あれから70年、広島平和式典で松井市長は、いまだに遠い核兵器廃絶に対し「そのための行動を始めるのは今だ」と呼びかけましたが、安倍首相は「核兵器のない世界を実現する重要な使命がある」と述べたものの、歴代首相が触れてきた「非核三原則」の言葉はなく空々しさを感じる暑い朝です。
その後、被爆者7団体との「要望を聞く会」で、被爆者らから審議中の安全保障関連法案について「長年の被爆者の願いに反する最たるもの」と、法案の撤回要求がありました。しかし、安倍首相は「平和国家の歩みはこれからも変わらず、不戦の誓いを守り抜く」と述べた上で、安保関連法案について「戦争を未然に防ぐために必要不可欠だ」と理解を求めていましたが、何だか言葉遊びのように感じてしまいました。
写真は広島市HPからお借りした平和式典です。
4日付け朝日新聞オピニオン「戦後70年 日本の誇るべき力」で、戦後日本を研究する米国の歴史家ジョン・ダワーさんが「世界中が知っている日本の本当のソフトパワーは、現憲法下で反軍事的な政策を守り続けてきたことです」と・・・。「1946年に日本国憲法の草案を作ったのは米国です。しかし、現在まで憲法が変えられなかったのは、日本人が反軍事の理念を尊重してきたからであり、決して米国の意向ではなかった。これは称賛に値するソフトパワーです。変えたいというのなら変えられたのだから、米国に押しつけられたと考えるのは間違っている。憲法は、日本をどんな国とも違う国にしました」と述べていました。
そして今夜のNHKスペシャル「きのこ雲の下で何が起きていたのか」を視聴しました。70年前の広島を壊滅させた人類史上初めて使用された核兵器、原爆投下の巨大なきのこ雲の下の惨状を記録した写真が世界でたった2枚だけ残って、その古い写真をNHKは最新の映像技術と最新の科学的知見で、きのこ雲の下の“地獄”に迫る映像記録番組です。残された2枚の写真が70年の時を経て語りはじめる真実に、世界で唯一の被爆国であることを風化させてはならず、核兵器廃絶をより強く願うあれから70年目の8月6日です。