こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
看護師さんも募集中!!

看護師ブログのランキングです。ポチッってしてもらえると励みになります。(^^)/

にほんブログ村 病気ブログ 看護・ナースへ
にほんブログ村

身体拘束の意味?

2011-08-30 21:24:40 | 訪問看護、緩和ケア
「身体拘束は、絶対しません。」という施設が多い中、身体拘束をしてほしいのにしてもらえないという事実があります。

そもそも、身体拘束は個人の尊厳を守るためにあるのだと思います。
職員の怠慢や意識の低さから不当な拘束をしない、させないというのは当然だと思います。

でも、拘束をしなければ、本人の身体に危害が加わり、穏やかな生活が脅かされるとすればどうなのでしょうか?

常に体を掻きむしり、皮膚を破り血が出ても掻きつづけ、胃瘻のチューブも引き抜いてしまうとしたらどうでしょう?

キルティングのグローブは、一日で指で穴をあけてしまいます。(今まで破ったグローブ何十枚・・)
キルティングのグローブ越しにつなぎの上から掻いていて、ふと気が付くと人差し指が一本グローブから出ていたりして、あわててグローブを変えたりします。
グローブは、手首で幅広のバンドで抜けないようになっていますが、それでも口で噛んで引き抜いたりもします。

手首はゆとりを持たせて、両サイドのベット柵に結んでありますから、全然動けないわけではなく、オムツに届かない程度の距離で止まります。

これは、長年献身的に介護してきたご家族が、試行錯誤の上にたどり着いた方法です。
家族は、愛情をもって献身的に介護をしてきました。
愛情ゆえの選択です。

そして、このぎりぎりの拘束ゆえに、ショート先がほとんどありません。

施設は「拘束をしてはいけないきまり」だからです。
なんだか、わかったようなわからない決まりですね。

本来なぜ拘束がだめなのか、なぜ今一部拘束が必要なのかを、施設内で検討委員会とか作って判断してくれてもいんじゃないかなぁ・・。