絵本創作・洪さん 死去から1年 習志野在住友人の朴さん日本語版出版願う「民話で朝鮮知って」 :東京新聞 TOKYO Web
絵本創作・洪さん 死去から1年
「民話で朝鮮知って」
習志野在住友人の朴さん 日本語版 出版願う
朝鮮半島の自然や風習を基に民話を創作するなどし、北朝鮮の芸術家で最高の栄誉とされる「人民芸術家」を授与された洪永佑(ホンヨンウ)さん=当時(81)=が、昨年10月に死去して1年。友人だった習志野市谷津の朴正植(パクジョンシク)さん(81)は「人間的にも素晴らしい人だった。惜しい人を失った」と悼みながら、洪さんが出版した民話の絵本が日本語に翻訳され、日本でも朝鮮半島への理解が進むよう願っている。
洪さんは愛知県生まれの在日二世。中学校を卒業後に仕事に就き、北朝鮮を知るため24歳から朝鮮語を独学で学んだ。絵も勉強して民話などを創作。朝鮮新報の雑誌編集長なども務めた。2007年からは9年がかりで絵本の民話集20冊を発行し、その民話集は韓国で出版された。昨年10月、東京都練馬区の自宅で急死した.
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の青年同盟本部で1966年から4年間、洪さんと同じ在日二世の朴さんはともに働き、その後も親交を探めてきた。朴さんは「実直で努力家だった」と回想。新型コロナウイルスの影響で葬儀に来日できなかった韓国の哲学者で元大学教授の尹九炳(ユンクビョン)さんは、朝鮮王朝後期を代表する画家である金弘道(キムホンド)を引き合いに「洪先生は、金弘道以来、わが国の自然と情緒を描く唯一の方だった」と追悼の辞を寄せた。
24冊の民話集には一話ずつが収められた。優しい娘のおかげで人間に戻ることができた「ハツカネズミの婿」など、日本民話と同様に柔らかな筆致で猫かれている。朴さんは「絵本を通じて、日本でも洪さんと朝鮮を知る人が増えてくれれば」と折っている (保母哲)
(11月16日東京新聞より)
在りし日の洪さん
「洪永佑・高三権2人展」(ソウル、済州市で)
http://korea-np.co.jp/j-2005/06/0506j0910-00002.htm
洪永佑さんの絵本
「생쥐 신랑」ハツカネズミの婿( 婿どのははつかねずみ)
「불씨 지킨 새색시」 嫁が守らなければいけない火種が何故消えたのか?
「호랑이 뱃속 잔치」虎の腹の中でお祭り
(原画展ポスター)
洪さんの生涯
愛知県生まれの在日朝鮮人。
身体は弱く、家は貧しく、中学もまともに出ていない。
ことば(朝鮮語)も絵もすべて独学。
出版された絵本が創作なのか、文献があったのかどうか不明。
北では人民芸術家の称号授与。
南では小学校の国定教科書に載っている。
韓国の一般書店では、絵本20巻が並んでいる。
▼韓国で出版されている「全ての同胞の子どもたちが共に見る昔話」(出版社ポリー麦ー)に載っている紹介文
洪永佑―ホン・ヨンウー(1939~2019)
1939年、愛知県生まれ。
身体が弱く、学校へはまともに通えず、絵を描くことだけを友として子供時代を過ごす。
24歳の時、自国の言葉を初めて学び、その後、同胞社会に尽くそうと本を作ること、絵を描くことに、懸命に携わってきた。
同胞の伝統図鑑<伝承遊び>、<仮面舞い>には絵を描き、在日同胞の子どもたちのために文も書き、絵も描いた「洪吉童(ホン・ギルドン)」と「私たちのことば図鑑」がある。
1995年5月。北朝鮮においては芸術家として最高の栄誉である‘人民芸術家’の称号を受ける。
1993年 東京、大阪/南北海外美術家のコリア統一美術展
2005年 ソウル仁寺洞アートセンター/
南北60周年6・15共同宣言五周年記念洪永佑、コ・サムグォン二人展
2010年 ソウル仁寺洞アートセンター/洪永佑絵本原画展
2011年 韓国・坡州市アジア出版文化情報センター/洪永佑絵本展
2016年 韓国・坡州市ポリ出版社/
「全ての同胞の子どもたちが共に見る絵本」完刊記念原画展
▼洪永佑さんの一周忌ー2020年10月18日―に寄せられた尹九炳(ユン・クビョン)さんの弔文から。
洪さんは2019年10月18日急逝。享年80歳。
尹九炳(ユン・クビョン)さんは農民哲学者?で、出版社ポリ(麦)顧問。
私と洪さんとの出合いは偶然、済州島での展示案内チラシです。そこには広い画面いっぱいに「牛広場の牛たち」が描かれており、それを見たとたん、私の胸に感動の波が押し寄せてきました。
この人(洪さん)が日本生まれの在日同胞で、20歳を過ぎてから、母国語を習い始めたと知った。そして「洪吉童伝」を絵本にして出したことを知らされました。
洪さんの絵があまりにも気に入った私は、ポリ出版社の仲間たちに、「洪さんの絵による本を出版しようと」と提案しました。
私の知る限りでは洪さんは金弘道(すごい画家のようです)以来の、わが国の自然と情緒を描くことのできる唯一の方だと思いました。
2006年にはわがポリ出版社で「洪吉童(ホン・ギルドン)伝」の韓国語版を出版するにいたりました。
「泣き虫小僧」は私が書いたお話ですが、そこに洪さんが絵を描いてくださり、何と、わが国の初等学校(小学校)国定教科書に載りました。
韓国中の子どもたちが、洪さんの絵を見ています。
わが民族の魂と感情が息づく洪さんの風俗画を、もっともっと描いていただきたいという私たちの願いを聞いてくださり、取り組んでいらっしゃいました。
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拉致=北朝鮮=悪。そして制裁。
日本政府の、特に外務関係者に、洪さんのこの動画と絵本を見せたいです。
朝鮮の昔話。言葉の勉強だけでなく、日本の昔を思い出させるような文化のつながりや違いの勉強にもなります。