2800人参加し「対話と協調の世界を求め、市民政治の新時代に 憲法理念の実現をめざす第46回大会(護憲大会)」
20年間続いてきた新自由主義的な経済施策や、ブッシュ政権で極端化した単独行動主義とイラク・アフガンへの戦争政策など米国による世界の一極支配が大きく破たんし、オバマ新政権が国際協調による平和の確立を語り、「核兵器のない世界をめざす」と決意表明する、また、日本でも主権者の選択によって鳩山新政権が誕生するという世界規模での大転換期を迎えたなか、第46回護憲大会は、「対話と協調の世界を求め、市民政治の新時代に 憲法理念の実現をめざす第46回大会」を正式名称に、長野県長野市のホクト文化ホールをメイン会場として、 11月1日から3日までの日程で開催されました。長野県での開催は1965年の第2回大会以来44年ぶりでした。
初日の開会総会は、集会中にあいにくの雨天となりましたが開始時までは絶好の好天に恵まれました。会場のホクト文化大ホールおよび中ホールに2800人の参加者のもと行われました。「善光寺木遣り保存会」の木遣り唄のオープニングの後、開会。まず、江橋崇実行委員長が主催者あいさつ。つづいて中山喜重長野県実行委員長の地元あいさつ、 山本幸司連合副事務局長、 福島みずほ社会民主党党首(内閣府特命担当大臣)、 平岡秀夫民主党衆議院議員の連帯あいさつ、 腰原愛正長野県副知事、鷲澤正一長野市長の来賓あいさつ、また出席された照屋寛徳社民党衆議院議員、服部良一社民党衆議院議員、中山千弘連合長野事務局長、高島陽子民主党長野県総支部連合会・広報局長(長野県議会議員)、森田恒雄社民党長野県連合副代表(長野県議会議員)の紹介、 大会への連帯メッセージが衆議院議員38人と参議院議員25人の総計63人からよせられている ことが紹介されました。これらを受けて、藤本泰成事務局長の基調提案が行われました。
このうち、江橋実行委員長は、政権交代により「政治の中で憲法理念を実現していく可能性が開かれてきた」と指摘。福島党首は、改憲手続法が来年5月に施行されることに触れ、「社民党が連立政権の一員である限り憲法審査会は動かさない」とあいさつしました。
引き続いて「対話と協調の世界を求め、市民政治の新時代に」を主題としたシンポジウムでは、 パネリストに福島みずほ社会民主党党首(内閣府特命担当大臣)、平岡秀夫民主党衆議院議員がなり、江橋崇平和フォーラム代表(法政大学教授)をコーディネータ役として討論しました。
平岡さんは民主党が掲げる「政策決定の政府一元化」を説明し、市民団体などの運動は「政策決定の上で大変重要。新しい仕組みのなかでしっかり受け止めていく」と述べました。福島さんは、労働者派遣法の抜本改正や在日米軍基地再編の見直しなど、民主、社民、国民新の与党3党合意を実現していくには「現場の運動と国会の政治をどうつなげていくかだ」と指摘し、「現場の力を高め、国民の力で政策を転換させよう」と呼びかけました。
第2日の11月2日は、午前から「非核・平和・安全保障」、「教育と子どもの権利」、「歴史認識と戦後補償」、「人権確立」、「地球環境」、「地方主権・市民政治」、「憲法-議会制民主主義の再生をめざして」の7分科会、 「松代大本営地下壕見学と真田城下町の歴史散策ツアー」、「信州上田・人権と不戦の誓いツアー」の2フィールドワーク、午後には 「男性も女性も生きやすい新しい男女共同参画社会を~ジェンダー平等社会へ」、「信州から沖縄問題を考える」、「映画『花はどこへ行った』」 の3つの「ひろば」、 全国基地問題ネットワーク学習交流集会、 特別分科会「運動交流」 が行われました。
このうち「非核・平和・安全保障」には、照屋寛徳社民党衆議院議員も一般参加し、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について「新政権が移設を強行すれば、沖縄県民の激しい怒りは収まらない」と述べました。「辺野古移設反対」は、「憲法」分科会でも、政権交代したなかでの実現最重要課題として確認されました。「教育と子どもの権利」は、「子どもを戦争に行かせない、貧困から救う」という平和をまもるために保障されてきたことを認識し、子どもの権利の保障をすすめるため、これまでの成果を確認・共有していくこと重要性が確認されました。「地球環境」では、藤井石根明治大名誉教授は、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比25%削減するとの鳩山首相の方針に触れ「これまでは経済第一主義で環境対策に後ろ向きだったが、政権交代を受け、やや方向が変わりつつある」と評価。「戦争は最大の環境破壊」と指摘し、憲法9条に基づく平和国家として国際貢献する必要性を訴えました。