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むさしの墨友会

現代書道の父、比田井天来先生の門流である桑原翆邦先生の門人の吉野大巨先生を師として、書を愛好する仲間の会です。

禅語(桃太郎)

2010-11-03 | 書道



東鶴師範にお教えいただいた「名僧のことば 禅語 1000」早速調達して参りました。


先ずは、禅語の中から気に入ったものをいくつか覚えたいと思いまして・・・


何かを語るときに少しでも引用できたりしたら格好いい!


動機は不純です。


でも・・・読み。   漢字を見ただけでは・・・う~んです。


そして、その読み方を見てなるほど。   解説を読んで・・・う~んです。


でも、毎晩少しずつ勉強したいと思います。


ついでにこんな本にも手を出してしまいました。





いつも先生にお手本を書いていただくのですが、お手本に書かれている


字やその言葉をあまり理解せずに、ただお手本を真似て書くことに


専念していました。


でも・・・なんか今一つわかって書いていないなあとも。


で、草書を書く際の参考になればと思い調達してきました。



それから、9月の雙暢展に出品した「啐啄同時」 ”そったくどうじ”という言葉との


出会いについて少し書かせていただきます。


この言葉との出会いは次のとおりでした。


確か8月の半ば頃のお稽古の日だったと思います。吉野大巨先生が突然


「桃太郎さん雙暢展に出品する作品書いてきました?」との問い???


ドキツ! 何を言われているのか???


あれ?お手本入れてなかったっけ?


「あ~ じゃ今すぐ書きますから次回までに頑張って書いてきてください」とのこと


それから何やら分厚い辞典のようなものを開いて、桃太郎さんに合うもの、合うものと


よしこれにしよう。


そして書き始めていただいたお手本が「啐啄同時」だったのです。


これどういう意味なんですか?


との私の問いに、その日教室でご一緒だった墨友会のR.Kさんが卵の事よねと


あっさりとお答えになられて。   う~・・・・・


大巨先生曰く、「桃太郎さんも会社などで部下の方たちと阿吽の呼吸っていうか


そういうのがすごく大事でしょ。そんな意味ですよ」と


お教えくださいました。


以上が この言葉との出会いでありまして、いい言葉をお教え頂いたと感謝しております。


海を渡った書 (淵黙雷聲)

2010-11-03 | 書道





東鶴さんと同様ですが、とある福祉施設に私の書も飾らさせていただいています。

実に恥ずかしながら・・・です。


今日のタイトルは「海を渡った書」にさせていただきました。


書かれているのは「淵黙雷聲」(えんもくらいせい)です。

単純に言えば、“静かな川の淵があるが、遠くに雷の音が聞こえる”です。


永平寺の傘松閣(さんしょうかく)の正面の床の間掛けられていた解説がありましたので紹介します。


“悟りとはどういうものか?と質問してきた者に対して、深く黙した(淵黙)。

しかし、その淵黙が雷のような大きな声を発したように聞こえた・・・”との内容です。






ここで本題です。

福祉の先進国フィンランドのタンペレ市の方々が、武蔵野市の福祉施設を視察することにも驚きを感じますが、その施設の床の間に掛けられれいた書に関心を持たれたことにも、不思議さを感じます。

このアートはなんですか?と質問され、通訳より書け軸の説明をしたそうです。

更に、この意味は?と言う質問から、同行した担当者から私に問い合わせが入りました。

書は、心・インサイド(内面)を表現するものですから、情景だけでは説明しずらいところもあります。
通訳さんもかなり苦労して説明したと伺いました。

フィンランドの方は本来の視察もさることながら、日本のカルチャーの一つでもある書にかなり興味をもたれたようです。

 最初の問い合わせの時に、軽い気持ちで“よろしければ差し上げますよ”と担当者に伝えましたが、2度目の問い合わせでは、本当にあげても良いのかとの確認が入りました。

“どうぞ”と言うことで、私の書がフィンランドへの贈り物となりました。

その方は“アンビリーバブル”(信じられない)と大喜びしたそうです。




このような縁があって、私の作品(書)が海を渡ることになりました。

習い始めたばかりの拙い書が、遠い国「フィンランド」で飾っていただけることで、励みにもなり、私の書道の一頁 になることでしょう。








この書軸は昨年の墨華展で、何かの賞をいただきました。

「淵黙雷聲」のごとく、深く黙しても(淵黙)、その淵黙が雷のような大きな声を発したように聞こえる・・・。

そんな人になるのは到底(絶対)無理なことですが、4文字の奥深さを感じます。


言葉の意味と生活の実態は合いませんが、書道の魅力に深くはまり込みそうです。



萬鶴