ブログ読者の方から週刊ダイヤモンドの記事を紹介していただきました。有難うございます。
(以下、週刊ダイヤモンドの記事から抜粋)
“旧中間階級”は年収127万円減、貧困大国ニッポン
“旧中間階級”は年収127万円減、貧困大国ニッポンの全「階級格差」データを初公開!(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース
<「新・階級社会 上級国民と中流貧民」>
日本社会は、格差社会よりもシビアな「階級社会」へと変貌を遂げていた。一握りの上級国民を除き、誰も上昇することができない理不尽な世界だ。その残酷な実態を明らかにする。
<あなたはどの階級? 1億総転落の「格差世襲」地獄>
もはや、日本は経済大国ではなく、貧困大国になってしまったのかもしれない。
今も日本の国内総生産(GDP)は世界3位の座にあり、辛うじて国力としての豊かさを保ってはいる。それでも、働き手個人の豊かさがないがしろにされているという意味において、日本は貧困放置国家へ落ちぶれてしまったも同然である。
そもそも、日本で格差拡大が始まったのは、1980年ごろのことだ。それから40年。産業別、企業別、男女別のどれをとっても、賃金格差はいまだに解消されるどころか、拡大を続けている。
日本の格差問題を固定化し、かつ深刻化させたのは、80年代から急速に労働現場に浸透した非正規労働者の存在である。正社員が担っていた仕事の一部を、低賃金の非正規労働者に置き換えていったのだから、格差が拡大していくのは当然のことだ。
今の日本社会を、「格差社会」などという言葉で表現するのは実態を表していない。格差社会よりもはるかにシビアな「階級社会」へ変貌を遂げていたのだ。
それは、出自や教育環境、就職時期の経済環境などによって階級が決まる「現代版カースト」ともいえる理不尽な世界だ。
厄介なことに、階級格差は親から子へ、子から孫へと世代を超えて連鎖し受け継がれていく。世襲されることで、格差は加速度的に広がっていくのだ。
<全5階級で年収激減の衝撃>
そして、新型コロナウイルスの感染拡大は、階級格差をさらに広げる「副作用」を引き起こした。結果、日本人の脳裏にかすかに残っていた1億総中流という意識を完全に打ち砕いてしまった。
階級格差の苛烈さは、あるデータを見れば一目瞭然だ。
橋本健二・早稲田大学人間科学学術院教授は、データを駆使して日本社会の階級構造を定点観測してきた格差問題のスペシャリストである。
橋本教授は、日本社会を形成する階級を、職種や雇用形態などにより五つに分類してきた。
➀血統や資産を持つ「資本家階級」、
➁大企業エリートやホワイトカラーなどの「新中間階級」、
➂自営業者や家族経営従事者などの「旧中間階級」、
➃単純作業やサービス業・販売業などの「正規労働者」、
➄非正規労働者の「アンダークラス」
の5階級がそれだ。
今回のコロナ危機が、それぞれの階級に属する人々にどのような生活・働き方の変化をもたらしたのか。
コロナによる「打撃度」には、階級によって大きなばらつきがあった。
自営業の「旧中間階級」年収127万減! 旧中間階級は中流から滑り落ちた
端的にいえることは、コロナ禍は人々に平等に襲い掛かったわけではないということだ。
二つの階級──、旧中間階級とアンダークラスに集中砲火を浴びせた。
とりわけ打撃が大きかったのは旧中間階級だ。世帯の平均年収が19年には805万円あったのに、20年には678万円。わずか1年で年収が127万円も激減した。
完全に「中流」から滑り落ちてしまったのだ。
アンダークラスの惨状も厳しいものがある。もともと低賃金労働が多い階級ではあるのだが、20年の世帯の平均年収は393万円と400万円の大台を切ってしまった。
橋本教授は「緊急事態宣言などコロナ対策では、さほど説得力のあるエビデンスもないのに、飲食店、とりわけ酒類を提供する飲食店が狙い撃ちされた。その上、十分な補償も行われなかったため、旧中間階級が経営難に陥った」と解説する。
また、旧中間階級には、装飾品や衣服、家具など不要不急のものを扱う自営業者も多く、やはり経営難に陥っているケースが多い。
そして、これらの飲食店や小売店には、非正規労働者が多く働いている。だからこそ、この二つの階級が打撃を受けたのだ。
一方で、コロナ禍が新中間階級と資本家階級へ与えた負のインパクトは世帯の平均年収が下がったとはいえ、比較的軽微だった。
そのため、資本家階級・新中間階級と、旧中間階級・アンダークラスとの「階級格差」はますます広がっていくことになる。(了)
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