Sketch of the Day

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駅前に農場があるということ

2007-02-09 | Media
研究室にて定期購読している「地域開発」509号(財団法人日本地域開発センター)をぱらぱらと流し読む。「進化する駅と都市」という特集号だ。記事中に登場する駅はターミナル駅などの大きな駅が多く、駅と周辺市街地の関係や両者の連携による街づくりの最新事例が紹介されている。思うに、これまで駅や駅前というのはべからく高密度に開発され、商業的な集積が「前提」となることが多かった。駅前に大きな公園があったり、緑地があったり、さらには森林や農地があったり、ということは皆無ではないにしろ、都市部における一般的な駅前の土地利用とは言い難いだろう。

何故に駅前は高密度に開発されなければならないのか。なぜ駅前に緑地や農地があってはいけないのか? 21世紀にはそんな駅前もあってもいいだろう。ロンドンのキュー・ガーデンズ堂々と駅前にあるじゃないか。こんな話をしたのは、我が柏農場が今やひどいことになっているからだ。つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅前にはららぽーと柏の葉ができ、アーバンデザインセンター(UDCK)ができ、アートフェスタも開催され、華やかなことこのうえないが、郊外のどこにでもあるような駅前に向かいつつあると感じているのは私だけであろうか。駅前の一等地に農場があるということ、この立地環境を最大限に生かせるまちづくりこそが21世紀の駅前開発にあるべき姿だと思うのだが。