訃報:田英夫さん86歳=元社民党参院議員、元社民連代表
2009年11月17日 16時27分 更新:11月17日 20時5分
元社会民主連合(社民連)代表で、参院議員を6期34年務め、ハト派の論客で知られた田英夫さんが13日、東京都港区の病院で呼吸不全のため死去した。86歳。葬儀は17日、親族のみで済ませた。喪主は妻圭子(けいこ)さん。
1971年の参院選全国区に旧社会党から出馬しトップ当選。党改革を進め、横路孝弘衆院議長らと「新しい流れの会」を結成。77年に中道勢力結集を目指して離党し翌年に江田五月参院議長らと社民連を結成、代表に就任した。97年に社民党に復党。01年に落選したが、03年に繰り上げ当選。07年参院選には立候補せず引退した。
東京都出身。東京大経済学部卒業後、共同通信社に入社し、社会部長などを歴任した。東京放送(TBS)のニュースキャスターを務め、64年に共同通信を退社、TBSに入社しテレビ報道に専念した。
ベトナム戦争が激化した67年、米国による北爆を北ベトナム側から取材し米国が劣勢の状況を伝える番組を放送。著書などによると、番組をきっかけに政府・自民党からの圧力が強まり、68年にキャスターを降板した。
学徒出陣で海軍に入り、特攻隊員で終戦を迎えた経験から国会では外交・防衛問題に取り組んだ。01年5月の参院外交防衛委員会で自らを「戦争の語り部」と称し、特攻隊の体験を語った。【高山祐】