(1)景気を悪化させる消費税再増税の撤回・5%へ引き下げを
○15か月以上連続して実質賃金が減少し、4月からの消費税率引き上げによってGDPの6割を占める個人消費も想定を超えて落ち込み、GDPは2四半期連続でマイナスとなっています。社会保障は切り捨てが先行し、社会保障の充実の約束は守られていません。暮らしと雇用の立て直しが最優先です。国民生活と国民経済の回復を図るため、消費税率の10%引き上げは先送りではなく撤回し、5%に引き下げます。
○消費税率アップのための社会保障・税の一体改革ではなく、あるべき社会保障ビジョンとそれを支える雇用の姿を描いたうえで、国民合意に基づいて負担のあり方を見直す、本来の一体改革を実現します。
(2)GDPの6割は個人消費、家計に対する支援を最重点に
○大企業や富裕層を優遇し、低賃金労働者を作り出すなど経済格差をもたらす「アベノミクス」ではなく、「家計を温める経済対策」で賃上げと所得増によって消費と内需の拡大を図ります。
○「賃上げ目標」を設定し、月例賃金アップに政策を総動員します。年収200万円以下の働く貧困層をなくすよう、当面、最低賃金を時給1000円まで引き上げます。公契約法・公契約条例を制定します。
○「いのち」(介護、医療、子育て、福祉、教育)と「みどり」(農林水産業、環境や自然エネルギー)分野へ重点的に投資し、働きがいのある人間らしい仕事を創出します。
○円安による原材料価格やエネルギーコストの上昇の影響に対応し、物価高騰対策を求めます。トリガー条項発動でガソリン税を引き下げます。
○経済効果が不透明で、ギャンブル依存症を生み出すカジノ解禁には反対します。
(3)派遣法改悪など労働法制改悪を阻止し労働者保護ルールを強化
○“一生涯派遣社員”をつくりかねない労働者派遣法案の改悪を阻止します。労働者の権利性が弱い派遣労働の拡大を許しません。派遣労働は臨時的・一時的なものに留め、直接雇用の原則を徹底します。
○解雇しやすく低賃金に押さえ込む「限定正社員」(職務や勤務地、労働時間を特定)の導入、残業代を払わない労働時間の適用除外制度、解雇の金銭解決制度、解雇規制の緩和など、安倍政権が進めている労働者保護制度の改悪を阻止します。ディーセント・ワーク(尊厳のある人間らしい働き方)の実現に向け、労働者保護ルール、雇用のセーフティネットを強化します。
○雇用契約の原則を「期間の定めのない直接雇用」とし、非正規・有期雇用から正社員への転換を促進します。非正規労働者に同一価値労働・同一賃金など均等待遇を保障します。
○長時間労働、不払い残業、過労死をなくし、ワークライフバランスを推進します。
○民主的で透明な公務員制度への改革を進め、公共サービスの質を充実します。国や自治体の官製ワーキングプアをなくします。
(4)安心の社会保障の充実を
〔年金〕
○だれもが安心して老後を迎えられるよう、最低保障機能を備えた年金制度を創設します。廃止された老年者控除や縮小された公的年金等控除を復活します。
〇基礎年金には年金を目減りさせるマクロスライドをかけないように法律の改正を求めます。
〇重い保険料負担を軽減できるよう、非正規労働者に対する社会保険制度の適用を拡大します。
○公的年金の積立金は、被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持します。
〔医療〕
○地域の医療を守ります。総合医の養成に取り組みます。公立病院の統廃合や民営化、社会保険病院、厚生年金病院等の廃止に歯止めをかけます。
〇国民皆保険制度の中心を支える市町村の国民健康保険制度に公費を投入し立て直しを図ります。
〇後期高齢者医療制度を根本的に見直します。70歳~74歳の医療窓口負担1割を継続します。
〔介護〕
○特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設を増設し、安心の老後を実現します。
〇介護と医療の連携強化、小規模多機能施設やグループホームへの支援を強化し、在宅生活を支えます。要支援者が必要とするサービスを確実に提供できる体制をつくります。認知症の人や家族を支援する体制をつくります。
〇介護現場の人手不足は深刻です。介護職員の賃金の引き上げ、待遇改善に取り組みます。人材の確保・養成に力を入れます。
〔貧困の防止〕
○生存権を保障する生活保護制度の縮小を許しません。行政の対応を点検、改善するとともに、ケースワーカーの育成、増員、資質の向上に取り組みます。
○「健康で文化的な最低限度の生活」の底上げ、社会的セーフティネットの構築、ひとり親家庭への支援を強化し、貧困の連鎖を防止します。
〔共生社会〕
○障害者権利条約の趣旨をあらゆる場面で実現します。「障害者差別解消法」の実効性を高め、障がい者の地域生活を広げ、共生社会を実現します。
○「手話言語法」、「情報・コミュニケーション法」を制定します。
○LGBT(性的マイノリティ)への偏見解消や差別禁止に取り組みます。多様な形態の家族に対して民法上の権利を保障する新制度の創設を目指すとともに、同性婚についても実現を目指します。
○水俣病やアスベスト(石綿)被害、カネミ油症、「PM2.5」など、公害問題の全面解決と全被害者の補償・救済に取り組みます。