住みたい習志野

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八五郎の時空旅行:古代の「浮島」って鷺沼?

2020-08-24 02:06:45 | 歴史

古代の「浮島」って鷺沼?

※今回の投稿は「習志野歴史散歩」の投稿とテーマが重なりますので、下記の投稿も合わせてご参照ください。

習志野歴史散歩:平安時代の「更科(さらしな)日記」に習志野市が出てくる - 住みたい習志野

古代の交通網=駅伝制。16キロごとに「駅」があった

 大宝律令(701年)の成立により、都城を中心に、全国に放射線状に幹線道路七道(東海、東山、北陸、山陰、山陽、南海、西海)が整備され(道幅12メートルで、側溝も設置)、国の管理下に置かれた。

駅伝制又は伝馬制

 この国道の交通網は、駅伝(えきでん)制又は伝馬(てんま)制といわれた。※

※駅伝制(古い字では「驛傳制」)は伝馬制(古い字では「傳馬制」)とも呼ばれ、駅馬えきば又は伝馬(てんま)呼ばれる馬を各中継所(駅)に常駐させ、駅と駅の間を馬でつないだ交通制度。
 明治に鉄道が日本に入ってきた時、station(ステーション)を何と訳せばいいか迷った結果、みんなになじみのある、この「驛(駅)」という訳語を当てた、と言われています。

 箱根駅伝も鉄道の駅も、大昔の交通制度「駅伝制」がルーツだったんですね。 そう言えば「駅」という漢字のつくりは「馬へん」です。

駅と駅の間は16キロメートル(当時の三十里)だった

 そして、この各駅舎はほぼ直線で結ばれ、各駅間は三十里(当時の一里は約533.5メートル。従って、今の距離になおせば16キロメートル)で、郡衙(ぐんが:郡の行政範囲)ごとに、原則として駅馬が5頭置かれた。

 上総国府(かずさこくふ:市原市)と、下総国府(しもうさこくふ:市川市国府台付近)の間には、「河曲(かわくま:千葉市寒川)」と「浮島」の二駅が置かれた。
(下図は「習志野市史」第1巻から転載)

「浮島」の駅とは、鷺沼のことだった

<理由その1> 2つの「駅」の中間地点としての「鷺沼」

 この浮島(駅)の位置は、これまでは「幕張」との説があったが、「河曲(かわくま)」から下総国府までの中間地点(16キロ)に位置する。幕張であれば16キロに満たず、船橋と考えると、これ以上となる。駅を置くに不都合な条件がない限り、直線16キロの鷺沼が最も適している

<理由その2> 堀田川と三代川(のちの菊田川)にはさまれた「鷺沼」の台地は、遠くから見ると「海上に浮かんだ島=浮島」に見える

 地形上から見ると、「鷺沼」は海に延びた、海抜18メートル(21メートル説などもある)の高さのある舌状の台地で東(千葉側)にある堀田川(ほったがわ)と、西(市川側)にある三代川(江戸時代に「菊田川」と呼ぶようになった)に隔てられ、この上流は東の三山方面に曲がって、台地を北側から囲むように流れている。さらに堀田川は短い流域であるが、台地の東側に沼(鷺沼)があり、千葉市(南東)、市川市(北西)から見ると、南の海上に浮かんだ島(浮島)のように見立てられる。この堀田川も菊田川(旧三代川)も、元は枝状の入江に注ぐ川であったことは、地形図で判断できる。

<理由その3> 先住民が定住し、集落をつくっていた

 この鷺沼の台地では古墳時代の古墳二基(多分これ以上あったのではないか)が発掘、調査され、現在、玄室(げんしつ:埋葬場所)が公開されている。

 つまり、採集、狩猟のしやすい居住環境の好条件が備わった台地である。

 そこで縄文人の生活が営まれていたことは間違いなく、この人たちは何か特別な事由が生じない限り、この地を去ることはなく、子孫に命を継ぎ、鷺沼の集落をつくっていったと考えることが自然ではないだろうか。
(下図は「習志野市史」第1巻から転載)

 

 以上のことから、「浮島、というのは今の鷺沼のこと」というふうに私は考えている。
 このことについて、市のホームページにも、以下のような記述がありました。ご一読をお勧めします。

「鷺沼・津田沼付近に東海道の駅があった!?  1&2
https://www.city.narashino.lg.jp/citysales/shizen/walk/sansaku/h15/sansaku061.html

https://www.city.narashino.lg.jp/citysales/shizen/walk/sansaku/h15/sansaku062.html
(八五郎)

 

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