隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0770.探偵の秋あるいは猥の悲劇

2006年09月02日 | 本格
探偵の秋あるいは猥の悲劇
読 了 日 2006/09/02
著  者 岩崎正吾
出 版 社 東京創元社
形  態 単行本
ページ数 334
発 行 日 1990/09
I S B N 4-488-01240-X

 

上の著者名をクリックすると、今まで読んだ著者の作品一覧へ移動します。

和20年3月の東京大空襲のあった6歳まで、僕は東京の駒形に住んでいたので、今でも時々下町の風情が懐かしく感じられる。多くの男の子の例にもれず、都電(路面電車)や省線電車の運転士に憧れを持った幼い日を思い出すことが、、最近多くなった。
だから、その後千葉の田舎に暮らすようになった時も、長いこと自分の暮らすべきところはごみごみとした雑踏の中の東京だと感じていた。歳をとった今でこそ、静かな田舎も心地よく感じられるようになったが、東京暮らしが僕の行き着くところだという思いが、いつもの心の底にあったのだ。
なぜこんな話をするかと言えば、この本の著者が自らを「田園派」と称して、生まれ故郷の山梨を愛し、小説の舞台としていることにちょっとうらやましい思いを抱いたからだ。今は亡き金田一耕助の生みの親である横溝正史氏に憧れて、同様の雰囲気を持った作品を生み出そうとして、故郷を舞台にできるということは素晴らしいと思った。

そんなことから、著者の作品を読み始めて3冊目となった。何とはなしに、読んでいて懐かしいような思いが湧いてくる作品だ。

 

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿