(FRIDAYデジタルの記事より)
「思っていた通りの展開」…サイボウズ青野社長に聞く「マイナカード」トラブル解決の唯一の方法とは(FRIDAY) - Yahoo!ニュース
「思っていた通りの展開」…サイボウズ青野社長に聞く「マイナカード」トラブル解決の唯一の方法とは
マイナンバーの問題が解決されないまま、マイナカードは普及に突き進んでいいのか。かねてマイナカード不要論を唱えていたIT企業サイボウズ社長の青野慶久さんは、現状をどう見ているのだろう。
「だいたい予想していた通りの展開になっています」
青野さんから予想通りの一言が返ってきた。
マイナンバー制度を支える中核システムを設計・開発したのは、総務省とデジタル庁が所管する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が業務を発注したIT大手5社だ。
「マイナンバーのシステムはもともと複雑です。受注した業者にもちろん問題はあるでしょうけど、システムが複雑になるようなマイナンバー制度を、ITをよく理解していない政治家がつくったことも問題。その制度がちゃんと整備されないままシステムが走ってしまったんだろうと思います」
たとえばマイナカードと健康保険証の情報をひもづける作業は、担当の職員が手入力で行う。確かに誤入力が起きる可能性はあるが、入力の誤りを検知するシステムが導入されていれば、ひもづけミスは防げたのではないか。
「国はデジタルなシステムをつくったはずなのに、なぜ手作業が発生するんでしょうか。マイナカードのサイトを見ると、“行政手続きが簡素化されて国民の利便性が向上する”というようなことが書かれていますが、その前に行政職員の負担が増えている。マイナカードがコンセプトに沿ったものになっていないということですよ」
「マイナカードを使った住民票のコンビニ交付に、僕はすごく違和感があるんです。なぜ住民票を“出力”しないといけないのか。紙の証明書をなくすために、国はマイナカードを国民に持たせようとしているんじゃないんですか? わざわざ証明書を出力しなくてもスマホで見せて手続き終了となるなら便利ですけど、結局は保有するカードが増えただけで紙は減らない。デジタル社会と言いながら『コンビニで住民票を発行できます』と自慢するセンスが理解できません」
最新技術を使って一からつくったほうが、圧倒的に安くて便利なものができます
最新技術を使って一からつくったほうが、圧倒的に安くて便利なものができます
総務省によると、マイナカードの6月30日時点での保有数は約8815万枚。人口に対する交付率は70.0%だが、どれだけの国民が利便性を感じてマイナカードを取得したのだろう。
「もとから僕は、マイナンバーを利用するために物理的なカードを持たなければいけないことに疑問を感じていました。マイナカードに搭載された電子証明書のパスワードは4種類あり、目的に応じて使い分けることになっていますが、忘れると自治体の窓口に行ってパスワードの再設定手続きをする必要がある。カードを紛失したらしたで、自治体の窓口で手続きしないといけない。利便性に逆行しますよね。
我が家は幼い子どもが3人いるんですが、子どもたちの健康保険証をこれまで2回なくしました。マイナ保険証しか使えなくなると、なくした時に非常に困るわけですよ。僕は子どもを連れて役所を往復しないといけない。便利どころか負担が増えます。
そもそも、すでに広く普及している健康保険証を廃止してマイナカードに置き換えること自体、無駄です。マイナ保険証にする必要性をまったく感じません」
健康保険証に続き、’24年度末までに運転免許証もマイナカードとの統合が予定されている。
「国は生活基盤となる個人情報をマイナカードに集約しようとしていますが、紛失すると、再発行されるまでの間は何もできなくなります。もうマイナカードはやめて、スマホ前提に再設計するべきです。スマホならなくしにくいですし、落としてもGPS追跡機能で探せますから」
マイナカードの発行開始から10年を迎える’26年中に、政府は新たなマイナカードを導入するつもりのようだ。河野太郎デジタル大臣は、導入に際し「新しい読み取り機が必要になる可能性はある」とまで言及している。
「複雑化したシステムを見直してもトラブルはなくなりません。今の最新技術を使って一からつくったほうがいい。圧倒的に安くて便利なものができます。デジタル業界では当たり前のことです」
◆政治家が「やめる勇気」を持てないことがマイナカードの一番の問題です
「僕がマイナカードに関して一番に指摘したいことを挙げるなら、この失敗プロジェクトを止めることができない組織の問題です。その姿が、勝てるはずもないのに戦争を止められず敗戦に向かっていった時の日本と重なって見えます。
政府が失敗を認めてプロジェクトを止める判断を下さなければ、ダメージは拡大していくでしょう。政治家がリセットする勇気を持てないことが、マイナカードの一番の問題だと思いますね」
マイナンバーやマイナカードをめぐる相次ぐ混乱を受け、報道各社による7月の世論調査で内閣支持率は20~30%台まで下落。共同通信社の調査では、政府が秋までに実施するマイナカード問題の総点検について「解決しない」との答えが74.7%に上った。
「国民にできることはやはり、『自分はマイナカードを使いません』という意思表示でしょうね。返納する国民が今後も増えていくと、政府はいずれギブアップせざるを得なくなるかもしれません」
青野 慶久(あおの よしひさ)1971年、愛媛県生まれ。 大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、’97年に愛媛県でサイボウズを設立し、2005年に代表取締役社長に就任。著書に『「選択的」夫婦別姓』(ポプラ新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)など。
(ASAGEIplusの記事より)
「デジタル庁に送り返す?」「断裁すればいい?」マイナカード「完全自主返納」マニュアル!
「他人の個人情報が紐づけられた」に始まり、ついには「公金受け取りで他人口座に振り込まれる」事態が発生。マイナンバーカードのトラブルが止まらない。これはもう返納するしかない。でも、どうすればいいの?
16年1月に発行が始まったマイナカード。以来、47万件の返納がある。が、トラブルが発覚した6月だけで2万件に上る。総務省が任意に抽出した自治体ではその4割が自主返納であることが判明したという。
中には、「もらったマイナポイントも使っちゃったし、不信感も募ってきたところで、自分も返しちゃおう!」と決意した人も多いのではないか。ところが、期限切れのクレジットカードのように、ハサミで断裁しちゃえばいいわけではない。ましてや、「返納は微々たる数」と言い放った河野太郎デジタル相宛てに腹いせとばかりに送りつけるなんて愚の骨頂である。
「正解は住民票のある役所に行って、『個人番号カード返納届』という書類に必要事項を書くだけ。ものの5分もあれば終了です」
と話すのは経済ジャーナリストの荻原博子氏。役所によっては、マイナカード以外の本人確認書類を求めてくるケースもあるという。が、これで本人のマイナカードは破棄されて使用不可能となる。
「返納までしなくても、金庫に眠らせておけばいいという人もいると思いますが、どんなルートでマイナカードが人の手に渡って悪用されるかわかりませんから、自主返納する方が安心です」(前出・荻原氏)
もとより、コンビニで住民票や印鑑証明など公的証明書が入手できるぐらいしか利便性がなかったマイナカード。返納したところで、公的証明書を発行してもらえなくなるわけではないし、そうそう困らない。
繰り返されるトラブルに、岸田文雄総理は秋までの総点検を指示した。
「でも、配布された8300万枚のマイナカードの29項目を人海戦術で点検するなんて、またトラブルが起きないわけがありません」(前出・萩原氏)
返納しようがしまいが、自分だけはトラブルに巻き込まれませんように、と祈るしかないのか。
コメントをお寄せください。
<パソコンの場合>
このブログの右下「コメント」をクリック⇒「コメントを投稿する」をクリック⇒名前(ニックネームでも可)、タイトル、コメントを入力し、下に表示された4桁の数字を下の枠に入力⇒「コメントを投稿する」をクリック
<スマホの場合>
このブログの下の方「コメントする」を押す⇒名前(ニックネームでも可)、コメントを入力⇒「私はロボットではありません」の左の四角を押す⇒表示された項目に該当する画像を選択し、右下の「確認」を押す⇒「投稿する」を押す