むさしの墨友会

現代書道の父、比田井天来先生の門流である桑原翆邦先生の門人の吉野大巨先生を師として、書を愛好する仲間の会です。

短評

2013-03-29 | 書道

武蔵野界隈でも桜は満開となりました。

こうして見ると、武蔵野は桜の街と言っても良いかと思います。

 

 

井の頭公園(三鷹市)は代表的な場所で、多くの花見ファンが訪れます。

他にも穴場は沢山あります。

むらさき橋付近・境南町(観音院)付近も見事ですよ。

 

さて、今日は短評を題にしました。

 

 

四月号に条幅部で短評の紹介がありました。

地位 ◎「萬鶴さん、墨量の変化が加われば更によくなる」

その後、土曜日にお稽古に行きましたら、先生より開口一番“この軸装を見て下さい”と・・・

それからお稽古が始まりました。

おそらく、短評のことを覚えていて、私に墨量の変化を伝えたかたのでしょう。

 

 

うむぅ~。

競書ではいつも条幅参考や先生のお手本を見ながらの臨書です。

一字一字にらめっこしながら・・・

臨書と言うより模写に近い状態です。

一字書いてはお手本を見て、また墨を付けて・・・

この繰り返しで書き上げているのです。

それが、短評でご指摘を受けた内容です。

臨書を一気に書き上げる。

難しいなぁ~。

どんどん深くなってきます。

どうすりゃ良いのぅ~です。

書をはじめて5年になりますが、これからですね。

 

萬 鶴


共通点

2013-03-24 | 書道

ご無沙汰しております。

また、アップにだいぶ時間が空いてしましました。

そう言えば、「ご無沙汰」の語源です。

沙汰 。。。 元来は 物を選り分ける事。淘汰を言う。

中世には定、命令処理などを表す語として広く用いられたとのこと。

また、「沙汰」には色々な意味があり、「たより、しらせ」の意味。

「無沙汰」は「たよりが無い」つまり、「長らく会っていない」という意味になっているようです。

今日は共通点と言うタイトルでご紹介します。

 

 

私が習っているダンスの先生です。

何を言いたいのかですが、フロアーを書道の紙に例えると、踊り(書)をどのように表現するかです。

字もそうだと思うのですが、左右のバランスや空間も大事にするのでしょう。

 

 

センターから振り分ける強さ・・・。

お互いに意識しながら、力の配分を考えています。

男性のリードで、女性が踊るのです。(踊らせるのです)

このリードはつないでいる手だけでなく、体全体、反対側の張りや指先に力を入れています。

書も同じことが言えるのでしょう。

 

 

↑ のような字があるかも知れませんね。

中心から放射状に伸びている感じです。

 

 

次に、中央に集まる感じです。

気持ちももちろんですが、足や指の先まで集中しています。

書もこのような気持ち(想い)で書かなくてはならないのでしょう。

吉野先生からもダンスの先生からも同じことを言われます。

先ずは毎日お稽古することですよ!と・・・

私に一番欠けているのは毎日お稽古することでした。

 

 

先日の発表会で、踊った方の集合写真です。

女性のドレスの色がカラフルでしょ。

ある意味では自分が目立つようにしています。

ほとんどの方が色違いになっています。

偶然?必然?どちらも正解です。

書道展の軸装も、どのような位置で掛けるかは表紙の色具合もあるのでしょう。

似通った色が近いと書も目立たないのでしょう。

今日は趣味にしている、ダンスと書の表現についてご紹介いたしました。

これからお稽古します。(書とダンス)

 

萬 鶴


扇 (鶴舞)

2013-03-17 | 書道

先日、内田藍亭先生との拓本の会話の後で、扇の話がありました。

東京文物ウエブログの扇子を検索すると、「扇」のことが紹介されていますよ。とのことです。

早速、ネット上で行ってみました。

内田藍亭先生の作品がたくさん有りましたよ。

これは扇子を販売しているところです。

ちなみに、その一つをご紹介いたします。

 

 

鶴舞(かくぶ)

鶴が舞う。おめでたい。行書 使用した扇子は、中国製で紙は厚くバリバリの状態であった。骨をかなり強く押さえて平らにして書いてみたが、書譜の節筆のごとく楽しませていただいた。

と説明が書かれていました。

我が「むさしの墨友会」にはピッタリのおめでたい扇子かも知れませんね。

特に、ダンスも趣味にしている私にとってもピッタリです。

 

 

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こんな作品もご紹介されていました。

 

 東京文物ウエブログの「扇子」

↑ をクリックしてください。リンクしています。

 

ここでは、扇子を販売しています。

ここでは若手から壮年期の書作家が直書きする真筆扇子を紹介販売します。
対象作家は東京文物が推薦する、昭和35年〜平成2年までに生まれた流儀や会派に拘りない方々です。と書かれていました。

 

ところで、私も秘蔵の扇をご紹介します。

 

 

なんとなく書かれている字はわかりますが、意味までは分かりません。

これは吉野大巨先生からいただいたものです。

いただいたときに説明があったかと思いますが忘れました。

 

猫に小判とも言うべきなのでしょう。

 

 

今日は扇についてご紹介いたしました。

桜も3月16日に開花となりました。

「サクラサク・・・」の便りがほしいこの頃です。

 

萬 鶴

 

 


日本の繊細さ(拓本続き)

2013-03-10 | 書道

3月10日(土)花粉がたくさん飛んでいます。

辛い!目がかゆい!

土用の朝のお教室はいつもの順番です。

彩翆さんが終わり、東鶴さんが指導を受けています。

先生は立ちあがり、別室の倉庫へ・・・

大きめの茶封筒を出してきました。

その中の一枚を広げました。

字体の大きな拓本です。

 

 

彩翆さんも東鶴さんも私も“おぅ~”と言って声をあげました。

ここから先生のご説明が始まりました。

「これは中国で採った拓本です・・・」

 

 

「きっと、タンポなどでは無く、ロ―ラ―などで採ったものでしょう」

「字が不鮮明で、中白も墨が入っています」

そして、もう一枚を開きました。

 

 

いろいろとご説明がありました・・・。

長野のなんとか寺?比田井天来先生の・・・?山の上・・・?

よく把握していませんでした。

そこの石碑の拓本です。

鮮明に浮き出ているように見えます。

 

 

実に丁寧な仕事をしています。

鑑定団ではありませんが、「いい仕事していますねぇ~」です。

 

 

裏面を触らさせていただきました。

凹凸がありシッカリと採っているのが分かります。

「へぇ~」です。

一同ため息!

 

 

先生は更に、もう一枚を開きました。

唸ります。

なるほど・・・。

 

 

石に彫る方も凄いと思いますが、簡単そうに見える拓本採りも大したものです。

丁寧に時間をかけてシッカリと採って行く。

これが日本人が成せる繊細さなのでしょう。

 

 

見て下さいよぅ~

雅印も鮮明です。

準備は大変な仕事だとも言っていました。

石碑をきれいに汚れを取り、薄いノリ状のものを塗って、画箋を張り・・・

丁寧に細かく採っていく。

湿拓です。

凄い!

短い時間に、いろいろとご説明いただきました。

歴の浅い私にとっては、意味不明の部分もありご説明できないのも残念です。

 

 

家に帰ると、内田藍亭先生からの便がありました。

開けてみると、藍亭先生が採られた拓本です。

先日ご紹介したのでいただけるとか・・・。

ありがたく頂戴いたします。

 

 

いただいた拓本を見ると、お名前や雅印を押すところは枠抜きのようになっています。

採る前から、全体のバランスや雅印を押す部分を決めているのでしょうね。

もちろん、裏面を触っても凹凸を感じます。

この続き(拓本)は、現場での採取状況ですかね?

 

( 萬 鶴)


「拓本」実践例 (内田藍亭先生より)

2013-03-05 | 書道

 

 

先日、拓本についてご紹介しましたが、内田藍亭先生よりメールがありまして実践例をお話くださいました。

私だけではもったいないので、みなまさにご紹介いたします。

メール文より・・・

小生の実践例として昨年は、調布市の布多天神社にて20基の拓本を採らさせていただきました。

 

布多天神社

 

これは湿拓ですが、私と助手を付けて3カ月くらいの期間が必要でした。

準備や仕事もあり、実質7日間くらいでしょうかね。

高さが3mもある石碑もありますし、夏場ですとやぶ蚊に刺されながらの現場です。

炎天下の中、痩せる思い?(思いだけで、終了後の水分補給は十分に!)でした。

もちろん、準備していても雨の日はダメですよね。

石碑をよく洗ってから画箋を貼り、その上からタンポと言うてるてる坊主のようなものに墨をつけ、叩いていきます。

結構大変な作業になります。

今度また依頼がありましたら、むさしの墨友会のみなさんをご案内いたします。

拓本採りの面白さと大変さ?もご紹介します。

もちろん、その後の水分補給も・・・。

↑ の写真はかなり昔のものですが、高橋蒼石先生の助手で地方にて拓本取りした時の写真です。

石碑に画箋を貼り、その上からタンポに摩った墨をつけ、叩いていきます。

ご参考までです。 

 

(藍亭先生より)