Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

Wk 10

2007-03-10 | Japan
Monday, March 5, 2007
*科研成果報告書とりまとめ:中国に帰国中の留学生から掲載予定のデータが届く。
*兵庫県立大主催日韓中共同研究のワーク:見沼田圃における広域的緑地環境管理の枠組検討のための参考事例として、グリーンスペース・スコットランドの戦略的グリーンスペース・パートナーシップ(SGPs)についてリサーチ。
*早稲田大学芸術学校より非常勤講師の委嘱状が届く:担当は「公園緑地計画」。
*「森林科学」誌JABEE特集号(日本森林学会)の原稿執筆依頼

Wednesday, March 7, 2007
*4月からの改組新メンバーでの初の科内会議、終了後、臨時教授会(千葉大緑地環境学科):教育研究分野(研究室)の事実上の解体(教員個人体制への移行)がほぼ認られたほか(大学院はこの4月から、学部は年次進行)、総務委員会の廃止等々、結構重要な案件があっけなく決まる。
*千葉大学大学院新園芸学研究科・新園芸学部紹介パネルのコンテンツ及びレイアウト説明会
*引き続き兵庫県立大主催日韓中共同研究のワーク

Thursday, March 8, 2007
*千葉大個別学力試験(後期日程)監督者等説明会
*科研成果報告書取りまとめワーク(継続)
*グラスゴウ・クライド峡谷ジョイント・ストラクチャープランの重要施策である「グリーンネットワーク」についてリサーチ:それにしてもイギリスはいまグリーンスペースが熱い。「オープンスペース」ではなく「グリーンスペース」なのである(直訳すれば緑地、緑空間であるが定義をみるに土地概念であることは明白)。この意味するところについて、ドイツのグリュン・フレッヒェン、日本における緑地概念との比較も交えつついずれしっかりと検証しなければならないと思っている。日本ではオープンスペースをその当初こそ「空地」と訳したものの、やがて一般に緑地と訳すことを常態としてきたことの意味についても再検討を加えるべきだろう。日本の文脈からすればいささか手垢にまみれた20世紀の概念と言ってもよい「緑地」がいまイギリスで再び脚光を浴びている。このことをどう評価するかが問題である。「いまごろ緑地!?」では済まされない意義が見え隠れしているような気が個人的にはする。それは「環境」でも「エコロジー」でもなく(もちろんそれもあるがそれ以上に)、「経済」「社会」「正義」との強烈なリンケージである。その意味でまさに緑地ルネッサンスと呼んでよい状況がそこにはある。

Friday, March 9, 2007
シンポジウム「美しい日本をつくるには?」-ランドスケープアーキテクトの視点から-:途中参加のうえ中座してしまったのでコメントは差し控えるべきであろうが、それでも感想を一言で述べさせていただくならば、それは「危機感」である。「美しい景観」を話題にしているのに美的感性をくすぐられるような内容のシンポジウムではなかった。正直なところ、景観(ランドスケープ)の旗手として世に打って出るには物足りなさを感じた(このシンポジウムは、(社)ランドスケープコンサルタンツ協会 美しい景観事例集編集委員会編『美しい景観・まちづくりに役立つ景観 55事例』(環境コミュニケーションズ)という書籍の出版を機に企画されたものであるが、この刊行物についてのコメントは項を改める)。もちろん、僕は「一当事者として」危機感を抱いているのであって、(大学人によくあるように)大所高所から高見の見物を決め込むつもりは毛頭ない。

ではこうした状況をいかに打開していくべきか。大学人として僕がコミットメントできることとしてまずはデザイン教育のより一層の強化(場合によっては再生)である。設計能力が低いと言っているのではない、設計されたものをいかに他者に伝えるか、その表現力、すなわちコミュニケーション能力をも含めた訴求力を高める技能(広義のデザイン力)の教育がほとんど欠落している。一方、研究者としての僕がすべきこととしては、実践の成果(アウトカム/外部効率性)をちゃんと評価すること、そのための基準や批評理論をしっかり組み立てることである。最後に、少しばかりの実践者としての僕が努力すべきこととして、様々な場や局面における「運動」と「制度」の架橋、である。

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