住みたい習志野

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Narashino Geography  号外 中途障がい者の車椅子生活

2021-12-04 23:25:28 | 地理学

「住みたい習志野」にNarashino Geography (習志野地理学)を連載しておられる近先生の投稿が、季刊のミニコミ「Life Crossing」に載りました。一部抜粋をしてご紹介します。

中途障がい者の車椅子生活

 勤務先の教室で授業中に右脳視床出血で左半身不自由になり、車椅子を利用すつようになりました。

学校はバリアだらけ

 脳出血で倒れた翌年職場復帰しました。問題は学校というところはバリアだらけで、公共施設としてはもっとも劣悪な環境ということです。千葉県の公立高校では、ほとんどの高校にエレベータもなく教室にたどり着くこともできない学校がほとんどです。

多様性への配慮ない校舎

 学校というところは、基本的に“多様性”を認めることを前提にしていません。基本デザインは明治に学校制度ができたころとほとんど変わっていません。

 ボクの障がいは左半身不自由ですが、障がい者の不自由は個性的です。ボクは少し歩けるので、洋式トイレなら多機能トイレなどでなくても頑張れば使えます。

今は年金生活楽しむ

 現在は年金生活をのん気に楽しんでいます。地理教員だったので、出歩くことが大好きで、今も「日本の理不尽のフィールドワーク」と言いながら、裁判傍聴や国会門前行動、学習会などに出向いています。

無人駅とローカルバスは難敵

 公共交通機関での移動は、ほぼ問題ありませんが、無人駅とローカルのバスは難敵です。事前に行程を決めて、シミュレーションして出かけています。無理せず、余裕を持って行動することが楽しむコツだと思います。

 現在のパンデミックも地理学では19世紀半ばロンドンのコレラ流行についての研究が古典として存在します。まだ「細菌」というものが発見される前の研究で、その後の公衆衛生につながっていきました。地理は空間に生じる事象を研究対象とするので、さまざまな事柄に関心が向かいます。そういう地理を学んできたことで、障がいを得てからも新しい点から社会を見ることを新鮮に感じています。

エピローグ:さて、ボクにとって幸いだったのは、40年ほど前に千葉大学の学生たちと「障がい者問題」などについて、学習会を開いたこと、千葉県内の「障がい者の高校進学を求める会」の運動にかかわっていたことだと思います。「予習」ができたということです。歳を取れば、必然として障害を得ると考えていました。予定より少し早く障がい者となりましたが、この「予習」は役に立ちました。車いすでアチコチ出歩くのも、自らを行動展示することで、見かけた人たちに考えてもらえればという思いもあるからです。みなさんも是非「予習」をしてみてください。そのことが「障がい者はかわいそう」という神話から脱する一歩になると思います。

 

 

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