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Narashino Geography 35   世界の諸地域・アフリカ

2021-06-20 00:24:24 | 地理学

世界の諸地域・アフリカ

54の国で成り立つアフリカ
赤道をはさんで南北に広がり、54の独立国で構成されているのがアフリカ大陸です。


熱帯から温帯までの多様な気候がみられます。大陸の平均高度は約600㍍で高原状に広がっています。平坦な地形は高原や砂漠として広がっていても、低い平地は広くありません。大陸のほとんどは安定陸地で長く地殻変動を受けていない地域ですが、大陸北東部の大地溝帯と呼ばれる地域はプレートの裂け目で火山活動が活発です。

人類誕生の地、アフリカ

アフリカは人類誕生の地で、現在は700万年前のサヘラントロプス・チャデンシスが最古の人類といわれます。たぶん皆さんが教わったのはピテカントロプス・エレクトスでは、と思います。この最古の人類はもともとは熱帯雨林で暮らしていましたが、サハラの南側のサヘル地帯で暮らすようになり、直立して脳と手が発達していきました。森林から草原への進出が人類誕生の契機となったと考えられます。

(700万年前の人類、サヘラントロプス・チャデンシス)

サヘル(砂漠)地帯の「チャド(赤で示した国)」で発見されたので「サヘラントロプス・チャデンシス」と名付けられました





ネグロイド、コーカソイド、モンゴロイド

人類がアフリカから世界へと移動したのは、約70000年前。アラビア半島からイラン高原を経て西はヨーロッパへ、東はインドを経てアジアとオセアニア、さらに南北アメリカへと拡散していきました。DNAを分析するとアフリカに定着したネグロイド、ヨーロッパのコーカソイド、中央アジアから北アジアのモンゴロイドの3系統に大きく分類できます。

(左から、コーカソイド、モンゴロイド、ネグロイド)

ネグロイドの人たちはアフリカに定着してサハラ北部の北アフリカ、サハラより南のサヘル(サバナ気候)地域、さらに南の南アフリカと分けることができます。民族的にもほぼ3区分で特徴が分かれます。北アフリカの地中海沿岸からアラビアの言語は「セム・ハム語族」と分類されていましたが、現在は「アフロ・アジア語族」と呼ばれています。


植民地化の後遺症、独裁政権や内戦。そして干ばつ

18世紀には、エチオピアとリべリアを除いて、ヨーロッパ列強(フランス、イタリア、イギリス、ドイツ、ベルギー、スペイン、ポルトガル)に悉(ことごと)く植民地とされたアフリカも第二次世界大戦後、次々と独立を果たしました。

しかし、独立後も白人による支配が続いたり、植民地時代の偏(かたよ)った国づくりが影響し、独裁政権や内戦に苦しみ、経済的自立困難に直面した国も多くありました。


また1980年代には旱魃(かんばつ)による大規模な飢饉により、多くの飢餓難民が発生しました。当時、飢餓の原因は、人口増加によって旱魃の被害が大きくなったと説明されましたが、実際は、現在でも農業開発を行う人口が不足しているのが現状です。

コーヒー一杯330円、でもそのうち現地農民に届くのは3〜9円

また、白人経営の企業的農園によるコーヒー栽培が行われていたころには、コーヒー栽培で多くの利益がありました。それが、コーヒー農園の経営が白人から現地の人たちに代わると、シカゴの国際コーヒー市場でコーヒー豆の価格が下がり、多くの農民がコーヒー栽培では生活できなくなりました。おなじみのスターバックスのコーヒー1杯(約330円)で、現地農民に届くのは3〜9円ほどといいます。それでもスターバックスはよいほうで、もっと買い叩く大企業も多いようです。

しかし、アフリカ大陸の国々は21世紀には大きく飛躍し、21世紀半ばには日本を抜く経済規模の国も現れます。

中国のアフリカへの経済進出も目立っています。

アフリカ第一の大国、ナイジェリア

人口も多く、資源も豊富なナイジェリアなどが注目されますが、今はナイジェリアはアフリカの国別経済成長率26位、と低迷しています。アメリカのシェールガスの影響による輸出減、原油価格低迷なども大きな要因です。

アフリカの経済成長率ランキング - 世界経済のネタ帳

ナイジェリアは、北のハウサ・フルベ、東のイボ、南のヨルバなど人種も異なり、北部のイスラーム、南部のキリスト教など宗教も異なる多様な文化で成り立つ国。150万人ものイボ人が戦死・餓死した、と言われるビアフラ内戦も経験し、クーデタが繰り返された末、1999年に民政へ移行しました。汚職が問題になり、今もボコ・ハラムなど地域武装組織や宗教対立が不安定要因になってはいますが、アフリカ第一の大国であることには違いありません。2050年には人口が4億人を突破し、インド・中国に次ぐ人口大国になると言われています。

人類誕生の地から人類文明の希望の地へ、大きな可能性を持つアフリカ

アフリカというと貧しく、難民の多い地域というイメージがありますが、経済基盤が整い、教育が行き渡ると大きな可能性を持っている地域でもあるのです。アフリカが高成長を迎えるのはこれからですが、それが格差の拡大につながらないよう、新しい発想の社会づくりが模索されています。

今までは欧米や日本によって資源などを奪われる立場であったアフリカも、資本主義そのものの行き詰まりで、自立した社会作りをどうするか新しいセオリーを求めています。単純な経済発展ではなく、人々の幸福をどのように生み出すか、社会・経済の発展の新たなモデルを示しつつあると見ることができそうです。人類誕生の地であるアフリカが、人類文明の希望を示すことを期待しています。(近)

 

 

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