。
電照式は、上り下りで同じものに見えそうだが、実は異なる。上り側は、2代目バスロケーションシステム(バス接近表示)対応だったもの。下り側は、元からバスロケ非対応のバスロケもどきの電照式。両者で、脚、点灯部の配置、通風孔の有無などが異なる。
ダルマ型の表示板は、上記リンクの2020年に更新されていた。
(再掲)
その時点で、秋田市文化会館がじきに廃止されることは、報道により多くの秋田県民が知るところとなっていた。下水処理場とは違い、知らずに交換したとは思えない。前の表示板が特段劣化していたわけでもないのに、この時に交換したのが理解できない。こういうところを切り詰めないと。
「八橋球場前」化後上り側。向かい奥が文化会館
下り側
羽後交通の表示板は、上下とも変更されず「文化会館」が残る。
下り側
中央交通のダルマ型は、もちろん変更された。上り側の旧表示板でボルトの位置がずれていたのが、新表示板ではそうでないから、(名称部分だけ書き換えたのではなく)板ごと交換したのだろう。そして、バス停名部分に黄色いマスキングテープのようなものが残っている。
電照式のほうは、「文化会館【17日補足・電照式には中黒「・」がない】」の部分に黒いテープを貼って隠す、お手軽変更。「交通公社前」→「川反入口」の時は、よく似たプレートを作って差し替えていたのに。
元バスロケの上り側。短辺上部に通風孔がある
バスロケもどきの電照式下り側。短辺は全面が金属
バスロケもどきでは、短辺側に照明が透過するバス停名表示部がなく、緑色の文字を貼って表記。その緑色では「文化会館」が残っている。
反対面も
↑長辺東向きの透過部分の「橋」「場前」は黒い細かい部分がはがれて、危なくなっている。
このバス停の車内放送は、J2リーグ「ブラウブリッツ秋田」の選手の声で流れる(2021年頃から?)。「次は八橋球場・文化会館前」から始まり、応援よろしく的なあいさつ、「お降りの方はボタンを押して…」まで。
名称変更後も、引き続き行われている。部分差し替えでなく、全編を収録し直したようで、人(選手)は変わったかもしれない。
「幸町交番前」→「高陽幸町交差点前」
新国道経由各線。交番が2021年12月に移転・改称したことによるもの。
命名に悩んだのがうかがえる。中央交通では、新しく命名するバス停名には、施設名や企業名は採用しない方針らしい(交通公社前→川反入口の時の報道より)。加えて、近隣の他路線のバス停【17日補足・高陽幸町、鉄砲町、千代田町、保戸野学園通り入口】と名前が重複するのもマズいと判断したのだろう。
そして、交差点名を名乗るバス停は、秋田市内に山王十字路、臨海十字路、川尻十字路、大町西交差点と、いずれも市営バス時代から存在する。ここが特異なのは「~交差点『前』」であること。このせいでまどろっこしいバス停名になってしまった気がするのだが、「前」は必要だったのだろうか。
この記事の通り、元々は「いすゞ前」で、秋田いすゞ自動車は2006年に移転していた。バス停は、市営バスが設置した、埋め込み式赤色LED点滅のポールだったが、後にLEDなしの板に替えられ、さらに上り側は2010年代前半にダルマ型に交換。
残る下り側の表示板は、「市営バス」ではなく「秋田市交通局」と「いすゞ前」の文字が透けており、長く使われていた。
(再掲)
改称を機に、下り側がどうなるか気になっていたが、
変わらず。傾きも変わらず
表示板だけを替える対応か。ローマ字表記が加わったほか、白文字が薄れていた社名部分も更新され、市営バス時代のまま緑だったその地色が、標準の青になった。
板はいろいろデコボコ
下に「秋田市交通局」「いすゞ前」が透けている!(幸町交番前は見えない)今回も使い回しで、さらに長く使うことになった。
上り側
ここでもマスキングテープが残っている。