Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

Glasgow and the Clyde Valley Green Network

2007-03-09 | Great Britain
3回目の改訂を受けてウェブサイトが全面的にリニュアルされました。グリーンネットワークの形成が大々的にフィーチュアされています。平成の大合併、道州制の議論が巻き起こって以来、広域自治体連携論が下火になっている日本では信じがたいことですが、このストラクチャープランは8つの地方自治体(市町村)による協働作業の成果です(UKではグラスゴウに限ったことではないですが)。リトゥン・ステイトメントも訴求力のあるビジュアルが満載。なんでイギリスのレポートってこんなにかっこいいんでしょうか。
GCVJSP2006_Written_Statement.pdf

「投資対象」とか「競争力」、「環境的正義」、「社会的包含」といったおおよそ日本の緑地計画では目にすることのできないキーワードが登場している。都市経営戦略の一環としてグリーンネットワークの形成が位置づけられている点に注目したい。
http://www.gcvcore.gov.uk/greennetwork/index.htm
プランはこちら→Glasgow Clyde Valley Green Network

概要を和訳してみると以下のとおり。

グリーンネットワークとは?
・グラスゴウ大都市圏の全域をカバーし緑地の規模、質、価値の改善を目的とする向こう25年のイニシャティブ。
・ストラクチャープランにおける戦略的プライオリティの高さ:このイニシャティブは200万人のための生活・労働環境の改変を目指すことと、投資対象としてのグラスゴウ・シティリージョンの競争力を決定的に高めることを目的とする。

どこにグリーンネットワークを?
・ストラクチャープランの計画範囲である8つの自治体の行政区域に広がる。
・対象となる土地は公園、樹林地、交通幹線(transport corridors)、河川(river corridors)、私庭園、野生生物生息地、運動場、施設緑地(学校、病院、分区園、墓地などの)、アメニティグラウンド(住宅地、商業地における)で、開発地における暫定的緑化も含む。

特記すべき目標
・居住および労働の場、投資対象としてのグラスゴウ大都市圏の戦略的ポジションを高めること。
・政府の重要仮題とされる環境的公正(environmental justice)の促進、地域コミュニティにおける緑地・空地へのアクセス性の向上、健康とQOLの改善(特に人々が感じる不利な条件の克服)、社会的包含(social inclusion)
・生物生息地をリンクするネットワークの形成によって地域の生物多様性を向上、補強する緑の回廊(green corridors)と空間の提供。